タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

サイボーグなお話

2013-06-19 21:27:21 | 不妊症
今日は少し宣伝から。
お腹の中に居る胎児の心音が聴こえるドップラーを売っています。
いつも妊婦健診ではトントンという、胎児心音を聴きますよね?
これはスピーカーではなく、ヘッドフォン型なので、心音を聴きながらお昼寝するのに向いているかもしれません。

定価は1万円なのですが、在庫限りで3,500円にします。もちろん原価割れです。
わけありで、外箱にへこみが有ります。それ以外はちゃんと聴こえますからね。
ただし聴くにはコツが有るので、妊婦健診の時にどのへんで心音が聴こえたか、
お腹に印をつけておくといいでしょうか。
まあ、いろいろと探すのもおもしろいのですが、
逆に聴こえないと心配になってしまいますからね。

ちょうど今日、トライやるの学生さんたちからお礼の手紙が届きました。
その中でおもしろい箇所はどこだったと思いますか?
2人とも大人の心拍数が60ちょっとなのに、赤ちゃんの心拍数が120くらいと
倍もあることに、驚いたようです。
そう、心拍数は体重に反比例するのですね。
象はゆっくりだし、マウスは速いのです。当然赤ちゃんも速いのですよ。

それにしても中学生の間に赤ちゃんのお世話が一式習えるなんて幸せですね。
義務教育の間に、全員が子育てを習ったらどうでしょうか。

昨日は不妊症のテーマに日だったのですが、今日に回します。
そのちょうど昨日のことなんですが、ニュース記事に、
動物を使った人間の臓器を造ることの研究を許可する、と有ったのに気付かれましたか?
小さい記事で何のことかわからなかったことでしょう。

現在日本では30万人の腎不全の患者さんが人工透析を受けておられます。
町に最低1つは、透析をする施設が有りますよね。
糖尿病の患者さんが主に腎不全になるわけです。
1人、1年あたり、500万円もの治療費がかかっているので、保険財政を圧迫しています。
亡くなられた方から腎臓を頂くのが一番いいのですが、ドナーの数が少ないのです。
しかも費用は2,000万円もかかります。それでも3割の方が国内で移植を受けられています。
5割の方は海外で移植を受けられるのですが、これは裕福な日本人として問題が有ります。
しかももうすぐ移植のための渡航はWHOで禁止されるようです。

そこですべてを解決するためには、人工臓器が必要になってくるのです。
サイボーグなんて言ったら、ロボットを想像されるでしょうが、
単に、ヒトの臓器を動物の身体の中で育てる、というだけのことです。
育ってからヒトに移植すれば良いわけです。
動物には申し訳ないですが、今日もお肉くらい、夕食のお皿に乗っているでしょう?

臓器を造るためには、まず腎臓なら腎臓の無いブタを造ります。
そこに人間のES細胞なり、iPS細胞なりを移植するわけです。
ES細胞というのは、ヒトの受精卵から作成した細胞で、これも受精卵という人間になれる細胞だから、倫理的には問題があります。
できればiPS細胞という、皮膚などから採取した細胞を未分化な状態に戻してから使う方が問題は有りません。
もう既にマウスとラットの間では成功しているのです。
これがヒトとブタならすぐにでもはじめられそうなんだけれども、
国がまだストップをかけていたのですね。
それが昨日ゴーザインが出た、というのですから、未来が明るいですね。

その件に関して、もう1つ興味深い話題が有ります。
手術などの時に輸血が必要なことが有ります。
これも人工の血液が必要なのです。
というのも、日本では子どもが減り、去年生まれた赤ちゃんも100万人くらいに減っちゃったのでしょう?これでは日本の国力は落ちますよね。
先進国でもフランスやアメリカは子どもの数がどんどん増えているのですよ。
これは政治で解決できる問題なのです。もっと政治家に働きかけなければなりません。
そんなことには皆さんはすっかり諦めて居られるでしょう?
年をとったら年金だってたいして有りませんよ。

ところがもう1つ、子どもが少なくなると、献血で補ってきた血液も少なくなっているそうです。輸血とは実は臓器移植そのものですからね。
ですが、血小板などは、ほぼ実用レベルにまで造ることができるようになっています。
これが早く市販されれば、お産のリスクもかなり減るのですが。

先週もお話しましたか。ヒトの卵というものは、臓器移植には欠かせないものなのです。
もちろんiPS細胞で代用もできるようにはなってきています。
それでものどから手が出るほど研究者は欲しがっているのですね。
体外受精で余ったり、あるいは産み終えた方がドナーとして提供したりすれば、
困っているヒトを助けることにはなるかもしれませんね。
そこまでは考えたことはないでしょうが。

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ワクチンで頭グルグル

2013-06-18 21:25:24 | 婦人科
写真は久しぶりに私の写真なのです。
先月、加東市に有る朝光寺というお寺を拝観に行って来た時のものです。
おもちゃ王国の近くにひっそりと建っています。
今は道路がその神領を突き抜けていますが、昔の参道側は急坂を登っており、厳かでしたよ。
ちょうど「鬼まつり」の前日で、みなさん慌ただしく祭りの準備をされていました。
近くに有っても行くこともないでしょう?

さて、ここのところお知らせがいくつか届いています。
1つは、子宮頸癌のワクチンの問題です。
ワクチン関係の話題が多いので頭がこんがらがっていませんか?
中学生を対象とした子宮頸癌のワクチンがいよいよ定期接種化する、という矢先に
ちょっと待った、がかかりました。

世界中で公費でされているワクチンなのですが、
日本においては副作用の出る率が高いのじゃないか、ということです。
始まったばかりで何とも言えないので、まだ積極的にすすめないで欲しいとの通達です。
もし予防接種に来られたら、効果も有るけれど副作用も有るよ、と説明しなさいということです。
じゃ、どうしたらいいのでしょう?
一気に受ける方が減ることでしょう。

これでは以前も書きましたが、集団としてのパピローマウィルスの排除が不可能になりました。
そもそもワクチンというものは、あまり個人を対象としたものではないのです。
むしろ流行を抑えるということに主眼が置かれています。
そういう意味では女の子だけが予防接種を受けるのではおかしな話で、
本来は男の子も全員受けないといけないわけです。
そうして、ウィルス自体を人類から排除することによって、
性行為で人から人へ感染することが防げるわけなんです。
ところが、パラパラとしか受けないようでは、その受けた人はある程度予防できますが、
集団として感染率が高いですから、また違うタイプのパピローマウィルスをもらったりして、
結局、子宮頸癌になる確率は、あまり減らないかもしれませんよ。

子宮頸癌に関しては、今は従来の細胞診という検査から、
将来は細胞診とパピローマウィルスをセットで受けるという時代が来るでしょうから、
仕方がないので、予防接種に頼らずに、早期発見に努めるようになるでしょうね。

ですが、そもそも子宮頸癌って、何故なるのでしたっけ?
むかしから疫学的に、性行動が活発な人がなるということが分かっていました。
簡単に言うと処女と童貞で結婚すれば100%、子宮頸癌にはならないのですからね。
もっともな話です。
だから子宮頸癌はワクチンよりも、早期発見よりも、もっといい予防策が有ったのですね。
それが、フリーセックスをやめれば子宮頸癌にはならない、という警鐘です。
ただ残念ながら、今は若い人たちに子宮頸癌が急速に増えています。
なぜだか、もうお分かりですね。

今日はもう1つニュースが有ります。
妊婦健診時における母子感染対策について、という篠山市保険福祉部健康課からの連絡です。
5つ有ります。
その1、妊娠中は家族、産後は自分にワクチンで予防しましょう。
このワクチンはさきほどのワクチンと違い、風疹のワクチンのことですよ。
ただし風疹のワクチンは品切れましたので、今は風疹と麻疹が一緒になったMRワクチンです。
子どもが打ちますね。今は大人も打つわけです。小さい時に副作用どうのこうのと言って、
打たなかったから今頃になって打つのですよ。小さい時に打っておけば良かったですね。

その2、手をよく洗いましょう。
お肉を調理する時や、農作業、ペットのウンチに注意ということです。

その3、体液に注意。
具体的には妊娠中はコンドームを付ける。家族でも歯ブラシなどは共有しない。

その4、しっかり加熱したものをたべましょう。
私は生ハムも生野菜も好きなのですが、だめだそうです。

その5、人ごみは避けましょう。
とくに妊娠中は家に籠っていなければいけません、と指導するのですが、
そんなこと言ったら、まず妊婦さんに白い目で見られてしまいます。
妊婦服だって、わざとお腹が目立つものが流行っているでしょう?
妊娠したって、外に出て、仕事するのは当たり前の時代です。
もう今ではすっかり医師の権限はなくなりましたから、これは無理なお話でしょう。
でも自分の家族だったら、護らせますよ。

以上5項目、あなたはどれだけ護れますか?
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怖い話

2013-06-17 21:20:49 | 産科
中国からお嫁に来ている方が居られました。
妊娠の初期にカゼ薬を飲んだので、中絶したと言われるのです。
ここにはいろんな問題が含まれています。

まず妊娠中にカゼ薬を飲んでも、中絶する必要はまったくありません。
薬の妊娠への影響は微々たるもので、他の食品添加物なんかとさほど変わり有りません。
確かに少しは影響しているのかもしれませんが、自然環境の中に既に農薬や化学物質は入り込んでいるので、そこだけ気にしても仕方ないということです。

この方は10年以上タバコを吸っておられますから、
残念ながら人工的にニコチンなどの有害物質を長年摂っていることに気付かれていませんでした。
実はカゼ薬なんかと違って、タバコを吸う方は流産率が非常に高いです。
仮に流産しなくても、胎児の脳への影響は大きいでしょう。
私がむかし習った小児科の教科書には脳微細症候群と書かれていました。
小学校で落ち着きがないとか、集中できないとか。
きっとこの頃から化学物質との関係が言われだしたのでしょうが、
ただしこれはなかなか計測できるというものでも有りませんから。
だからと言って、せっかくタバコの害から生き残った胎児を育てないというのもおかしな話でしょう。
今は何でしょう?何々症候群と呼ばれている最近話題の病気がそうじゃないかと私は勝手に思っています。
何々のところは今のところヒミツです。

次の問題点は、人口妊娠中絶術は自分でしたということです。
妊娠初期に飲むと中絶できるという薬を飲まれたのです。
もちろん日本では認められていませんが、この方は母国の友人から仕入れられたようなのです。
タマル産では敢えて母体保護法の指定医は返上しているので、中絶はできません。
でもどうしてもする必要が有る方は自分で探せばどこででも可能です。
さらに病院にも行かずに自分で薬を飲んでしまうというのは、ある意味危険な時代になりました。
その方も、その後出血が続き、また妊娠反応も引き続き弱い陽性が続くために、
結局は当院を受診されたのですから。

日本でも最近、排卵後に着床することを妨げる、モーニングピルなるものが厚生省から認められました。
費用は自費ですが、病院で処方してもいいことになりました。合法的というわけです。
ただしこちらは、避妊効果が100%という薬ではないので、飲んでも妊娠することがあります。
日本では子宮に受精卵が着床するところから妊娠と定義していますから、
これならば中絶ではなくて避妊ですから、倫理的な問題は無いわけです。
それに対して初期の妊娠を中絶する薬は、決してすすめられるものではないのです。

アメリカではどうなっているかと言えば、モーニングピルは日本と同様に医師の処方箋が要る薬でした。
ですがここにも抜け道が有って、最近、今までの2錠タイプとは違う1錠タイプというものが、
医師の処方箋無しに薬局で簡単に買えることになったのです。
ですから規制はザルと化したわけなんです。

まあ、情報過多の時代にあって、ネット販売も世界的な広がりの中で、
望めば何でもできるわけです。
それでも規制が有れば、その規制の山が高ければ、それを試みる人が減るのも事実です。
だからタマル産ではむかしから人工妊娠中絶はしていないのです。
たまにそれならば、と産む気になる女性を何人も見てきました。
ですが綺麗ごとばかりではなく、若年の妊娠では離婚率も高く、結局育てていない親が居るかもしれません。

だから高校生には教育をしておく必要が有るのです。
どんな教育をする必要が有るかと言えば、ピルやコンドームの使い方を教えることばかりに気を取られて、
結局高校生の性行動を奨励している現在の方法ではなく、
高校生は性行動を起こしてはいけないという、純潔教育が必要なのです。
もし自分の娘だったらどうしますか?
高校生になれば、コンドームを持たせて遊ばせますか?そうではないでしょう。
ですが、コンドーム教育を推進しているのが、丹波圏の指導者や、神戸大学看護学部の指導者ですから
みなで反対のシュプレヒコールを挙げなくてはいけませんね。
前にも書きましたが、ピアツーピアなんていう、かわいい名前に騙されてはいけません。

ホームページはこちらhttp://www.tamar.jp/pg72.html

1ヶ月健診のお母さんと赤ちゃんが見れます。


神様は私たちに
早く成長してほしいと願っておられます。
人の悲しみを自分の悲しみとして受け止め
人の喜びを共に喜ぶような
柔軟な心の持ち主となるように。
そして、困難なことを誰よりも率先して実行し、
そこに、いつも神様への感謝を忘れない、
率直な人になってほしいと願っておられるのです。

   レバレンド・ムーン

もう海が恋しいです

2013-06-14 21:44:47 | 美容医療


これから夏に向けて脱毛を始めるには絶好の季節です。

調べてみると篠山にも何件か光脱毛をしているエステがあるようです。
ただ今のところ脱毛は医療行為ですから、エステではしてはいけないことになっています。
ですがこれだけする施設が増えてくると、うやむやになってきているようですが、
時々エステで逮捕者が出て新聞沙汰になっていますね。
まあ交通違反をしても、見つからなければつかまらないのと同じようなものです。

そこでエステと医療施設での脱毛にどんな差が有のるか整理しておきましょう。
まず初めに、エステでは脱毛はできません。
それでももししている所が有るとしても、赤みが出たり水ぶくれになっても、薬は処方できません。

施術者はエステの場合、違法行為ですから、もちろん免許証は持っていません。
それに対してクリニックでは資格の有る看護師が施術しています。
看護師さんなら何が違うかといえば、血管やリンパ管がどこを通っているかや、
皮膚の構造なんかも何年もかけて勉強していますからね。
素人と一緒にしてもらっては困ります。
まあ、脇くらいならそう問題はないのかな。

脱毛にはいろんな器械が有るのですが、エステに有るのは光脱毛までです。
クリニックに有るのはIPL&RFと称していますが、光脱毛に加えて皮膚の深部にまで届く高周波の電磁波を使用して、うぶ毛にまで効果を表します。
ただ広いスペクトラムの可視光線を使用しているために、出力をあまり高く上げることができないのがデメリットです。
ですから、効果はマイルドで、回数は多くかかります。

もう1つクリニックでしかできないものに、ダイオードレーザーが有ります。
レーザーとはある1つの波長のみを使用した光線銃みたいなものです。
808ナノメートルの波長は、黒い色に反応して焦がすので、脱毛できるという単純な構造です。
他の波長のものも有るのですが、この波長が最もよく使用されます。
光脱毛器は1回光らせると、次までに波動砲みたいにエネルギーを溜めなければならないので時間がかかりますが、ダイオードレーザーは連続的に光線が出るので、あっという間に脱毛が完了します。
ただコツが必要で、皮膚から離して使用するために、皮膚からの距離を一定に保つのが少し難しいです。

いよいよ6月から産後の方にも脱毛かビタミンCのイオン導入をサービスで受けていただいています。
一度お試ししていただければ、その効果を理解していただけることでしょう。
IPL&RF脱毛も、ダイオードレーザー脱毛も、医療脱毛としては、
日本では最もリーズナブルな料金に設定しています。
もちろん素人がするエステはタダみたいな所も有りますので、
あくまで「医療脱毛」で比較、検索してください。

脱毛が効果を顕わしてくるのは、1ヶ月に1回治療しても、数回以上はかかります。
今から始めないと夏には間に合いませんからね。
美容皮膚科のホームページはこちら

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婦人科のかかりつけ医

2013-06-12 21:40:32 | 婦人科

今日はお父さん特集ですね。このようにお父さんもお産に立ち会うと、
苦労も分かち合え、それがこの笑顔となるのです。
だからお産の時だけ来たらいいと思っているご主人が居られたら、
ちゃんと教育しておかねばなりません。
お産って、そんなに簡単なものじゃないのよと。

水曜日は婦人科の話題です。
この前も漢方の勉強会に行った話はしましたね。
いくら勉強してもこんなものはきりがないのです。
それでも勉強会は自分勝手な治療の反省や、もっといい治療がないかを考える機会になります。
篠山でも漢方に詳しい先生が居られて開業されましたが、
私もその先生の講義は聞きに行ったことが有るので面識は有るのです。

有る患者さんが漢方の先生の所に通われているようで、
「桂枝茯苓丸」と「加味逍遙散」を同時に処方されているのです。
そして月経痛が強い時はさらに「芍薬甘草湯」と何だったかもう1つも飲むようにと言われています。
それって、薬のオンパレードですね。
西洋薬ならまだ飲み合わせにさえ注意すれば、同時に何種類もの薬を飲むことはあるでしょう。
ですが漢方薬なら同時に飲むと、その成分が重なるので、期待するような効果は出ないのです。
例えばこの3薬にはいずれも芍薬(しゃくやく)という生薬が含まれています。

漢方には独特の診察法が有ります。
脈診と言って、脈の流れの速さや左右差を見るのです。
舌を診る舌診も有ります。確かに舌は内蔵の状態を反映しているでしょうね。
それに症状だけ聞いて、身体に手も当てずに薬だけ出すこともありますから反省です。

でも餅は餅屋。
更年期の不定愁訴や、心療内科的な病気、あるいは高齢者の全身性の病気などには
漢方は得意とするところです。
逆に風邪などの急性の疾患にも劇的な効果を示します。
麻酔の補助薬であったり、抗がん剤の補助的に使われることもあります。
ですが、ここまで来ると、きちんとその薬が利いているかどうかを評価せねばなりません。

例えば子宮内膜症という女性の病気に桂枝茯苓丸を使う時、
卵巣が腫れていないか、薬を使ってから腫れは縮んだか、逆に大きくなったか、
仙骨子宮靭帯の病変は良くなったのかどうか、といった専門的な診察が居るのです。
婦人科で言えば、ビーチャム分類の何期なのかを初めに診断して、
治療に反応しているかを常に意識して違う治療も考慮するのが、婦人科医です。

先の患者さんは子宮内膜症で高度の貧血を起こされていて、
ヘモグロビンという貧血の数字が6g/dlとそれはひどかったのですが、
貧血の治療もされておられませんでした。
貧血が有ると、酸素をいっぱい運ぶために血液の量が増えます。
心臓に聴診器を当てて聴くとすぐに分かるのですが、多量の血液が流れるために、
ザーザーと雑音が聞こえてきます。よほど心臓もオーバーワークしているのですね。

産婦人科では妊婦さんにも薬を処方する機会が多いので、
なるべく漢方薬で対応するようにしています。
妊娠中に飲んではいけない漢方薬も有りますが、たいていは大丈夫だからです。
赤ちゃんの塗り薬も漢方薬で出すことが多いのです。
それでも常に効果が悪ければ西洋薬にチェンジすることも忘れてはいません。
人間の寿命が延びたのは確かに抗生物質などの薬のおかげでしょう。
ですがここでも西洋薬の限界も知らなければなりません。

結論として、1つの治療だけに偏った治療は、危険です。
常に必要とみれば専門医に紹介する勇気が必要なのです。
患者さん側でもそうです。先生には失礼ですが、よくならなければ専門の先生にも診てもらうのが良いでしょう。
とくに婦人科は行きたくない科かもしれませんが、これからは婦人科のかかりつけ医も持つ時代です。

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