フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

茶の間

2014-07-31 23:45:55 | Weblog
先日、大変評判だったサザエさん展に子供の家族が出掛けてきました。家族連れで大にぎわいだったようです。テレビのアニメをやはり家族揃って視ているからでしょう。
サザエさんの特長あるシーンは茶の間で丸い机を囲んでの一家団欒でしょう。世代ギャップをときに見せながらの会話が楽しいですね。ところが、最近の家庭で、いわゆる茶の間という空間はあるのでしょうか。清潔で広めのリビングルームになっていますね。このリビングルームを手に入れたかもしれませんが、引き換えに狭い茶の間は姿を消してしまいました。つまり狭い茶の間にひしめく家族の温かみを失ってしまったのではないでしょうか。また冬場には暖房器具が完備され、居間にこたつがデーンと置かれていた姿も消えています。家族揃ってこたつに入りテレビを視ていたシーンが消えました。それぞれの部屋に入り好きなテレビを一人で見る生活からは、家族の会話が減ります。
日本の茶の間と居間のありかたを少し考えてみてもいいですね。

正確な時間

2014-07-30 21:05:08 | Weblog
今日は作曲家「中川博之」先生のお別れの会に出席のために久しぶりに上京しました。もちろん新幹線ですが、改めて日本の時間に関する正確さには驚嘆します。だからこそギリギリの時間のスケジュールを組むことが可能なのでしょう。これに対してよその国ではどうでしょうか。アラブなどでは大まかに15分単位だそうですし、ロシアにはこんな笑い話があります。『モスクワの書店で客が店員に聞きます。「きみきみ、国鉄の時刻表を探しているんだが」「あっ、それならフィクションの棚にあります」』この話からダイヤが乱れる事情を浮き彫りにしていますね。ところで新幹線が一秒間に進む距離はどれくらいでしょうか。何と75メートルだそうです。すごいスピードですね。
さてかねてから新入社員などによく言われてきた仕事上の一番大切なことは、何かというと、やはり時間ですね。約束の時間を守ることです。約束の時間に遅れると相手に終始、頭が上がらなくなります。時間の借りを作らないことが第一。こうした土壌が時間の正確さを生んだのでしょう。

地元志向

2014-07-29 23:04:15 | Weblog
若い頃を思い出すと、いつもこんなことを考えていた気がします。早く親元を離れて一人住まいを経験してみたいなあと。大学生になって親元を離れた時は何とも嬉しかったものです。後になって親元が良いなあと思うこともたびたびでしたが。
ところで最近の若い世代は進学先や就職先を選ぶ際には地元志向が鮮明になっているそうです。リクルートの調査によると2013年の大学進学者の48.7%は地元大学への進学を希望し、09年の調査結果と比べると地元志向の割合は9.7ポイント上昇したそうです。その理由の中には親の金銭的負担やいざというときに頼れる人がいないのは不安だという気持ちが働いています。我々とのギャップを分析すると、どうしても生きた時代の窮屈加減の違いが際立って来ます。我々の頃は親元を離れるということは、自由を求めて羽ばたく感じですが、今の世代の若者は知り合いがまわりにいるほうがむしろ気が楽だと思っているのでしょう。そういえば我々の頃は管理教育という言葉が流行っていましたね。

きっかけ

2014-07-28 23:46:22 | Weblog
芸能界で第一線に躍り出るにはきっかけが大切です。親の七光りも大きなきっかけですし、歌うことがスタートでも俳優として大成した人は歌がきっかけです。歌手として注目を集め紅白出場の常連でも何かしらのきっかけがあるものです。曲がヒットする。これは当たり前のきっかけです。ヒットのきっかけはまだあります。古い話ですが、春日八郎さんのデビュー曲の「赤いランプの終列車」は名古屋の大須のレコード店の主人がこの曲を特に気に入り、朝から晩まで店頭で流し続けたことがきっかけと言われています。
前置きが長くなりましたが、ここに一人の女性演歌歌手がいます。「竹村こずえ」さんです。彼女は元ダンプカーで砂利を運んでいたダンプ運転手、そして3人の子供がいるシングルマザーとして36才でデビューしたのです。注目度満点です。これがきっかけになり歌を聴きます。下手な歌手でしたら、ここまでですが、竹村こずえさんはパワフルな歌声で素晴らしい歌唱力です。つまり、きっかけから本物に繋がっているんです。
竹村こずえさんの「能登の海鳴り」聴いてみて下さい。

氷柱

2014-07-27 23:10:11 | Weblog
日本列島は猛暑の箱に入れられたような暑さが続いています。この地方ではゆるキャラの「うながっぱ」でお馴染みの多治見地方が特に暑いようです。各地では避暑のための試みが行われています。夏目漱石の「坊っちゃん」で有名な松山の道後温泉本館では湯上がりの熱冷ましに氷柱を立てているそうです。温泉に浸かったあと氷柱におでこを当てるだけで気持ち良いでしょう。
さて氷柱といえば名古屋です。大相撲名古屋場所は今日が千秋楽でした。愛知県体育館は最後の最後まで優勝争いで盛り上がりました。その昔、名古屋場所は本場所ではなく準本場所で、正式に記録が残る場所ではありませんでした。場所も今の市民会館のある金山でした。時期はもちろん今と一緒の暑い時期でした。問題は今のような冷房システムがあるわけではなく、人呼んで名古屋の南洋場所と言われました。そこで少しでも暑さを和らげるために場内に氷柱を何本も置いたのです。まあ、それで暑さが和らぐわけではなかったのですが、夏の風物詩として存在感がありました。振り返ってみると確かに今ほど
暑くなかったと思いますねぇ。

外国人観光客

2014-07-26 23:21:28 | Weblog
先日、今年の上半期の外国人の観光客が日本を訪れた数が発表され、600万人をはるかに超えていました。昨年初めて年間の外国人観光客が1000万人を超えましたが、今年はさらに増えそうです。ただ政府の目標としては、年間2000万人以上としていますから、まだまだ増やす取り組みが必要です。特に一度訪れた観光客にリピーターとして再度日本に来てもらわないとなかなか目標に達しないかもしれませんね。
食の楽しさなども重要な要素ですが、やはり第一は外国人観光客と受け入れる日本人とのふれあいが彼らにとって心地良いものにならなければと思います。明治維新後日本を訪れた外国人が一様に感心したのが、日本人の秩序ある寛容さだったことからも、人に対する温かさが観光立国になる条件といえましょう。治安の良さを含めてすべて安心して滞在出来る、これが日本なんですね。我々が何処へ行きたいかと尋ねられたら、「ハワイ」「オーストラリア」と答える、その間にある感情と似ています。やはり、人とのふれあいがすべてに於いて一番です。

心はどこに

2014-07-25 21:41:32 | Weblog
名古屋の地下鉄の終電の時間が延長になりました。明日が休みという前の日の終電です。休みの前日ぐらいはゆっくり楽しめるようにという名古屋市の配慮だということと、名古屋の夜は早い店じまいという風評を覆す意味もあるかもしれませんね。
学生時代に初めて東京へ行った夜のカルチャーショックは忘れることが出来ません。それもウィークデーの夜の人の出を見て驚いたのです。毎日お祭り騒ぎではないかと思ったくらいです。町全体が明るく、まさに不夜城でしたね。それとさらに驚いたのは、東京人の歩くのが早いこと。何をそんなに急ぐんだろうと感心したものです。そういえば都会ほど歩く足が早いですよね。かつて、すべての日本人が東京へ東京へとあこがれた一端がここにあったかと納得したものです。
しかし世の中が急速に進歩した反動でしょうか。UターンとかIターン現象で故郷志向に意識がもたれるようになってきました。これはゆとりある空間に身を置きたいという気持ちの表れかも知るません。雑踏より自然の中。そこに身を置きたい。これが人間の本能でしょう。

免許の書き換え

2014-07-24 23:45:46 | Weblog
今日は自動車免許証の書き換えでした。先の高齢者の講習を済ませていましたので、今回は非常に楽な書き換えでした。交付を待つ間、平針の運転免許試験場を訪れる人を観察していますと面白いですね。さあ、これから自動車の運転が出来ると希望に満ちた嬉しそうな人、筆記合格者の名簿に自分の番号がない人、事故を起こした人の書き換えでしょうか。肩を落として講習の教室に向かう人、人生の喜怒哀楽がすべて展開されているような風情です。
健康寿命という言葉を知っていますか?一生のうちに健康に支障なく自立した日常生活を送れる期間のことです。いずれも日本人は70才を上回っていますが、自立したという実感を味わうことが出来る瞬間は運転免許証が交付された時ではなかったでしょうか。残念ながら二十歳になって選挙権を得た時はこれほど感動しなかったと思います(反省)。免許証で身分証明も出来ますしね。社会の一員になった気がより多くします。私は結構遅い取得でしたので交付された時は皆さんより、より嬉しかったと思います。
さあ、また新鮮な気持ちで頑張りますか。

ふみ月のふみの日

2014-07-23 22:51:05 | Weblog
7月23日はふみ月のふみの日です。暑中見舞いの手紙などをしたためたらどうでしょうか?普段、メールを送ったり、携帯電話ばかりで連絡をとっている親しい友人に手書きの便りを送ってみるのも素敵なプレゼントになりますよ。世はまさに手紙離れが超スピードで進んでいます。改めて、自分のまわりにいる親しい人をじっくりと思い浮かべながら手紙を書くのは有意義なことです。時代がスピーディー、かつグローバル規模で進んでいくなかでは、私達の心の豊かさこそ手紙で伝えたいものですね。
振り返ってみれば人と人のつながりが希薄になり効率ばかりが追及される現代になるにつれ、ゆとりやぬくもりを失っていく人が多くあります。コミュニケーションは直接話すこと、聞くことと思いがちです。しかし人の気持ちはもっと深いところにあることが多いのです。そこに気づく手段の一つが手紙のやり取りでもあります。受けとる方も自分を大事にしてくれているという実感を味わうことが出来ます。
今日のふみの日、ちょっと手紙を書いてみましょうよ。

疑問

2014-07-22 23:01:58 | Weblog
昨日は贔屓のドラゴンズがまあ、長い試合(4時間58分)をしたおかげで今日は寝不足、眠い眠い1日になりました。最近は昔と違って、ゲーム終了まで中継が行われますので寝るに寝られません。延長12回の攻防はビジターチームを応援しているものにとってストレスが溜まりますね。特に、12回の表の攻撃で、贔屓チームが無得点に終わった時に必ずアナウンサーが喋る言葉にストレスが溜まります。「これでDeNAの負けは無くなりました」ナゴヤドームで「これでドラゴンズの負けは無くなりました」と聞く放送は逆に快感なんですがね(笑)。
ところでタイトルの疑問というのは、ビジターのチームが12回の裏の攻撃を無得点に抑えて引き分けになった時に、ビジターチームの選手やベンチがそれこそゲームに勝利したかのような行動をとりますね。あれはなんでしょうか。相手チームの本拠地で引き分けに持ち込めたので良しとしようという意味なんでしょうか。ファンは勝って欲しい一心で応援をしています。引き分けは悔しい思いをしているのですから、あんなシーンは見たくありません。どう思いますか?