フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

奇跡

2010-01-31 21:15:12 | Weblog
ニュースを見ていた人がほとんど、いや全部「ええっ!よかったねぇ」と感想を漏らした出来事がありました。それは、東京、国分寺市のマンションの8階のベランダを越えて約21メートル下に落ちた4才の女の子がかすり傷だけですんだのです。そのあと泣きながら歩いていたのですから本当にだれもが奇跡と思ったでしょう。
奇跡というのは、簡単な辞書では「不思議な出来事」となっていますが、その出来事を見たり、知ったりした時に自分の持っている能力ではとても出来ない、あるいは理解出来ない現象を奇跡というのでしょう。先ほどの転落事故では、木や土がクッションになったのでしょうけど、やはり奇跡的な事です。
ところで奇跡を信じるかどうかというと必ず意見が別れます。私は信じる方です。それは過去、自分が何かをしようとするとき、人ではなしえない何かが背中を押してくれた事が多くあったからです。それは奇跡を信じる気持ちがあったからですね。私は奇跡と軌跡を対にして考えています。何かをしたい、現実なものにしたいというときは目的地までの軌跡を頭の中で描くのです。そうすると人が見て奇跡と思える地点にまで運んでくれるのです。「信じる者は救われる」ですかね。
そうそう、そのテストとしてバレンタインデーのチョコレートが沢山届くと信じて見て下さい。駄目かなあ、特に今年は日曜日だからねぇ(笑)。奇跡は起きないか。

味噌

2010-01-30 21:36:45 | Weblog
寒い時期の好物は、味噌煮込みうどん。今日30日は味噌の日です。元々、味噌には老化防止の効能があると知っていましたので、意識的に味噌汁はよくいただくほうですが、それにしてもよく飲みますね。三食とも味噌汁があっても飽きません。お米とお茶と味噌汁だけでしょう。毎日出て来てもいいのは。それに昼ご飯に味噌煮込みうどんですから、若くなりますよね(笑)。
ところがこんなに味噌が素晴らしいのに、なぜ失敗したときに「味噌をつける」というのでしょうか。その語源を調べると、昔から味噌はやけどに効くとされていました。私は効果の程は知りませんが、広く人々の間で信じられていました。それだけに味噌を患部につける習慣はあったのですが、慌て者のおっちょこちょいは味噌を身体につけたままにしていました。そこから失敗やしくじったことを「味噌をつける」となったようです。
「手前みそ」という言葉があるように、味噌は自家製で家々で味や風味が違っていましたし、自慢の品だったのです。そこからお世辞を言う事を「ゴマをする」と同じように「味噌をする」と言ったようです。
言葉の上では、余りいい表現が出て来ない味噌ですが、私にとっては味噌は大事な食材です。私個人の目標も「味噌の様に飽きない」です。頑張ります。

沖縄

2010-01-29 23:24:46 | Weblog
あらゆる分野で沖縄という活字が踊っています。政治の世界では、米軍の普天間飛行場移設問題が毎日の様にニュースになりますし、いよいよ2月からはプロ野球の沖縄キャンプの話題がスポーツの中心になります。
そして私といえば、今日、沖縄、宮古島出身のシンガーソングライターの下地勇さんのライブに出かけました。沖縄の歌手は、那覇市や沖縄市の民謡酒場でお客さんの前で唄う事に慣れているせいかライブが素晴らしいですね。アコースティックギターを抱えて宮古島の方言で唄う下地さん。言葉そのものは外国語の様な響きですが、なぜか心にしみ込んできます。方言の中には標準語に直しにくい言葉がふんだんにあります。ですから、無理に本土の言葉に変えなくても、そのまま方言で聞いたほうが、何かしらよく伝わって来ます。
こう考えると各地から、東京にでて言葉コンプレックスに陥る人がいますが、決して卑下することはありません。もちろん標準語を覚えれば更にいいのですが、方言を捨てる必要はないのですね。東京で故郷の言葉に出会えば、知らない人でもすぐに仲間意識が芽生えます。故郷言葉は自分の1番正しい気持ちを伝える言葉だときちんと理解しておきたいですね。

北帰行

2010-01-28 22:19:40 | Weblog
♪窓は夜露に濡れて、都すでに遠のく~♪昭和36年頃、小林旭さんが歌って大ヒットした「北帰行」です。
今日、北帰行が始まったのは、鹿児島県の国内最大のツルの越冬地、出水市で冬を過ごしていたツル達です。もちろん故郷のシベリアへ帰るのです。出水市には毎年1万羽を超えるツルが飛来し、北帰行は3月下旬まで続くそうです。
このツル達は故郷へ帰るわけですから決して哀しくありません。しかし歌謡曲の世界では、ヒロインは哀しみを背負うと必ず、南へではなく北へ向かいます。いや、作詞家はあえて北へ向かわせます。昭和から平成に代わっても北なのです。更にいうなら、季節は夏よりも冬、時間は朝より夜です。こうした枠の中で、数え切れない程のドラマが生まれました。
演歌のCDが売れる時期が秋から冬なのはドラマのシチュエーションにも影響されているのでしょう。人間の喜怒哀楽という感情の中で歌詞になりやすいのが哀で、普段は自分にとって縁遠い感情ですが、歌の世界で自分が主人公になるには哀に憧れます。今が幸せならば余計に演じて見たくなるでしょう。哀は歌謡曲にとって大切にしたい感情です。ツルの様にまた必ず戻ってくることにならないところが受けるのです。
ところで「敗北」という言葉に何故「北」が入るのでしょうか。

もったいない

2010-01-27 21:06:57 | Weblog
今朝の新聞の小さな記事ですが、もったいない精神が広まっているなあ、と嬉しくなりました。その記事は「ドギーバッグ普及委員会のアンケート調査で外食して食べ残した料理を持ち帰る事に賛成する人が90%に上る事がわかりました」というものです。僅かな反対論は「衛生面が気になる」「格好悪い」という意見です。格好悪いという事では、私も若い頃の出来事で反省する事があります。家人の母との外食で、母が残した天ぷらをナフキンに包んで持ち帰る際に、格好悪さから喧嘩したことがありました。
ドギーバッグは、アメリカの一人前の料理の量の多さから、犬のエサに持ち帰る習慣という建前の器ですね。国連の調査では、世界の飢餓人口は、10億2千万人で地球上の7人に1人に当たります。そして日本では、1年で700万トンが食べ残され廃棄されています。まさにもったいないの象徴です。そうした状況なだけに、国民にもったいない精神が広がるのはいい状況です。
後はどう対処するかですが、先日入った喫茶店ではサンドイッチが箱に入って出て来ました。途中で急ぎの用が出来たので半分残しましたが、残りは箱ごと持ち帰ることが気兼ねなくできました。これも方法です。
そうしたアイディアを外食産業はもっと取りあげ、微かに残っている格好悪いという意識を払拭してほしいですね。

野球かベースボールか

2010-01-26 20:38:59 | Weblog
古くて新しいテーマ、野球かベースボールかの一つの区切りを迎える年になりそうです。というのは、昨日発表があったのですが、ストライク、ボールのカウントコールが日本のストライク先行コールからボール先行コールの国際式に今シーズンから変更される事になりました。野球道かベースボールかとの論争が尽きませんが、その象徴だったカウントコールが代わることは非常に興味があります。
WBC等の世界大会で普段着通りの野球をするには、形式を一緒にしておくことは大切です。しかしまだまだボールのサイズ等、問題は残っていますが・・・。
いろんな部分で国際基準に合わせても、ロングかスモールかという点では、日本野球のスモールベースボールを忘れてはならないと思います。スモールベースボールというのは、ホームランなどの長打力に頼らず、機動力や小技などを駆使する野球です。
この魅力を世界に伝えたのが、イチロー選手でしょう。内野安打が多いと皮肉る人もいますが、走攻守を一つのプレーで見ることが出来るのは内野安打なんです。また内野手の連係プレー(セカンドのバックトスなど)などはスモールベースボールの真髄です。
今回国際基準を取り入れることになりましたが、スモールベースボールの精神は大切にしてほしいですね。

年賀状の楽しみ

2010-01-25 20:04:05 | Weblog
新年の楽しみの一つ、年賀状のお年玉くじの当選を調べです。当選数字の発表は今年は例年より遅く昨日でした。毎年の事ですが、目指すところは4等の切手シートです。その他は当たった事がないのですから、目指しようがありません。
その切手シートですが、わずか下2ケタなのにこれがまた当たりにくいですね。調べていると、下2ケタでもこの数字だと何枚もあるのに当たりになるとほとんど無いということがよくありませんか?決して気のせいでは無い毎年の傾向です。こんな時は「お年玉くじ位で自分の運を使う訳にはいかない」と言い聞かせて諦めるのですが…。
1949年から始まったお年玉くじ付きの年賀状ですが、これによって飛躍的に取り扱い量が増えました。年賀状は滅多に逢えない人に思いをいたす貴重な情報です。大切なものですが、出来るだけ早い次期に住所録の整理をしなければいけません。というのも当選番号を調べていると、中に住所に該当者がいなくて戻って来ているのが沢山出てきます(戻って来たハガキに当選番号があると気が引けます)。
整理がきちんとできないと毎年戻って来てしまいます。それに書き損じのハガキもありますし、余った年賀状もありますね。郵便局では1枚5円の手数料でハガキや切手に交換してくれますから、当選番号を調べる際にチェックしておきたいですね。それにしても当たりませんねえ。

四文字熟語

2010-01-24 21:36:27 | Weblog
またまた総理の国語に関する知識不足が露呈しました。「朝三暮四」と「朝令暮改」を間違えたものです。この間違いは失笑ものですが、四文字熟語はかなり理解が難しいものが多くあります。今注目の貴乃花が大関や横綱に昇進した時に披露した「不撓不屈(ふとうふくつ)」や「不借身命(ふしゃくしんみょう)」などは随分話題になりました。しかしその時に始めて知ったことも事実ですね。
我々アナウンサーがよく話題にするのは「汚名挽回」という間違い言葉です。野球の実況等でまれに使われてしまいますが、「汚名」は「返上」するもので「名誉」は「挽回」するものです。また「侃々諤々(かんかんがくがく)」や「喧々囂々(けんけんごうごう)」はあるのですが「喧々諤々(けんけんがくがく)」は言葉としてはないのです。しかしともすれば慣用句として使ってしまいます。
四文字熟語は、表現を生業としているものにとっては雰囲気を伝えるのにとても便利です。しかし使い方を間違えると失笑されることがありますから注意しなければなりません。「青天霹靂(せいてんのへきれき)」を晴天と間違えていいお天気の表現として使った先輩を反面教師としています。

温暖化

2010-01-23 21:04:26 | Weblog
2009年はNASAの発表で世界の平均気温は過去2番目の暖かさだったと報道されました。そのせいか富士山頂の凍土が減り、20年前になかったイネ科の植物を確認したとあります。地球の温暖化はやはり進んでいるようです。
ところで温暖化が何故悪いのかときちんと認識されているのでしょうか?ニュースで言っているから悪いのだろうと漠然と思っているのではないでしょうか。簡単にこれだけは理解しておきたいですね。それは温暖化によって南極の氷が溶け、海水面が上昇して、小さな島国が沈む危険があり、豪雨や干ばつなどの異常気象が起き水不足や食料不足が慢性的に起きたりする危険に直面します。
この主な原因は人間の産業活動に伴って排出された温室効果ガスなのです。かつて鈍感力のメリットが取り沙汰されました。確かに鈍感力をもつことがストレス社会を生きる知恵としてプラスに働くことはあります。しかし地球温暖化に関してはサイクルが長い話しなのでピンと来ないかもしれませんが、決して鈍感であってはなりません。
ただ温暖化にどう立ち向かうなどと大袈裟に考える必要はありません。「出来ることからやる」

野次

2010-01-22 20:40:23 | Weblog
国会の論戦がスタートしました。民主と自民の座る位置が変わるだけで随分装いが違って見えます。立場が違うことの顕著な顕れは、攻守ところを代えたことによる攻めかた守りかたがまだまだ慣れていない所です。答える方も質問する方も未熟な感じなんです。
一方で野次は凄いですね。野次そのものは決して否定するものではありません。野次は質問者の応援や皮肉、抗議の意味合いで飛ばされます。気のきいた野次は論戦そのものを盛り上げますが、質の低い野次は思わず我々が選んだ議員さんだろうかと目を疑います。ましてや、質問者や解答者の声が聞こえないほどでは役割を逸脱しています。
ところで羨ましい光景の一つにアメリカ議会の大統領演説です。与野党双方の議員が大統領に敬意を表して拍手で迎えます。この姿なんです。相撲でもそうですね。土俵上以外ではお互いに尊敬する態度です。
ですから討論中は答弁や質問の善し悪しを巡っての活発な野次は結構ですが、始めと終わりという討論以外では相手に対する尊敬の気持ちを持って貰いたいものです。