■ 今月(12月)の読書は新書が4冊続いたから次は小説を読もうと思い、書棚から安部公房の『砂の女』(新潮文庫1981年2月発行)を取り出して読み始めた。
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『砂の女』の初読は1981年の3月。このブログの過去ログを調べて2008年12月にも読んでいたことが分かった。
読み始めて**いつまでたっても海は見えなかった。地面のうねりで、見とおしがわるいせいか、同じような風景が、際限もなくつづくのだ。それから、とつぜん視界がひらけて、小さながあらわれた。高い火の見櫓を中心に、小石でおさえた板ぶきの屋根がむらがった、貧しいありふれた村落である。**(8頁)という火の見櫓が出てくる件があることに気がついた。火の見櫓を村落のランドマークとして捉えた描写だ。
そうか、安部公房の『砂の女』にも火の見櫓が出てくるのか・・・。
今後再読するなら北 杜夫と夏目漱石、それから安部公房の作品だろうと思い、書棚に残しておいた。既に書いたことだが、安部公房の代表作といえばやはり『砂の女』だろう。
**砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきこめておこうとする女。**(カバー裏面の本作紹介文からの引用)
前衛的な作品だ。
火の見櫓が出てくる文学作品(過去ログ)