■ 日常の中で非日常なひと時を過ごすつもりで始めた朝カフェ読書だったが、週2回のペースの今ではすっかり日常、となった。今朝(17日)は「ホットのショートをマグカップで」とオーダーした。馴染みの店員さんではなかったから。
2階のいつもの席に着き、店内に流れるクリスマスソングを聞きながら『砂の女』を読む。シュールな小説だからなのか、パサパサ乾いた印象だ。こういう作品ってフランスあたりで受けるんじゃないかな、と思った(*1)。
**薄らいだ光のなかに、火の見櫓は、妙にひょろひょろと、傾(かし)いで見えた。意外に貧弱だし、距離も遠かった。だが、相手は双眼鏡でのぞいているのだ、距離に期待はできない。もう見つけられてしまっただろうか?・・・いや、気がついたらすぐに、半鐘を鳴らすはずだ。**(165頁)
読み進むとこのように監視櫓としての火の見櫓が出てきた。前回読んだときはまだ火の見櫓巡りを始めていなかったから、火の見櫓を気にも留めず読み進んだと思う(って、またどうでもいいことを書いてしまった・・・)。
*1 調べてみてフランスで1967年度最優秀外国文学賞を受賞していることがわかった。