昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(359)甘利大臣カネの疑惑で辞任

2016-01-29 07:11:57 | なるほどと思う日々
 甘利大臣が辞任を表明した。
       
 アベノミクスの安倍首相を支える経済のキーマンだっただけに内閣に与える影響は深刻だ。
 

 庶民からの反応も厳しい。
 
 

 アテネで長期政権を担ったペリクレスという宰相を思い出した。
 
 彼は賄賂というものとは無縁であり続けた。
 自分の財産を父が残してくれたものよりは、1ドラクマも増やさなかったという。
 民衆とは統治されることは受け入れるが、統治者に対する批判の権利だけは手放したくないと思う人種である、ということにも無知ではなかった。
 そして、民衆の<批判>というものが、多くの場合はほんとうの意味の批判ではなく、悪口とか中傷とかの形をとるものであることも知っていたらしい。
 当時のアテネ人の彼に対する悪口はすさまじい。批判どころか、嘲笑である。
 それをペリクレスは耐えづける。
 被支配者には、何かの形で思いを発散させておいたほうが、支配しやすくなるというだけのことである。
 ペリクレスの政治的才能が、同時代のアテネ人を抜きんでいたことは確かなようだ。
 彼は、多数を、思い切り悪口を言わせることと、自分自身はクリーンであることで、40年間統治し続けたのであった。