①
茨城県常陸幸田(当時) 撮影7910
②-1
群馬県水上町藤原平出(当時) 撮影7910
②-2
③
鎌倉 撮影8104
昔はサービスサイズの縁付きプリントにネガ番号・コマ番号、それから撮影年月を記録していた。なんと「ズク」(*2)のあったことか。
④
「建築士」2010年5月号表紙
■ 茅葺き民家の棟納めには雨仕舞のための様々な工夫がこらされている。①のえびのしっぽは飾りではない。棟を押さえた竹を縫い止める縄を雨から守るカバーで「針目覆い」と呼ぶ地方もある。
②の民家は棟に草や木が生えているし、④はアヤメの仲間のイチハツの花が咲いている。これは「くれぐし」と呼ばれる棟納め。
棟に土を載せ、そこに生える草の根をはびこらせ、あるいはショウブやオニユリを植えて、棟を固めて雨仕舞をするもの。くれぐしのくれは土塊(つちくれ)のくれで、ぐしは棟のこと。
雑誌「建築士」のバックナンバーを整理していて、③の表紙が目に入った。茨城県常陸太田市にある西山荘で水戸の黄門様、徳川光圀公の隠居所として1690年(元禄3年)に造られた。(*1)1817年(文化14年)に焼失したが、1819年(文政2年)に再建された。
既に書いたが(過去ログ)、縄文時代の竪穴住居の屋根はこの民家の棟のように土葺きだったという。樹皮で屋根を葺いてその上に土を載せたものだったということが、発掘調査で明らかになっている。くれぐしはそのなごりということだろう・・・。
*1 1691年に造られたという記述も見られる。
*2 ズクは労をいとわぬやる気という意味の信州の方言。