哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

バラの花(墨彩画)

2009-04-15 07:02:45 | 墨彩画
季に早く満つる香りに癒されて
バラの花咲く温室を出る      樋田哲仙

 露地栽培のバラは五月中旬に花を咲かせるので、まだ、芽が出ていくらも伸びていない。が、温室やフレーム栽培は約1月早く咲き始める。ガラス越しの日差しを受けて多様な花を楽しめる。香りも室内に籠り、一足早いバラを愛でることになる。移動させるのに便利なことから温室栽培は鉢植えが多い。 にほんブログ村 美術ブログへ

吉野山 西行(書)

2009-04-14 06:44:16 | 
吉野山去年の枝折(しおり)の道かへて
まだ見ぬ方の花を尋ねむ         西行法師

 吉野山の桜を詠んだ西行の歌は60余を数える。母の名が桜ということも影響したのだろう。歌意は昨年訪ねた道を今年は変えて、まだ見ていない新しい道を歩いて愛でてみようということか。観客として入る吉野山の道は大方限られてしまう。現代は自動車で訪ねるのでなおさらである。

琵琶湖バレイの天界は雪(写真)

2009-04-13 06:01:20 | 写真
満開の裾野に仰ぐ天界の
琵琶湖バレイは雪のけのこる        樋田哲仙

 比良山系の琵琶湖バレイは冬季スキー場で賑わう。京都・大阪から近いことも便利である。山頂へ行くにはロープウエーがあり容易である。山ろく駅付近には結構桜があり、訪ねた4月11日は満開を迎えて見ごろだが、花見客はほとんどいない。名が知られていないのが残念で、穴場といえよう。

春の森(水墨画)

2009-04-12 05:37:09 | 水墨画
うっすらと薄みどりをば塗るごとく
車窓の景は春進みをり         樋田哲仙

 きのうの土曜日滋賀・湖北をバスツアーでア訪ねた。窓から見る外の景色は明らかに冬景色とは異なり、特に遠くの山は薄みどり色して春景に変りつつある。新緑にはまだ少し早いが間近に迫った芽吹きのころである。あと1週間で春色が増し、俳句の世界の「山笑う」の季節の到来となる。 にほんブログ村 美術ブログへ

ながむとて 西行(書)

2009-04-11 05:45:52 | 
ながむとて花にもいたく馴れぬれば
散る別れこそ悲しかりけれ         西行法師

 西行ほど桜をを愛した歌人は珍しい。桜の多い吉野山は自然と足が向くのも道理である。歌意はじっと桜の花を眺めていると親しみが湧いてくる。その桜がやがて散り始めると花との決別がなんとも悲しくなると言い切る。樹木の摂理の無情は避けられないものがあり、1年後の再会を期するほかはない。

京都府立植物園のシダレザクラ(写真)

2009-04-10 07:16:55 | 写真
一本の枝垂桜は孤高にも
花の先まで気高くやさし         樋田哲仙

 園内に1本のシダレザクラがある。周囲には緑の木立と、まだ季節には早いハナショウブの園があるだけで、一層華やいで見える。枝も長く伸ばし、棚で支えられている。訪ねたときは花も見ごろを迎えて気品が漂い、老木の域にある。ソメイヨシノの華やかさに、シダレザクラは高貴と優雅さ備え、風格がある。

春立つ景色(水墨画)

2009-04-09 05:53:14 | 水墨画
眺めつつ窓を開きて農道を
ゆっくり走る春立つ景色       樋田哲仙

 丘陵を走る農道は国道並みの幅ながら交通量が少なく好んでよく走る。この時期、車窓より春風を入れても寒さはもうない。何よりゆっくり走っても他の車に迷惑をかける気遣いも入らない。里の景色と迫る山の姿も変化して楽しい。難点はアップダウンとカーブが多いことだろう。しかし、、ドライブには苦にならない。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

よし野山 西行(書)

2009-04-08 06:22:20 | 
よし野山さくらが枝に雲散りて
花おそげなる年にもあるかな       西行法師

 吉野山の桜にかかっていた雲が散って晴れてくると、花とばかりに思っていた桜が、まだ、一向に咲いていない。今年は例年より遅い開花となりそうだと、桜の好きな西行は楽しみにしていたが、落胆している和歌である。吉野山の桜はいったん咲き始めると下、中、上、奥と順々に咲いて長く楽しめる。

京都府立植物園・満開の桜(写真)

2009-04-07 06:14:05 | 写真
マナーよき客の花見る奥深さ
京都府立の植物園は       樋田哲仙

 京都府立植物園は初めての訪問である。地下鉄烏丸線北山駅から近い。開園は大正13年と古く、240、000㎡と広大で、園内の樹木に歴史を感じる老木も多い。2か所にある満開の桜の下で楽しむ花見客はマナーよく静かでよい。園内であることから酒盛りやカラオケの騒ぎは全然ない。花見はこうありたいものだ。

雪の残る峰((水墨画)

2009-04-06 06:25:44 | 水墨画
里川の水かさ増しぬアルプスの
峰の白雪細りゆくころ        樋田哲仙

 富山地方はッチューリップの花の咲くころ訪ねると、里ではかすみが掛かり、里川は雪解け水が増してどの川も流れを早める。3000㍍級の北アルプスの峰には、まだ、雪が輝いているが、里川にも春の兆しが現れる。地下水が湧水を作り、名水百選も多く、水の豊富な地方である。 にほんブログ村 美術ブログへ

野に出れば 素十(書)

2009-04-05 05:57:05 | 
野に出れば人みなやさし桃の花       高野素十

 野外に出れば開放的になって、気分はおおらかになるものだ。淡紅色の桃の花は桜より4,5日早く満開となる。果実を目的とするから畑や丘陵地が多い。背丈は3㍍足らず、枝をくぐるように歩かなければならない。桜はござをしいて酒盛りの宴会となり、騒音が伴う。桃の花では静寂の花見となり桜と大きな違いである。

桜に包まれる根来寺(写真)

2009-04-04 07:02:06 | 写真
のどけさに花見の客の急に増す
休みならずも根来の寺は          樋田哲仙

 和歌山岩出市にある新義真言宗総本山根来寺は桜の名所である。広大な境内の入り口となる山門は豪壮で周囲の桜の木の上に浮かび、最初の見せ場となる。戦国時代、僧兵の勢力増大から、織田信長、秀吉に抵抗し、1585年焼き討ちに合い、多数の堂塔を焼失した。しかし、かっての面影は随所に残る。

山のあなたに幸せが(水墨画)

2009-04-03 07:07:26 | 水墨画
幸せは身近にあるを気づかずに
山のあなたの遠くにあると         樋田哲仙

 ドイツの詩人カール・ブッセの「山のあなたの空遠く---」に始まる詩は上田敏訳で知られ、著名である。山の彼方の空の遠くにあると人が言うので、訪ねると何もなかった。戻ってきてそれを語ると、まだまだ、その遠くの山の向こうにあると人はいう。幸福は誰もが近くにありながら気づかないだけであるようだ。 にほんブログ村 美術ブログへ   

そのなかに 犀星(書)

2009-04-02 05:52:01 | 
そのなかに芽の吹く榾(ほた)のまじりけり        室生犀星

 シイタケ生産農家は里山の林の中の半日陰を利用しているのを見かける。詳しいことは分からないが、クヌギ、シイ、カシの原木を1㍍足らずの長さに切って、立てて並べる。菌を植えつけた原木は3,4年生み出すという。榾木の中に生々しく芽を吹く勢力を残しているものがあったのだろう。

チューリップ咲き始める(写真)

2009-04-01 06:53:58 | 写真
チューリップ花に加へていかやうに
植ゑし模様の美しきかな        樋田哲仙

 陽春の先日近くの農業公園を訪ねた。シバザクラの開花の様子を確かめるためであったが、まだ、早すぎて駄目であった。一方、チューリップがもう咲き始めて楽しめるまでになっていた。例年なら、5月の連休のものである。各地で桜の開花がきかれるこのごろと同時期とは意外であった。花の美しさに、植え方による美観も楽しめる。