フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

本当を知ってる?

2017-02-28 23:15:06 | Weblog
言葉を生業としている場合には、結構ことわざを良く使います。ことわざには中途半端な使い方をすることがあります。「天知る地知る」「物言えば唇寒し」「虎の尾を踏む」などは完成形ではありません。順に紹介しましょう。
「天知る地知る」は「天知る地知る我知る人知る」です。「物言えば唇寒し」は「物言えば唇寒し秋の風」で、「虎の尾を踏む」は「龍の髭を撫で虎の尾を踏む」がすべてなんです。もうひとつ付け足しましょう。「大男、総身に知恵は回りかね」と良く言いますが、同意語として「小男に回った知恵も知れたもの」があります。まあ、どちらもサイズに合った知恵の量が肝心というわけですね。
このように我々は一部だけを知って、すべてを知った気になっていることが多くあります。人生でもちょっと立ち止まってみることも大切です。言葉で言えば「急がば回れ」という格言もあります。そうそう「そんなに急いで何処へ行く」がありましたね。

花粉症

2017-02-27 23:50:11 | Weblog
天気予報で花粉の飛び具合に時間を多く裂くようになりました。花粉症の季節です。花粉症の原因となる花粉はスギのほかヒノキ、カモガヤ、ブタクサなどなんと60種類を超えるそうです。
花粉症の患者は年々増えており4人に1人が発症すると言われています。対策としては外出時にはメガネをかけマスクをつけ、帰ってからは洗顔やうがいを欠かせないそうです。折角の春の日射しなのに布団や洗濯物を外で干さないそうですから、厄介です。幸いなことには私は花粉症にかかったことはありませんので、その辛さやご苦労はわかりません。
春という出会いがあり別れがある大切な季節。お互いに出会いの喜びや別れの悲しさを語っている最中に花粉症のくしゃみを連発していては興醒めですよね。なんとかならないのでしょうか。本人の大変さはもちろんですが、見ている方も、大変です。この花粉症は今年初めて花粉症になる人もいるそうですから、対岸の火事というわけにはいきませんね。

教師

2017-02-26 22:37:23 | Weblog
今日の「日曜も歌謡曲」の番組の雑談のテーマは「思い出に残る学校の先生」でした。沢山の思い出が届きましたが、やはり何事もなくすうっと過ごした学校生活よりも、ちょっとした紆余曲折があったほうがその際の先生との絡み合いで印象に残るようです。つまり現在の自分の仕事に繋がるアドバイスなどがあった先生は記憶に残るものです。
私の場合でも、小学校の三年の時に先生が朗読コンクールに出場を促してくれなければ、アナウンサーという仕事に向かわなかったかもしれません。またちょっとしたいたずらを叱ってくれた時の先生の言葉が忘れられないという人もいました。もちろん、見映えの良い先生も印象に残るのは言うまでもありません。
社会人になってから、上司という立場ですが師と仰ぐ人も大勢いるでしょう。
それぞれのメッセージを見ていると、いずれも損得なしに自分に寄り添ってくれた先生は忘れられないものですねぇ。

意気込み

2017-02-25 23:40:39 | Weblog
間もなく社会人になる学生さんは卒業までのこの短い時間をどのように過ごしているのでしょうか。社会に出てからの夢の追求の為に努力しているのでしょうか。それとも残り少ない学生の時間を十分に楽しもうと羽をのばしているかもしれません。
さて、一昔前だと若者の気概として「人を押し退けてでも世に出てやる」といった強い思いがありました。しかし成熟社会で育った今の若者達はよほどの強さを持ち合わせていない限り個人で傑出するのは難しいと知っているのです。それでもこれだけビデオが普及していると、運動会や学芸会等で家族が撮したビデオには自分がいつも中心にありましたから、自分は世に出ているといった錯覚を持っているかもしれません。世界地図のようです。世界地図は自分の国がどうしても中心に来ています。
国民は自国が世界一と錯覚を起こしてしまわないような注意が必要ですねぇ。

誉める

2017-02-24 23:53:18 | Weblog
かつて「誉め殺し」という言葉がありました。それとは関係なく誉められるというのは誰でも嬉しいものです。何故嬉しいのでしょうか。それは誉め言葉には愛の裏付けがありますから、人は誉め言葉に酔わされ幸福なるというのです。
さて誉める方の立場としては、誉める時はその一瞬でも本気で美点を認めることです。愛という表現をしましたが、愛があれば必ず誉めるところを探しだすことが出来ます。容貌でも心根でもどんな人にも美点がありますからね。ところが浅はかな人間には中々誉めることが出来ません。嫉妬深い人間が目の前の人を誉めることで、また相手に嫉妬してしまうという循環になるのです。まあ、これなどは矛盾の発言ですが。
普段の付き合いでより良い関係を築くためには、会話を工夫しなければなりません。挨拶以外にも手に入れた情報を駆使して会話を弾ませることが大切です。それだけ毎日情報を仕入れることが付き合いの基本ですねぇ。

時代は回る

2017-02-23 21:58:54 | Weblog
昔あった景色が今では見られなくなったことが多くあります。新聞少年にも会わなくなりました。公衆電話も数少なくなりました。そうそう「赤電話」の公衆電話でしたよ。今はバリバリのスマホ時代ですね。もっと古い話では、バスには車掌さんがいましたね。郵便ポストの形も変わりました。テレビの大きさも段違いです。
そんな中で微笑ましい光景が消えていくのが残念です。それは、かつて電車に乗った子供達が飽きずに車窓にへばりついて景色を楽しむ光景が減ったことです。何故減ったのでしょう。在来線ではわずか8%だったトンネルの比率が東海道新幹線では13%、上越新幹線では39%にもなり、行程の4割は闇を走ります。列車が町中を走る際には遮音壁が線路を多い景色は見えなくなりました。こうした状況から窓にへばりつく子供の姿が消えたのです。2027年にはリニアが走ります。聞けばトンネルが圧倒的多いので、窓と子供の接触は期待出来ませんね。

野球放送

2017-02-22 23:45:32 | Weblog
春の訪れを「球春」と表現する人が多くいます。もうすぐ今年も野球のシーズンがきます。ワクワクします。
さて、野球ファンの貴方は野球をどんな風に楽しみますか?球場へ行って楽しむか、テレビ観戦するか、さらにはラジオで実況を楽しむかですね。ドラゴンズファンの私にとって、学生時代はこうした楽しみ方が出来ないこともありました。つまり今のようにすべてのゲームをテレビ中継する時代ではありませんでしたし、ラジオ中継も地元ぐらいしか聴けませんでしたので、ドラゴンズの試合経過が中々わかりませんでした。しかし今はラジオでもラジコプレミアムがあり、全国どこからでも名古屋の放送局の野球放送が聴けるようになりました。便利になったものですねぇ。
ただ贔屓チームが 強いか弱いかで野球にのめりこむ気概が違いますから、今年、ラジコプレミアムでドラゴンズを聴くチャンスが多いことを願うばかりです。良い予感がするのですが。

気にかける

2017-02-21 21:31:26 | Weblog
文部科学省の教科書検定の結果、歴史の科目で江戸時代は鎖国と言わなくするというのでビックリしました。私は江戸時代が大好きです。何故ならば町衆の人達の生きる不文律の「江戸仕草」が素晴らしいからです。
それではその一つ「駕籠とめしぐさ」を紹介しましょう。ポイントは「偉ぶるな」です。商いに成功して郷里に駕籠で帰ることが出来る身分になりました。しかし自分の家まで乗りません。村の入口で降りるという心得です。他者の存在をもう少し気にかけよ。というしぐさなんですね。武家屋敷が多く、狭い町人の地域で共生していく為にはお互いが相手を思いやる約束ごとが大切だという教えは現代でも十分通用出来るものです。
挨拶でも江戸しぐさは教えてくれます。挨拶は山のこだまです。つまり言葉使い次第て相手もそのように応えるのが基本です。こちらが目上でも相手から「おはようございます」と言われたら「おはようございます」と同等の言葉で返すのです。これも思いやりの表現ですね。

礼法

2017-02-20 23:19:44 | Weblog
ちょっと古めかしいタイトルです。しかし、この礼法は現代に最も必要とされるものです。何故ならば人と人とが心地よく関係を築く為のツールだからです。ただ礼法をひけらかすのは、相手を不快にさせたり負担を感じさせることにつながります。「前きらめき」という振る舞いですね。何故礼法を身につけるのでしょう。時、場所、状況に応じて、相手に心地よく過ごして貰うのです。
忘れてならないのは、笑顔も礼法の一つになるのです。笑顔も姿勢の一つ、また、目は心の窓でもあります。姿勢を整えた上というと笑顔を整えることです。グッドコミュニケーションは出合い頭の六秒で決まる、つまり第1印象にあるわけですから、笑顔は大事な礼法になるのです。
そして最後の礼法はお迎えとお見送りです。別れは次の出合いのパスポートとも言われますから、特にお見送りに神経を使うべきです。最後の礼法はお見送りに真心を込めることです。

ものの見方

2017-02-19 23:56:14 | Weblog
人間の長所と短所は同じものという考え方があります。何故ならば境遇が変われば、長所が即短所に変わるからです。例えば独立心の強さは、一方では独りよがりに映ります。同じように優しさは優柔不断に、剛胆さは粗暴だと云われ、明るくて積極的で冒険好きが無神経でわがまま、無鉄砲となるのです。このように見方は裏側と表側があります。
最近では、国どうしのある出来事が、捉え方が真逆になってのコメントが新聞に出回っています。マレーシアの事件での、韓国、北朝鮮から出るコメントを比較して見て下さい。こんな風に見方が違うのかとビックリしますよ。ですからトランプ大統領のメディアの選り分けがありうるのです。新聞には新聞論調が各社で違いが当然ありますから、そういう多様性が起きてきます。それをあまねく目を通して、自身の政策に反映させるのが民主主義の基本です。ですから、何事も裏と表があると承知してのことですが。