フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

お客さま

2009-11-30 21:12:28 | Weblog
もうすぐ12月。もう世間では忘年会の予約受け付けのお願いが喧しくなっています。とはいっても何となく不景気風が吹いているので、今年は自宅で忘年会という人も多いかも知れません。
ところで昔からお客さんを自宅に迎える時に注意する言葉があります。「亭主に三つの馳走あり、酒・飯・雪隠に気を付くべし」古来からの格言です。その意味は、酒は悪酔いしない良い酒を、食事はお客さんの年令を考えて好みのものを、雪隠(トイレ)を綺麗に掃除しておくというものです。確かにこうした心配りがお客さんを迎える為に欠かすことはできませんが、1番のご馳走は迎える家族全員の笑顔でしょう。ご主人はニコニコしていても奥さんが不機嫌な顔をしていたら、お客さんのほうが引いてしまいます。
笑顔の効能を色々なところで話しているのですが、笑顔はとりたてて意味なく笑っても周囲を明るくしますし、一番いいのは自分が楽しくなるのです。その笑顔を特に子供達に向けて見て下さい。なにも言わなくても褒めるのと同じなのです。
そこで話は戻りますが、お客さんが来た時の奥さんの笑顔は、ご主人が喜ぶ笑顔なのです。あなたの笑顔で誰かが必ず喜んでいることを念頭において下さい。

ああ、勘違い

2009-11-29 22:34:02 | Weblog
何時もは言葉の使い間違いを指摘する事が多いのです。例えば、大きな苦労をしないで利益を得るという言葉に「濡れ手で粟」がありますが、それを「濡れ手で泡」と書く人がいるのを笑った事があります。
ところが今日は私が笑われをかきました。その言葉は「カーキ色」です。たまたま食事中に色の話になり、カーキ色は柿色の名古屋弁だよと納得したような話をしていたら、娘からカーキ色は濃い緑色や茶色系統の色も入るカーキ色だよと指摘されました。早速調べてみるとカーキとは、土埃を意味する言葉で主に陸軍の軍装色を指すとあり、現在カーキ色と定義されているのは茶色がかった黄色だそうです。
元々は19世紀に植民地であるインドに駐留していたイギリス軍が白い夏服の汚れを嫌って当地の土を使って服を染め現地語でカーキと称したのが始まりだそうですから、インドの言葉でしょう。柿の名古屋弁なんてとんでもないですね。
ところで長い間勘違いしている言葉をようやく正しい意味を理解して、実際にその言葉を使う際にどうも違和感を持ってしまう事はありませんか。一度頭に入った意味を訂正するのは難しいものです。脳は経験を蓄積して判断するものどすから、長い蓄積から訂正しなければならないので大変なのです。しかし「改むるに憚ることなかれ」です。

市川雷蔵

2009-11-28 17:43:04 | Weblog
私は大の裕次郎ファンです(自称・東海の裕次郎)。裕ちゃんの映画はほとんどが現代劇ですが、一方時代劇では、何と言っても市川雷蔵ファンです。有り難いことにテレビのCSで、裕次郎さんや雷蔵さんには毎日のようにお目に掛かっています。
市川雷蔵さんは歌舞伎の名跡で8代目ですが、まあ皆さんは俳優の市川雷蔵さんをイメージされますね。凄い人気でした。雷蔵さんが37才で亡くなって40年を記念した「大雷蔵祭」が12月に催されると報道されました。
戦後、昭和の時代劇黄金時代を支えた若手スターでしたが、どんな役でも品があり、またどんなジャンルでも見事に適役でした。源氏物語、平家物語、若親分シリーズ、ひょうきんな若侍、大阪船場の若ぼん、極めつけはニヒルな眠狂四郎などどれをとっても崩れない品を感じたものです。
雷蔵さんとはたった一度だけ学生時代に京都の新京極ですれ違ったことがありますが、なぜかその時に感じたオーラは未だに消えることはありません。
私にとっての二大スターの裕次郎さんと雷蔵さんには凄い共通点があります。それは命日が7月17日で同じなのです。雷蔵さんは1969年の7月17日、裕次郎さんは1987年の7月17日に亡くなったのです。
残念ながら二人の共演はなかったのですが、一度見たかっですねぇ。とにかく今でも沢山のファンが思いを共有するスターですから凄いですよ。

クーベルタン男爵

2009-11-27 17:16:01 | Weblog
久しぶりにクーベルタン男爵の名前を新聞紙上でみました。日本のアンチ・ドーピング機構の黒田善雄という会長が国際オリンピック委員会(IOC)からクーベルタン賞の表彰を受けたからです。
クーベルタンといえば、近代オリンピックの創始者で1908年のロンドンオリンピックの際に「オリンピックにおいて重要なのは勝利することよりむしろ参加することであろう」と述べたことで我々の記憶に残る存在です。ただこの名言も、今や弱かろうがただ出る事に意義があるとの勘違いもあるようです。あくまでも結果に重きをおくことなく、常日頃の努力が大切だと説いているのです。
ただ単純に参加する事が必要なのは、選挙の際に投票所に出かけることですかね(笑)。いやマニフェストの研究という努力がいりますね。
ところで黒田氏が表彰を受けた理由は反ドーピングに長年尽力した事からですが、そこにクーベルタン男爵とどうつながるかというと、クーベルタン語録に「自己を知る、自己を律する、自己に打ち克つ、これこそがアスリートの義務であり、最も大切な事である」があります。この自己に打ち克つという部分にあたるのではないでしょうか。何かに頼ってしまうという人間の弱い部分に薬が入ってきてしまうのですね。最近の大麻事件もそうでしょう。
もうひとつのクーベルタン男爵の言葉をあらためて噛み締めてみるといいですね。

究極の町起こし

2009-11-26 18:47:04 | Weblog
今、日本の話題の中心は仕分け人による予算のカットや見直しです。舌鋒鋭く問い詰められると各省庁の担当者の困った顔が映し出されます。おそらく今までそのような立場に立ったことはないでしょうから、気持ちが狼狽してしまうのでしょうね。カットや見直しと決まった事業をこれからどうするのか頭の使い所でしょう。
海外でも予算削減は当たり前の状況です。そこで知恵をだすわけですが、アメリカのイリノイ州にある動物園では20万ドルも予算を削減された穴埋めに涙ぐましい努力をしています。それはトナカイのふんで作ったネックレスの販売です。乾燥させて消毒したふんを数珠繋ぎにして、スプレーでキラキラにし、ネックレスとして売り出しているのです。日本円で1300円です。
このヒントは昨年トナカイのふんで作ったクリスマス飾りがよく売れたからだそうです。ふんといえば奈良の名物の「鹿のふん」というネーミングのチョコレートが有名ですが、こちらは勿論ふんそのものではなく、形を真似たお菓子です。
究極のとつくときは、ほかっておけば一円にもならないものから価値を見出だして、商品化されたものでしょう。日本の徳島には、料理のつまになる葉っぱを商品化して商売が成功しているところもあります。
さあ、みなさんに発破をかけてふん闘しましょう。

福の神

2009-11-25 17:54:06 | Weblog
京都の冬の風物詩、南座のまねきあげが行われました。まねきあげは人気の歌舞伎役者が揃う「吉例顔見世興行」の為に上げられるもので、まねきは観客で埋まるようにと願うものです。書体は勘亭流の独特な書体で艶をだすために日本酒を混ぜた墨で書くそうです。
このまねきあげは、東京、名古屋、そして京都の劇場しか今は行っていないそうです。
招くといえばどの企業もどの商売もお客さんを招くのに苦労していますね。いろんな会合で社長達は異口同音に「不景気ですねぇ」と歎いています。その中でたまに「まあまあです」と話す社長もいますが、この場合の「まあまあです」はかなりのまあまあでしょう。こういうご時世ですから少し遠慮した発言になるのでしょう。ですから私のモットーとする「ラッキーな人から運を貰う」に因んで、出来るだけ長く話しをしたり別れ際に握手をしてもらってオーラを盗むようにしています。
そのせいでもないでしょうが、こんな現象が多いのです。それは飲食店などお客さんが全くいない店に入ったあと帰りには沢山のお客さんが入っているんです。タクシーをよく利用しているときにも松原さんが乗ったあとはお客さんが多くなるんですと喜ばれた事もありました。言わば福の神なんです私は(笑)。
ですからいろんな企業で私をまねきあげするといいですよね。

親孝行

2009-11-24 18:38:06 | Weblog
今年の紅白歌合戦の出場者が昨日発表されました。特に初出場の歌手は嬉しいでしょうね。新人歌手のインタビューでは、将来の目標はと聞くと必ず紅白歌合戦出場と答える位、紅白は夢の存在です。
初出場の喜びの声では、毎回「これで親孝行ができます」という感想が聞かれます。やはりそれだけ大晦日は家族で紅白を見ていた証でしょう。その団欒の会話の中でいつか自分も紅白に出ると話していたに違いありませんね。そうした会話が多い家庭からきっとスターが生まれています。
その点、我が家は花屋で、また出店でしたので、大晦日はいつも自分独りでしたから、夢を語るのは我が家の壁に向かってでした。つまり紅白の話題は家族の間では全くなかったのです。アナウンサーになってからは年末年始のスキーツアーがあり紅白を見る時間には、パーティーで見ることすら出来なかっのです。こうしたことできっと神様は出場を阻んだのでしょう(笑)。
ですから野球でも、目の前で優勝の胴上げをされたら、チーム全員でその光景を目に焼き付け、来年は俺達だと雄叫びをあげるべきだと思いますね。声にだして願いを共有する。これが壁を破る方法ではないでしょうかねぇ。

苦手

2009-11-23 21:39:07 | Weblog
今日の午前中には、恒例の名古屋シティマラソンが行われました。自宅が瑞穂運動場の近くですから、取材のヘリコプターの音で気付かされました。
自分には走ろうという気は全くありません(笑)。というのもどうも子供の頃から走るのが苦手で、そのために運動会の徒競走が免除される放送委員になったようなものです。とうとう走るという苦手を克服出来なかったようです。
話は変わりますが、昔のアナウンサーの定義は広く浅く、それでも一定水準以上の知識を持っている人でした。我々の頃になってとてもそんなことは無理だとなったのか、いろいろ人との交流、コミュニケーションによって知らない分野を補完していく流れになりました。逆にコミュニケーション能力が必要になってきたのです。
しかし学生時代には、苦手な科目はコミュニケーションによって補完することはできませんから、苦手を克服する方法は、早い遅いは別にして勉強する意識を持つことでしょうね。時間をせかせるような環境にすると、苦手より嫌いになってしまいます。
例えばホノルルマラソンはゴールの時間制限がありません。走る意識があるランナーにたいしては、いつまでもスタッフがゴールで待ってます。ですから苦手の克服は意識付けですね。
また、苦手と嫌いをきちんと見分ける力も養いたいですね。

観光地

2009-11-22 18:03:04 | Weblog
三連休の真っ只中、行楽地で今日を迎えた人も多いでしょうね。錦秋の時期、紅葉の名所は大賑わいでしょう。
先日、気になる数字で、昨年度の宿泊旅行者数が発表されていましたが、愛知県は全国で13番目と余り人気のない数字になっています。内訳を見ますと個人旅行が最も多く、友人を訪ねるという旅行目的が全国平均より高くなっています。半面、名所を訪ねるという観光目的は平均よりう~んと少なくなっています。ましてや愛知県への旅行の総合的な満足度は44位と非常に低くなっています。ですから日帰り旅行にしても、例えば京都など県外に出てしまうのでしょう。
名古屋の町を歩いていても、修学旅行など団体で歩いている光景はほとんどみたことがありません。学生時代の京都では、繁華街の新京極では修学旅行生で身動きが取れないことが度々でした。
愛知県や名古屋市は魅力がないのでしょうか。歌の世界でもよく言われることに名古屋がテーマのヒット曲がないことにつながりますね。逆に名古屋のヒット曲がでれば、名古屋の観光客が増えるかも知れません。水森かおりさんが「五能線」を歌ってヒットしたらこの五能線に乗る旅行客が増えたそうですから、満更夢物語ではないかも知れません。
それには名古屋の地名でロマンのある地名はありませんか?

シニア

2009-11-21 22:03:59 | Weblog
今日は、東海ラジオ50周年の公開生放送のパーソナリティ大行進に稲沢で出演しました。かつて同じような番組に数多く出演して来ましたが、今回一番感じたのは、いつの間にか出演者の中で、一番歳をとっていることです。
うれしいのか悲しいのか、複雑な思いでしたね。まあそれでもプラス思考で考えるならば、シニアの雇用環境は急速に厳しくなっている中で若者と一緒にステージにいる幸せを味わうべきでしょう。
先日発表された総務省の労働力調査によると60ー64才男性の完全失業率は7・9%。前の年に比べて3・1ポイント も上昇しているのです。新規の採用に関しても、好況時には獲得出来なかった若い人材を採用する中小企業が多くなっています。シニアにとって益々厳しい現実です。
その厳しい中で一歩前に出るには、自分の持っているスキル(技術)が日々進化しているなかでは、もう過去のものかも知れないという認識を持つこと。従って、勝負するのは人間そのもの、つまり人間力だと自覚することですね。
それは何かといえば、協調性や指導する力、そして判断力です。それをわきまえる事こそ次のステップに進めるのではないでしょうか?新しい学校に進んだら、前の学校の成績は関係ないですもんね。