哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

晴れ渡る秋空(水墨画)

2010-10-16 05:13:16 | 水墨画
紅葉狩るニュースの届くこの時期は
朝の涼しく空晴れ渡る          樋田哲仙

 気象情報を見ていると北日本の山から紅葉の便りが届き、昨晩は赤城山の色月を報じた。どんどん南下している。近畿地方の各地の行楽地の紅葉はまだひと月先のことだが、空にいわし雲が高く浮かび、朝は涼しさを増した。室内でも半そでではいられない。スポーツの、食欲の、芸術の、読書の秋へと突入したようだ。にほんブログ村 美術ブログへ

奈良・曽爾高原(写真)

2010-10-14 06:48:49 | 写真
ゆっくりとゆっくり登るすすき野の
開け行くなり曽爾高原は       樋田哲仙


 奈良・曽爾村の曽爾高原は山肌を覆い、白銀の世界となる斜面を上りきると雄大な風景と変る。下方に見える集落も点在して素晴らしい。体育の日とあって国道から逸れて進む道路は途中からマイカーの行列で大渋滞。近くまで来ていながら思わぬ時間を要する。そのストレスも見ごろとなった高原のススキで一気に開放される。

稲架に干される稲(水墨画)

2010-10-13 06:39:06 | 水墨画
トンネルを出ると棚田に懐かしき
刈り取られたる稲天日に光る       樋田哲仙

 奈良県の369号線は山間を縫う。時々トンネルに入り、風景が大きく変化して秋が楽しめる。棚田も目につき、刈り取られた稲は小さな稲架(はさ)に掛けられ天日に干されていた。手間と時間に大変だろうが、米を美味しくするために自然乾燥する昔からの知恵であった。今はほとんど機械化だが、昔はこれが主流であった。 にほんブログ村 美術ブログへ
   

古今集第七十八番ひとめ見し(書)

2010-10-12 05:28:12 | 
ひとめ見し君もや来るとさくら花
今日はまちみて散らば散らなむ      紀貫之

 ひと目見ただけで好きになってしまったあのお方が、今夜にも来てくださるだろうかと思って待っている我が家の桜よ、今日待っていて駄目なら潔く散ってしまえよ。桜を擬人化して言い聞かせている歌。

生石高原のススキ(写真)

2010-10-11 05:29:01 | 写真
去年よりも銀に深みの色増して
山肌被ふ芒の揺れる          樋田哲仙

 和歌山県・生石高原は昨年10月末に訪ねた。ススキの名所で名の知られた高原である。ススキは2週間から20日遅すぎ、穂は痩せて折れ、生気をなくしていて、これでは来年出直そうと思った。今年その時期が来て8日の平日訪ねた。800㍍付近の山肌は白銀に染まり、風にそよぐ様は秋一色で感動した。

アキアカネ少なし(水墨画)

2010-10-10 06:20:31 | 水墨画
気がつけば今年少なきアキアカネ
タカの渡りを観察しつつ        樋田哲仙

 鳥の観察に余念がなく双眼鏡を肩につるしてアキアカネの少ないことに気づいた。毎年双眼鏡の中に入って観察の妨げとなるが、今年は全然ない。どうしてなのか原因は不明だが、蝶のアサギマダラもほとんど見かけない。年によってこうも違うかと思った。鳥の仲間からは口にするものはなかった。  にほんブログ村 美術ブログへ

古今集第七十七番いざさくら(書)

2010-10-09 06:55:05 | 
いざさくら我も散りなむひとさかり
ありなば人に憂きめ見えなむ      承均(ぞうく)法師

 さあ、桜の花よ、お前が潔く散るように私もいつかは散り果てよう。物事はひとたび全盛時があると、その後は下降して惨めな姿になるのが目に見えているから。この歌は平家物語の冒頭に出てくる盛者必衰の言葉を思い起こさせる。

タカの渡り(写真)

2010-10-08 05:03:04 | 写真
待ちに待つタカの渡りのこの時期は
毎年ながら気もそぞろなり        樋田哲仙

 9月下旬から10月上旬は「タカの渡り」の季節となり、猛禽愛好者はバードウオッチングに余念がなくなる。ほぼ飛ぶコースが決まっていて、どこでも飛ぶ訳ではない。関西にはいくつかあり、毎年2,3度和歌山・日の岬へ出かける。サシバ、ハチクマが目的だが、多く飛ぶ日に当たりはずれがある。それでも懲りずに出かけてしまう。

ひがんばな(墨彩画)

2010-10-07 04:40:57 | 写真
今年ほど気を揉むうちに彼岸花
十日遅れて盛りとなりぬ

 今年は猛暑日が続いて更新された。9月に入っても一向に下がらず真夏日同然で高齢者には体力消耗がひどく閉口した。日照りが影響したのか、ひがんばなが咲かず、彼岸の中日となっても花柄すら立ち上がらず、写真どころではない。雨も降らない。雑草も生気を失っていたが、9月中旬になってやっと降った。それか植物に活力となって、ひがんばなも十日遅れてやっと盛りとなった。  にほんブログ村 美術ブログへ

橿原市・見瀬丸山古墳(写真)

2010-10-05 04:14:31 | 写真
国道の脇に仰ぐは謎多き
いく世眠れる円山古墳       樋田哲仙

 今から33年前明日香のマルコ山古墳が発掘調査さている最中、見学団体に参加した際、見瀬丸山古墳に立ち寄った。6世紀後半の築造で、全長318㍍、高さ21㍍、奈良県下最大。全国でも6位の巨大古墳である。被葬者は欽明天皇と堅塩媛の陵墓が有力とされる。国道169号線走行中にふと見かけて脇道に入り、感懐を持って眺めた。

ひょうたんに楽しみ(墨彩画)

2010-10-04 05:30:48 | 墨彩画
                            (豆色紙)
瓢箪をいと慈しむ人らあり
保存会やら愛好会やら         樋田哲仙

 ひょうたんは不思議な形をしていて昔は旅の道中に水を持ち歩く貴重な器であった。酒を入れる道具ともなり愛されたという。知人に5,6人で構成するひょうたん愛好会の人がいた。畑に種を蒔き、育て観賞用に加工する。表面に毛筆で金言を入れ、飾り紐をつけて展示会に出品していた。7.80㌢もある大ひょうたんを好んで栽培していた。ここ数年会わないがどうしていることか。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

古今集第七十五番桜散る(書)

2010-10-03 06:52:16 | 
桜散る花のところは春ながら
雪ぞ降りつつ消えがてにする       承均(ぞうく)法師

 花の名所雲林院では今が落花の盛りで春の真っ最中でありながら、雪が降りしきって、なかなか消えないでいるようだ。花びらを雪と見立てている比喩の歌で雪なる花びらは消えることはない。題詞に雲林院にて桜の花の散りけるを見て詠めるとある。

サントリー山崎蒸留所(写真)

2010-10-02 03:55:06 | 写真
ウイスキーの原酒つくりしあけぼのは
天王山のふところに在り       樋田哲仙

サントリー山崎蒸留所は羽柴秀吉と明智光秀の戦いとなった天王山の山麓にある。かって山崎は万葉の歌にも詠まれ、千利休もこの地に茶室「待庵」を建て、茶を点てたと伝えられる名水の湧くところ。ウイスキーを本格的に作り始めたのは1923年というから83年の歴史がある。蒸留所は申し込みで見学が出来、試飲とショップが楽しめる。