今日はお父さん特集ですね。このようにお父さんもお産に立ち会うと、
苦労も分かち合え、それがこの笑顔となるのです。
だからお産の時だけ来たらいいと思っているご主人が居られたら、
ちゃんと教育しておかねばなりません。
お産って、そんなに簡単なものじゃないのよと。
水曜日は婦人科の話題です。
この前も漢方の勉強会に行った話はしましたね。
いくら勉強してもこんなものはきりがないのです。
それでも勉強会は自分勝手な治療の反省や、もっといい治療がないかを考える機会になります。
篠山でも漢方に詳しい先生が居られて開業されましたが、
私もその先生の講義は聞きに行ったことが有るので面識は有るのです。
有る患者さんが漢方の先生の所に通われているようで、
「桂枝茯苓丸」と「加味逍遙散」を同時に処方されているのです。
そして月経痛が強い時はさらに「芍薬甘草湯」と何だったかもう1つも飲むようにと言われています。
それって、薬のオンパレードですね。
西洋薬ならまだ飲み合わせにさえ注意すれば、同時に何種類もの薬を飲むことはあるでしょう。
ですが漢方薬なら同時に飲むと、その成分が重なるので、期待するような効果は出ないのです。
例えばこの3薬にはいずれも芍薬(しゃくやく)という生薬が含まれています。
漢方には独特の診察法が有ります。
脈診と言って、脈の流れの速さや左右差を見るのです。
舌を診る舌診も有ります。確かに舌は内蔵の状態を反映しているでしょうね。
それに症状だけ聞いて、身体に手も当てずに薬だけ出すこともありますから反省です。
でも餅は餅屋。
更年期の不定愁訴や、心療内科的な病気、あるいは高齢者の全身性の病気などには
漢方は得意とするところです。
逆に風邪などの急性の疾患にも劇的な効果を示します。
麻酔の補助薬であったり、抗がん剤の補助的に使われることもあります。
ですが、ここまで来ると、きちんとその薬が利いているかどうかを評価せねばなりません。
例えば子宮内膜症という女性の病気に桂枝茯苓丸を使う時、
卵巣が腫れていないか、薬を使ってから腫れは縮んだか、逆に大きくなったか、
仙骨子宮靭帯の病変は良くなったのかどうか、といった専門的な診察が居るのです。
婦人科で言えば、ビーチャム分類の何期なのかを初めに診断して、
治療に反応しているかを常に意識して違う治療も考慮するのが、婦人科医です。
先の患者さんは子宮内膜症で高度の貧血を起こされていて、
ヘモグロビンという貧血の数字が6g/dlとそれはひどかったのですが、
貧血の治療もされておられませんでした。
貧血が有ると、酸素をいっぱい運ぶために血液の量が増えます。
心臓に聴診器を当てて聴くとすぐに分かるのですが、多量の血液が流れるために、
ザーザーと雑音が聞こえてきます。よほど心臓もオーバーワークしているのですね。
産婦人科では妊婦さんにも薬を処方する機会が多いので、
なるべく漢方薬で対応するようにしています。
妊娠中に飲んではいけない漢方薬も有りますが、たいていは大丈夫だからです。
赤ちゃんの塗り薬も漢方薬で出すことが多いのです。
それでも常に効果が悪ければ西洋薬にチェンジすることも忘れてはいません。
人間の寿命が延びたのは確かに抗生物質などの薬のおかげでしょう。
ですがここでも西洋薬の限界も知らなければなりません。
結論として、1つの治療だけに偏った治療は、危険です。
常に必要とみれば専門医に紹介する勇気が必要なのです。
患者さん側でもそうです。先生には失礼ですが、よくならなければ専門の先生にも診てもらうのが良いでしょう。
とくに婦人科は行きたくない科かもしれませんが、これからは婦人科のかかりつけ医も持つ時代です。
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