タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

妊娠中はトイレ掃除が安産のコツです

2017-07-14 21:15:10 | 産科
先週生まれた赤ちゃん、お兄ちゃんがおそるおそるですね。

今日も3日がかりのお産が有って、たいへんでしたよ。
もちろん産むお母さんは一番たいへんでしょうが、
付き添いのご主人やお婆ちゃんもたいへんです。
でも人生のうちで1度か2度のことですものね。
私なんかしょっちゅうですよ。
無事にお産が終わるとホッとするのは、産婦さんの家族だけではないというお話です。

さて、今日のお話です。
妊娠中の食事と運動について、ということにしましょう。
健診の都度、体重が大幅に増える妊婦さんが実に多いのです。
1ヶ月に2キロまでが目安ですよ。

体重管理の指導をするとまず、運動します、という答えが返ってきます。
でもね、グリコのキャラメルでもありませんが、運動をして体重を落とすなんて無理に決まっていますからね。
ですが、体重を落とすという目的以外に、お産を楽にさせる、という意味では運動も良い面が有ります。

カルデイロ・バルシアという研究者によれば、インディオの人たちは楽にお産をすると言うのです。
介助する人が居なくても、会陰裂傷がほとんど起こらず、
膣がよく閉まり、夫婦生活も良い状態なのだそうです。

バルシアによれば、お産の時に、スクワットしたような姿勢で産むのが良い方法だというのです。
赤ちゃんと目を合わせられるし、
お母さんのお腹の血管を圧迫しないので、胎児がしんどくならないからです。

これには2つの意味が有りますね。
まずは妊娠中に、お相撲さんのようなスクワットすわり、つまりヤンキーずわりをして、
井戸端会議をしていれば、骨盤の筋肉が鍛えられるというものです。
日本でも、以前はトイレも和式でしたから、足腰が鍛えられていたのですが、
今では小学校でも洋式に変えるようですから、西洋人化してしまいそうですね。

もう1つの意味は、お産でのメリットです。
妊娠中以外にも、お産でも、スクワットの姿勢だと、いきみやすいなどですよ。
それに胎児も回転距離が短くなって、楽に生まれるのです。
ただ、分娩の介助はたいへんそうですね。

それで総合してタマル産では、妊娠中は歩くのではなく、
スクワットするように指導しています。
日本では昔からトイレ掃除をすると安産になると言われています。
西洋では、エントツ掃除をすると安産になると言うのですよ。
エントツと言っても、暖炉の掃除のことですね。

最近の妊婦さんは妊娠中にいっぱい歩くことが運動だと思っておられるようで、
ショッピングをしていたら出血したと、しょっちゅう電話が有りますからね。
歩くのはお腹が張るばかりで、良いことではないのです。

もう1つ、タマル産で工夫しているのは、
お産の時はウォーターベッドで、むしろ最後はゆっくりと産んでいただいています。
その方が、会陰裂傷も起こりにくいですし、
家族みなの視線が低い位置で揃うからです。
妊婦さんを見下ろすような位置ではないということです。
ただし陣痛の時は、なるべくマタニティチェアに座っていただくのですよ。
この方が胎児が降りてきやすいからです。
陣痛で痛いからと、ベッドに横になっていては、いつまで経っても生まれないからですね。

今日のように3日もかかるお産では、
昼間はなるべく座って、お産を進めるのです。
そして夜は逆に少しでもベッドで寝ていただきます。
たいてい眠れなかったと言われるのですが、それでも子宮は休めていますからね。
そして次の日の早朝からまた頑張っていただくのです。
これで3日目には、まず生まれるのですからね。

食事の話までしようと思って居たのですが、今日は時間切れで、また次回に。
そうそう、今日の産婦さんはきっと、トイレ掃除をあまりしていなかったのでしょうね。

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