フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

大晦日

2013-12-31 21:19:36 | Weblog
2013年平成25年も今日が最後です。いろいろな出来事がありました。やはり、親しかった島倉千代子さんが亡くなったことが残念なニュースの筆頭でしょう。
あるアンケートで来年成人式を迎える若者が最も関心を持った出来事は1位が東京オリンピックの開催決定、2位が消費税増税、3位が台風でした。更に一番成功した人はプロ野球楽天イーグルスの田中将大投手がトップ回答でした。彼の成功は大リーグとの契約で益々裏付けられるでしょう。
来年は何が1位になるでしょう。消費税増税の年ですから予想はされますが、やはりサッカーワールドカップの日本チームの成績で盛り上がりたいですね。個人的には演歌、歌謡曲の復権、ならびに名古屋の素晴らしいご当地ソングの誕生ですね。自分の番組を通してその手応えを感じたいです。昭和40年代のあの盛り上がりが再現されれば番組数も多くなるだろうし、時代と歌が結びつきます。
「歌は世につれ、世は歌につれ」の言葉通りになることを祈って新しい年を迎えます。

身分証

2013-12-30 23:47:05 | Weblog
我々がステージで使うギャグにこんなのがあります。「毎日写真撮影に追われて忙しくて忙しくて。明日はレントゲンで胸の撮影、あさっては身分証の撮影です」。結構これで話題が取れます。ここ数年の社会変化に、社員が胸に身分証をぶら下げる現象があります。逆に言えば、それだけ社会全体に不信感があるのかもしれませんね。
同じ身分証の話でもこちらはどうでしょうか。京都に五つある芸妓さんや舞妓さんの街の一つ宮川町で来年から芸妓や舞妓の身分証が新しいものに代わるということで先日御披露目されました。新しい身分証は和服姿の写真を貼ったカードタイプで宮川町の紋章を赤で繍い取りした布製の身分証入れに入れておきます。これまでも身分証はあったのですが格段にしっかりしたものです。舞妓はんになった証明の身分証ですね。
舞妓はんといえば普段着とは全く違うだけに、普段着になった時に信じて貰いやすいかもしれませんね(笑)。それだけに落としたら大変です。拾った人が私舞妓はんですと言ったらどうしましょう(笑)。

抱負

2013-12-29 23:04:12 | Weblog
この時期には有名人はマスコミから来年の抱負は?と尋ねられることが多いでしょう。私達、アナウンサーもおそらく自分の番組の新しい年の最初の放送では今年はこんなことにチャレンジしてみたいと抱負を語ることが多くなります。若いパーソナリティは大抵こんなことをやって見たいと、趣味を増やすんだという発言が多いようです。
確かに趣味は人生を豊かにします。かと言っていろいろ手を広げるとどれもこれも中途半端になりかねません。その結果、充足感は得られません。多趣味は無趣味と昔から言われるように、ものになることが少ないようです。ですから年末、かつてチャレンジして途中であきらめた趣味候補をもう一度思いおこして再チャレンジの抱負を述べてみたらどうでしょうか。一つの趣味を極める努力がかけがえのない人脈を作ります。ある程度、趣味をかたちにしていないと一流の趣味人と触れ合う機会が得られないのです。
チャレンジした趣味を途中で投げ出した時代の貴方と今の貴方は違います。再チャレンジの抱負もいいじゃありませんか。

悪役

2013-12-28 23:52:31 | Weblog
初雪が名古屋地方に降っただけに本当に寒い1日でした。その1日が全くの休日になったのはラッキーでした。
久しぶりの休みは読書とテレビです。時代劇ファンとしてはやはりプログラムは懐かしい時代劇を見ます。そこに登場する悪役は本当に憎々しく演じられます。その憎々しさが強ければ強いほど、そのドラマの中に入り込んで行きます。昔のドラマですから懐かしい悪役スターが顔を見せます。
川合伸旺という「お前も悪じゃのう」のセリフで有名な悪役スターがいました。画面からみると、本当に憎々しい俳優さんです。しかしご縁があってよくお話をさせていただきました。残念ながら亡くなられました。ですから懐かしのドラマでお会いするだけですが、知り合った後に川合さんをみると、なんと不思議なことにあれほど憎々しかったのに全くそう思えなくなってしまうのです。人間の心理なんですかね。
東京でそうした有名人の多くの友達を持っている人はどうもドラマが構成しにくくなるのではないでしょうか(笑)。

右きき

2013-12-27 23:00:39 | Weblog
年の瀬、外食が多くなります。他人の食べるところを見ていると、人間の面白さが垣間見えます。その中で、結構左ききの人がいます。左手に箸を持って器用に食べています。我々の子供の頃は、左ききでも食べることと字を書くことだけは強制的に右に直されたものでした。しかし最近は自主性にまかせているのでしょうね。
それでも右ききは圧倒的に多いのでしょう。その証は回転寿司です。回転寿司のコンベアは右回り(時計回り)を採用しているものが、多いのです。コンベアは左回りと右回り両方出来ているそうですが、日本人は右ききときき目が右の人多いので皿が取りやすいからです。
ところで今年のプロ野球は右バッターの活躍が目立ちました。バレンタインもブランコも右バッターですし、楽天の田中投手も右投手です。一時期左バッターがもてはやされたので、右ききでもあえて左で投げたり打ったりしたものでした。しかしこうした結果が出ると指導者も無理に右、左を意識しなくなるのではないでしょう。政治家の右左は別ですが。

風船

2013-12-26 23:55:51 | Weblog
先日の中日新聞の朝刊に韓国と日本の子供達が風船を通して交流が始まったと報じていました。風船については私にも懐かしい思い出があります。お昼のワイド番組の中で、毎日外に出るレポーターに「ドリームバルーン」と名付けた風船を花のタネをつけて飛ばしていました。その企画を番組ツアーにも取り入れ、参加したお客さんに風船をツアー先からメッセージを添えて飛ばして貰いました。なんとそれが縁で拾った小学生の少女と文通が始まったのです。文通は長く続き、その少女がお嫁にいく結婚式の披露宴に招待されました。まさに「ドリームバルーン」でした。先日、セントレアでの公開放送の際に、お身内の方が訪ねてくれてバルーンの話に花が咲いたものでした。
こんな楽しい思い出なんですが、その後、むやみに風船を飛ばしてはいけないという風潮が生まれました。鳥が海に落ちた風船をついばんでのどを詰まらせ命を落とすという報告が相次いだからです。残念でしたが、致し方無かったですね。風船はその後水に溶けるものが作られたそうです。子供の大好きな風船が優しくなったわけですから、こうした夢のある企画が復活して欲しいですね。

およげ!たいやきくん

2013-12-25 23:06:41 | Weblog
クリスマスのプレゼントがサンタさんから届いて各家庭ではいつもの朝とは違った光景が展開されたでしょう。私はいまだにどうしてサンタさんがそれぞれの子供の欲しいものをちゃんと運べるのかわかりませんが(笑)。
さて今から38年前、クリスマスの当日から売り出されて記録的な販売枚数を数えた楽曲がありました。「およげ!たいやきくん」でした。「♪毎日、毎日♪」と歌い出すこの曲が本当に毎日、毎日ラジオやテレビから流れました。ですから親御さんもこんどはサンタさんから父親や母親に戻ってレコード探しに走り回ります。すでに放送局で仕事をしていましたからよく覚えています。1日に何回放送されたでしょう。ですから私も、あのレコードは何処に売っているかよく聞かれました。品切れだったのでしょう。最終的には新記録の442万枚を売上げたそうです。今、人生半ばに入った人達は忘れようにも忘れられない一曲でしょう。
話は飛躍しますが、こうした時代を表す曲でかつての紅白歌合戦は綴られたのですがね。今は、時代が違うと言ってしまえばそれまでですが…。

ディナーショー

2013-12-24 22:34:49 | Weblog
年末のこの時期には各ホテルはディナーショーで大賑わいですね。びっくりするような値段のディナーショーも満席です。高いということは大物だからでしょうね。その会場のお客さんはとみると、それはそれは着飾って何となく日本の豊かさがうかがえます。男性の中にはタキシード姿の方もいらっしゃいます。タキシードはアメリカ語で、イギリスではディナージャケットと言わなければ通じないそうです。
そのアメリカ語の語源ですが、タキシードはニューヨーク近郊の公園の名前です。移民した人達が初めてこの公園で夜会服を着たところから命名されました。私も結婚式の司会ではタキシード姿が多かったのですが、よく忘れるのがカマーバンドという腹帯です。元々はチョッキだったのですが、インドへ出かけたイギリス紳士たちがあまりの暑さにインド服の腹帯を借りて始まった習慣だそうです。そのカマーバンドを時に上下逆にしている人がいますが、隙間が上になるように着用するのが正式です。かつては交換した名刺をはさんだそうで、そこから上下がはっきりしたようです。紳士の皆さんお気をつけ下さいよ。

寒い

2013-12-23 21:43:09 | Weblog
映画監督の大林宣彦さんの「冬は寒いからよい。だから春を待つ楽しみがある。雪は深いからよい。だから春が来てこの雪の下から花たちが一斉に咲きはじめるのがうれしい」という言葉が好きです。この時期、朝の挨拶で「おはようございます」と言った後に「寒いですねぇ」という言葉が続くことがあります。私の観察では、寒いと言った人の顔は大抵笑っていますね。というのは、外は寒いけど私は元気ですとか、自分が今居るこの場所は暖かいと感じていますよという思いが含まれているからです。むしろ挨拶の後、何も言わない人が寒さに負けているような気さえします。歌の世界に「心に太陽を」というフレーズが出て来ますが、太陽を持っている人が客観的に寒さを捉えているから、寒いですねぇと言えるのです。
季節の感じかたは心の持ちようで随分と違うものです。季節や気温に負けないためには、やはり充実した思いをいつも持つように努めることです。寒さが心地よくなったら、本物ですよね。

冬至

2013-12-22 19:30:44 | Weblog
今日は一年で一番昼が短い日の冬至です。冬至の日に欠かせないものとしてカボチャとユズ湯があります。夏野菜なのに何故カボチャなんでしょうか。この時期には野菜が不足しがちです。となるとビタミンの摂取量が足りません。ですから保存がきくカボチャを栄養源として重要視したと言われています。そのことで冬至にカボチャを食べると中風にならない、長生きできると言われたのでしょう。
一方ユズ湯のほうは、ユズには邪気を払う役目がありユズに含まれる成分で体の芯から温まり風邪の予防になるとされました。また皮膚の保護の役割があり、寒さから肌を守ってくれるからです。
言い伝えの中にもこうした科学的根拠が潜んでいることがあるのです。単に日本の風流と聞き流さないようにして欲しいですね。またこうしたことを実践して子供達に日本の和の伝統を伝えて、季節を感じる意識を強く持ち四季折々の営みを覚えさせて欲しいものです。そこに先人達の知恵が詰まっていますからね。