フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

寒中水行

2012-01-31 23:20:11 | Weblog
記事や写真を見るだけで身体に震えがくる寒中水行が各地で行われています。滝行とか寒中みそぎなどとも呼ばれています。
先日行われたのが和歌山県の高野山の奥の院で、腰まで冷たい水につかってお経を唱える寒中水行でした。時々、雪も舞っていたそうです。私のような凡人にはどうしてあの冷たさに耐えられるのか不思議な気がするのですが、15分間、見事にお経を唱え続けたそうです。参加した人の話では「水の中は冷たいというよりは痛くて段々感覚がなくなっていった」そうですが、感覚がなくなるのが「無」の境地なんでしょうね。雑念が入り込んでいたら、きっと冷たさに耐え切れずに逃げ出しているでしょう。
無になるのはなかなか難しいことです。学生の頃、座禅をちょっとしたことがありますが、お坊さんに無になれといわれても、今度は無にならなけばと考えて無になれなかったことを覚えています。冷たさで感覚が麻痺するから無になるのでしょう。といってもチャレンジはできそうにはなれません。
寒中水行を行った男性は終わったあと「清い心」になったと言っていましたが、チャレンジした時点でもう凄さを感じるのです。

チョコ、チョコ

2012-01-30 23:50:45 | Weblog
かつては「義理チョコ」「本命チョコ」などが流行りましたが、今年は「ファミチョコ」「友チョコ」が人気になりそうです。「ファミチョコ」は東日本大震災をきっかけに「絆」が見直されたことで家族に贈るチョコレートです。また「友チョコ」は当然、友達同士で交換するチョコレートです。
あるアンケートでは独身女性がチョコをあげる相手の一位は彼氏ではなく「女友達」だそうです。そして二位は「父親」だそうですからバレンタインデーも様変わりしたものです。
ところで毎年チョコの上につく言葉が変化していますが、これはチョコという言葉にも原因があるようです。つまりチョコという言葉のリズムがよく、冠が付けやすいからですね。かつて犬の名前にもチョコが人気でした。どんな冠を付けてもピッタリくるんですよ。「カモメのジョナサン」という遊びがありましたね。カモメという3文字も洒落やすい言葉だったからです。
ところで義理チョコが廃って来て、ましてやこんな年になって来るとバレンタインデーは全く普通の日になってきますね。ちょっと寂しい気もしますが、逆に今の現役世代の人は全く義理チョコの恩恵を受けられなくなるので気の毒ですね。

国会での名演説

2012-01-29 23:53:49 | Weblog
我々はリンカーンのゲティスバーグの演説『人民の人民による人民のための政治』を、小さいころから教えられ覚えてきました。アメリカから遠く離れた日本でこうした子供達にまで伝わると考えると言葉の力には驚嘆させられますね。とはいっても、その言葉そのものに素晴らしく共感させる要素が含まれていなくてはなりません。
いま日本では通常国会が始まりました。多くの議員の演説が我々に届いて参ります。しかしどれだけの言葉が胸に残るでしょうか。おそらく誰もが「NO」を突き付けるでしょう。結論を先に述べるならば、誰もが自分の言葉で語っていないからです。
自分の言葉といえば2007年になくなられた民主党の山本孝史参議院議員の追悼の為の尾辻自民党議員の演説は忘れることはできません。「最も手ごわい政策論争の相手だった」と締めた追悼の辞は心に残るものでしたが、やはり自分の心の内を正直に述べたことによるものでしょう。昨年来日したブータン国王の国会での演説も素晴らしいものでした。
つまり演説者は作文を読み上げる担当だという意識をまず捨てて下さい。選挙の時に語った自分の言葉を思い出すことから始め、将来歴史の教科書に載るような演説を求めたいですね。

昭和

2012-01-28 20:30:49 | Weblog
演歌アナウンサーとして歌謡曲の新曲には切れ目なく付き合っていますが、このところ目につく言葉があります。それは『昭和』です。例えば、大川栄策さんの「昭和放浪記」青戸健さんの「昭和名残り唄」などタイトルとして使われることはもちろん、曲のテイストも昭和風という作品が多くなっています。映画でも昭和を懐かしむ「三丁目の夕陽」シリーズがヒットしています。何故今昭和なのでしょうか。
昨年の漢字が「絆」でしたが、推測するにこの絆、とくに生活空間の最小空間での関係の希薄さがあるからではないでしょうかね。私の人生の三分の二を過ごした昭和を振り返って見ると、大変エネルギッシュでした。高度経済成長の時代でもあり、また日本の経済状態が世界から注目する時代でしたから、余計元気さが目につきましたね。さらにご近所同士の交流もしっかりあり、人と人との繋がりも太いものでした。コミュニティーが自然に出来たともいえる時代でした。今と比べてゆったりと時間が流れていったように思えるのです。
こうしたことから昭和の良さを取り戻したいと歌の世界の主張になっているのでしょう。心の潤いをもたらせてくれた昭和を今、この平成の世に取り戻したいですね。

7億5000万円

2012-01-27 23:17:16 | Weblog
7億5000万円という言葉が最近踊っています。そうです、宝くじの最高賞金を現在の3億円から7億5000万円に引き上げる方針を総務省が決めたものです。くじの魅力を高め頭打ちとなっている売上回復につなげる狙いからだそうですが、どうも現実離れした数字に思えます。
というのも昨年末のジャンボ宝くじもまだ確認していない状態の私で、もうちょっと「当たったらどうしたい」という夢を見てみたいからです。つまり3億円だと夢を見ることが可能な数字だと思いますが、7億5000万円となると夢もみきれないのです(笑)。スケールが小さいですね(反省!)
いつも思うのですが、ある年齢を超えると人生坂は上り坂から下り坂に変わっていきます。下り坂に入って行くと生活の中の意識のテーマが、かなり多く健康になって来ます。となるとどうも7億5000万円は大き過ぎて宝くじの販促に役立つかと首を傾げたくなります。やっぱり小さい自分です(更に反省!)
ここで人生のベクトルを変えて、この年でもさらに上り坂を上って行こうと思わなくてはなりません。ハイ!気持ちを入れ替えて宝くじを買おうと思います。

相変わらず区切り

2012-01-26 22:51:02 | Weblog
今年は石川啄木の没後100年だそうです。昨日観劇した舟木一夫さんは芸能生活50年です。そのほか○○さんの生誕100年などもよく聞かれます。宗教の世界では宗祖の50年毎の生誕大遠忌が厳かにまた盛大に行われます。一般家庭でも、結婚記念日の金婚式や銀婚式、また、還暦や米寿のいわゆる区切りのお祝いがなされます。
この区切りがあることの良さは、心機一転の場合には大変いいのです。悪かったことをすっかり洗い流して再出発するきっかけの日としていい存在ですが、成功裏にその日を迎えた場合はどうでしょうか。心配なのは、俺はやり遂げてしまったと放心状態にならないでしょうか。回りの人達もやり遂げたことの称賛はもちろんするべきですが、その主人公に次の期待をぶつけなくてはいけません。つまり一つの夢を実現したなら、そのつぎの目標を見つけることが必要です。スポーツの世界でも新記録達成した翌年には気の緩みが出てしまい、記録を大きく伸ばすことが出来ないことがままあります。
区切りをどう捉えるかでまた心の持ち方が違って来ます。夢の次の夢、そうです、夢は永遠なのです。

国民的行事?

2012-01-25 22:04:31 | Weblog
間もなく迎える2月には国民的行事が二つも控えています。その日は節分とバレンタインデーです。
まず立春の前日、一年の厄落としの為に豆まきが行われますが、その節分の夜、恵方に向かって目を閉じて一言も喋らず願い事を思い浮かべながら太巻き寿司を丸かぶりすると縁起がいい恵方巻き、そしてバレンタインデーのチョコレートです。この国民的行事の歴史はバレンタインデーが圧倒的に古いのですが(1936年にバレンタインデーにチョコレートをという広告が出ました)、別名丸かぶり寿司もすっかり定着しました。ヒットする要素はただ単に丸かぶり寿司を食べましょうだけではなく、恵方に向かってと、一言も喋らずにの二つが付け加えられたからです。こうした付帯事項がなかったらこれほどの国民的行事にはならなかったと思います。
バレンタインデーの場合は最初に広告を出した日本人は贈る理由を何も考えていなかったそうですが、バレンタインデーの付帯事項にある女性から男性へ愛の告白をしてもいいが含まれたのでこれほどの行事になりました。拍車をかけたのは義理チョコの存在でもありますがね。
されば他の月もこうした国民的行事を考えればGDPが押し上がるかも(笑)。

備えあれば

2012-01-24 23:17:54 | Weblog
昨日までに東京大学地震研究所のチームが、首都直下地震などマグニチュード7クラスが懸念されている南関東での地震について、今後4年以内に発生する確率が約70%に達するという試算をまとめました。各マスコミが一斉に取り上げましたが、住民たちの反応はどうだったでしょうか。ちょっと緊迫感がある表情を見せる人もありましたね。それは4年という数字にあるでしょう。東海、東南海地震の場合の発生確率は30年以内と報道されています。この時の報道の際の反応は今回ほどではありませんでした。
この「以内」という言葉が問題ですね。以内は明日にもという意味もあるわけですが、受け取る側は4年後、30年後と考えがちです。ですから4年後は直ぐ来る感じで30年後はまだ先となって反応がそれぞれ違うようになってしまうのです。
先程も触れたように30年以内は明日も今日も含まれているわけですから、このことを念頭に防災意識を持たなくてはいけません。今からでも準備出来ることはきちんとしておかなくてはいけません。とくに地震は家族揃っているときにやって来るとは限りません。お互いの避難場所の確認をいますぐしたいですね。

戦々恐々

2012-01-23 23:34:13 | Weblog
イギリスの話題に面白い記事がありました。それは親たちが子供達の質問に戦々恐々としているというものです。主に科学や数学に関する質問だそうですが、調査対象の4人に1人がその質問に困っているのです。
質問の内容を2、3あげると『空はどうして青いのか』とか『宇宙人を見つけることが出来るのか』という質問です。中でも最も多くの親を困らせたのは『なぜ昼間でも月が見えるときがあるのか』という質問でした。私が尋ねられても答えることが出来ない質問ばかりです。イギリスの親たちはどうしているかというと、答えをでっちあげたり、自分では答えることをせずに、妻や夫に対応を任せてしまうそうです。
確かに、どうしてなのかわからず当たり前だと思っていることは数々あります。空の青さにしても昔から青かったからと答えてしまうかも知れません。親の権威はその時点で飛んで行ってしまっているでしょう(笑)。
こんな時の対応はどうしたらいいでしょうか。幸いに私はすでに子供達がこういう質問をする時期は過ぎてしまっていますからいいのですが、振り返って見るとこの難関を過ぎてこれたのは、自宅に帰るのを子供達が寝てからにしたからでしょう。参考になりませんか?(笑)。

人間って

2012-01-22 23:26:39 | Weblog
今日はトークショーのお相手でした。主役は今シーズンからドラゴンズに戻って来た山崎武司選手です。トークショーが人気があるのは、グランド以外の本人の姿がわかるところにあるでしょうね。単純なところではこんなにでっかい選手なんだと感動することから始まって声質、あるいは性格など、いろんなところが見えてくるのが楽しいですね。
トークショーのインタビューで心がけているのは、箇条書のインタビューはしないということですね。そうしないとその人の面白さが拡がっていきません。面白い答えが返ってきたなと思っても直ぐに次の質問に行ってしまいます。誰かが言ったように人間が小説やドラマより面白いという話は、さらっと表面を流して質問しても出てきません。ですから、私の場合はどうしても出たとこ勝負になりますね。
ただホームラン王山崎選手の肝のシーンだけは頭に叩きこんでおきますね。例えば1999年ドラゴンズが優勝した年の9月26日の対阪神戦の山崎選手のサヨナラホームラン、また楽天時代のロッテ戦の2本の3ランなどは記憶に残ったホームランです。これを困った時の材料にして後はフリートークでした。山崎選手は活躍することは間違いないと自信を持ったトークショーでした。