昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

昭和のマロの考察(32)医療(7)

2010-09-05 06:38:41 | 昭和のマロの考察
<対応後手、感染広がる>
 帝京大病院の院内感染は昨日の新聞の一面に大きく報道された。
 昨年夏、すでに1例目が発生、主治医はこの時点で抗生剤が効きにくいことを把握しながら院内感染対策にあたる感染制御部に報告しなかった。

 つまり、システムは出来ていたが医師は無視した。
 また、その後感染が増加していることを認識していながら、病院も国や都への報告を怠っていた。
 同病院は高度な医療を提供する病院として国が指定した<特定機能病院>でありながらずさんな対応は厳しく問われそうだ。

 もう、10年前になるが、日本経済新聞が<病める医療>と題して特集を組んだ。
 その中で、医師を養成する段階ですでに問題が潜んでいることを指摘している。

 「大学の予備校化が進んでいる。知識を詰め込んだ学生は正答は選択できるが、なぜその答えを選んだのかを聞くと答えられない」と東田講師・・・
 卒業時、ほとんどの学生たちが聴診器を使った診断を満足にできない。
 
 ・・・学生たちはどんな疾患でどのような聴診の所見があるかという教科書的な知識の習得には熱心だ。入院患者に協力してもらってマンツーマンで聴診を教え始めると、やがては来なくなる。「今の学生は聴診などの五感を使って行わなければならない医療技術の習得法と受験勉強の学習法との溝を埋めきれないでいる」・・・信州大磯辺助教授。
 東大付属病院の松下正明病院長は「若い医者には、目礼だえできない者が多い」と言う。

 患者に<冷たい>医師が量産され、医療現場に送り込まれるのではとの不安が広がっている。


 ─続く─