タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

デザイナーベビーでも何でもどうぞ

2017-02-22 21:28:41 | 産科
丹波市春日町の英祐(えいすけ)くん、1月18日生まれ。
「心優しく、思いやりの有る子に育ってください。
毎回、スタッフのみなさんに良くしていただきました。ありがとうございます。」

3人目の赤ちゃんですからね。
お姉ちゃんが、生まれる前から赤ちゃんの名前を付けていたそうです。

お産は、無事に生まれてくれると、すごく嬉しものです。
今日なんて、安産なお母さんも産まれましたし、
緊急の帝王切開も有りました。
それでも、元気ならば嬉しいのですよ。
スタッフもみなさんの笑顔を励みに仕事しているのですからね。

ところで先日は、妊娠5ヶ月で流産されたお母さんも居られました。
おそらくは染色体に異常が有ったのでしょうね。
胎児に大きな異常が有れば、妊娠の早い時期に流産となるのです。
逆に言うと、生死に関わるほどでもない染色体の異常は、ちゃんと生まれてきてくれるのですね。

昨年のクリスマス頃には、21トリソミーの赤ちゃんが生まれました。
しっかりしたお母さんですから、多少、人と違うことぐらい、へっちゃらかもしれませんね。

先ほど、先輩開業医の先生から、もしもし相談が有りましたよ。
17トリソミーの赤ちゃんが生まれたそうです。
お母さんは44歳だそうですが、最近ではめずらしくなくなりましたね。
高齢になるほど、赤ちゃんの染色体の異常の確率は高くなります。
それは知って、妊娠してくださいね。

仮に赤ちゃんの染色体に異常が有ったとしても、
それは誰のせいでもないのです。
ましてや、お世話になった、赤ちゃんを取り挙げてくださった先生のせいではないですよね。
それなのに、その先生を訴えるなんて、どうかしてますよね。
妊娠中に見つけておいて欲しかったのだそうです。
ですが、今回途中で諦めていたとしたら、次にまた妊娠できる可能性は有ったのでしょうか?

今は1人しか赤ちゃんを産まない時代になりつつあります。
みなさん、完璧な赤ちゃんが欲しいようです。
それで最近では、デザイナーベビーという治療が生み出されてしまったのです。
もうここまで来れば、私たち産婦人科医はお手上げですね。

先ほどの先生とは、地元が同じ、大学も同じ、
ボート部でも同じ船に乗っていて、同じ釜の飯を食べていました。
全国の医学部で優勝したクルーなんですよ。
高校は女優の烏丸せつこと同級生ですよ。
偶然、尼崎でも隣の施設で働き、開業も1年違い、
息子さんも産婦人科医になられたのに、「絶対に」継いでほしくないのだそうです。
ローンが終わったら、「絶対に」やめてやる!のだそうです。

私には真似できませんけれどね。
そもそもローンは終わりそうも有りませんしね。


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