透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「実践 自分で調べる技術」

2020-12-14 | A 読書日記

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 『実践 自分で調べる技術』宮内泰介・上田昌文(岩波新書2020年10月20日第1刷発行)。書名の通り、この本は知りたいことを自分で調べるための方法を具体的に紹介している。ただし国会図書館のデータベースを調べる方法を詳細に説明するなど、大学生や大学院生が論文執筆のために参考にするようなレベルの内容だ。

カバー折り返しに**小中高の探求学習にも活用できる入門書**とあるが、小中高の探求学習の指導にも活用できるという紹介の方が相応しい。少なくとも小中学生にはこの本で説明されていることを実践するのは難しいだろう。

第5章(最終章)は「データ整理からアウトプットへ」という章題だが、アウトプットについては論文にまとめることと、論文発表の方法についてやはり具体的に説明している。

この様な内容であるから、一般素人の読者である私にとって、いや、これから調査研究をする機会はまずないであろう私にとってあまり有用ではなかった。ただし熱心に研究しようという学生には大いに役立つと思う。

**「A市の農業は現在どういう問題をかかえているのか」ということを知りたいと思います。どういう調査をすればよいでしょうか。調査プランを立ててみましょう。**(99頁) 本書に示されている練習問題のひとつ。