フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

朝食

2017-05-31 23:57:30 | Weblog
毎朝思うことですが、「朝食がうまい」ということです。誤解のないように言っておきますが、我が家の朝食が特にうまいということではありません。毎日の三食の中で朝食が一番うまいと感じるのは歳をとったからでしょうか?
よく考えてみると「味噌汁」ですね。東海地方で用いられてきた豆味噌とたまりじょうゆがおそらく口に合うのです。この味噌の濃い味と納豆が本当によく合うのですよね。名古屋めしが全国的に注目されていますが、豆味噌の濃い味が好みの舌を作り上げたのかもしれません。「味噌カツ」「味噌煮込みうどん」などは味噌を使った代表的な名古屋めしです。
地方から名古屋へきた人は「くどい」とか「こってり」していると顔をしかめる人もいるようですが、我々名古屋人にはこれから醸し出されるうまみが最高です。和食の特徴にはこのうまみを欠かすことができません。朝食がうまい。味噌汁のお陰ですね。

高層ビル

2017-05-30 23:57:51 | Weblog
名古屋駅前の高層ビルの景観はまさに摩天楼。素晴らしい景色です。それにつれて人の流れが激変しました。完全に今までの中心だった栄地区を追い越してしまいました。栄地区は今後どんな巻き返しをはかるのでしょうか。
ところで名古屋駅前の高層ビルは設計が大人しいそうですね。ある建築家が指摘していましたが、まるで新入社員の入社式のようだと言うのです。全国的な傾向ではあるそうですが、高性能でデザインは無難なビジネススーツ型な設計だと言うのですね。
世界ではドバイや中国のようにユニークな設計の高層ビルが多く、むしろそういったビルで景観を競いあっているそうです。たぶんビル建築には、その会社の社長などのトップがデザインにゴーサインをだすことが多い筈ですから、無難な考え方をするトップが多いことを表していると言えますね。むしろ、ビルの形がラジオなどの電波に影響を与えていた時代のほうがユニークな設計が多かったような気がします。

大根

2017-05-29 23:10:29 | Weblog
昨日、中村公園で歌舞伎の大名跡、中村勘三郎の初代の銅像の除幕式が行われました。初代の勘三郎が中村区で生まれたから、この地で銅像が出来たのです。
さて役者にとって、その名を聞くだけでゾッとする野菜は大根です。何故大根なのかと言うと、大根は白いので素人に繋がるとか、大根は食あたりしないところから興業が当たらないにかけたとも言われています。「大根役者」はやはり侮辱の言葉なんですね。しかし食卓の大根は、食材としては最高級です。大きな鍋に大根を煮込んでのおでんにしておくと毎日のように楽しめますし、日がたつにつれて味が染み込んで美味さがましていきますから、大変便利な食材ですね。むしろ役者はもちろん、我々アナウンサーもこの大根の味のように、日ごとに美味
さが増していかなければなりません。「大根アナウンサー」は誉め言葉として良いでしょう。

五感

2017-05-28 23:58:29 | Weblog
かつて番組に出演していただいたゲストの若さにビックリしたことがあります。そうですね。今の私よりもっと年上なのに、50代になったばかりのように見えました。そこで思わず質問「貴女の若さの秘訣は?」その返事です。「五感をフルに使って生活しています」
五感とは、視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚です。アナウンサーとしては、聞くことが入っていても話すことが入っていないのが残念に思ったものでした。それはともかく、若さの秘訣に五感の活用は間違いないことです。
さて、文化センターで料理教室に通う人達はこれから結婚する若い人だけではなく、お年寄りの生徒さんが男性女性を問わず多いのに驚かされます。でも健康の為には、料理をしたり学んだりすることがとても良いことだと、先生に教わりました。料理は食材や献立のほか、調理や後片付けの段取りも考え、脳を使います。また、味をみたり、火加減など五感を駆使します。もちろん手先を動かすわけですから、身体にも良いですね。まさに料理万歳です。

メモる

2017-05-27 23:35:11 | Weblog
私の仕事の一つにステージの司会があります。公開録音の場合はスポンサーの関係もあり、台本を持って司会をしますが、そうではない場合はある程度自由がきくので、出来るだけ何も持たずにステージに立ちます。しかし残念ながら最近は忘れることが多い年齢になりました。そこで小さなメモを持つこともあります。ところがそのメモする手帳さえ忘れることがありますのでイヤになります(笑)。究極にはマイクを持たない手の方にメモることがあるんです。
日常生活の中ではメモをとることは大変良いことです。メモが残る(手に書いたら残りませんが)というだけでなく、「メモをとる」というアクションが間に挟まれることで、メモを読み返すことはなくても、メモそのものを書いたことをシッカリと覚えて記憶に残ることです。学生時代の試験勉強でも、大事な部分を書いて覚えたのもこの原理だからでしょう。
歳をとればとるほどメモる行為を大切にしたいですね。

分断

2017-05-26 23:11:13 | Weblog
新しい国のリーダーが誕生するたびにリーダーがまず最初にすることは、選挙で分断された国民感情をどうまとめていくかということです。アメリカしかり、フランスしかり、さらに韓国、そしてイランなどの国々があげられます。思想的分断もあれば、経済的な分断もあります。その分断をどう一つにまとめるかが手腕です。
さて我が国、日本はどうでしょうか。日本は「大和の国」です。文字通り、大きな「和」で成り立つ国です。色んな種類の国民も分け隔てなく、いさかいなく上手くやる国という理解が出来る大和の国です。現実はどうですかねぇ。新聞が示すニュースの大半はいさかいを争う悲しいニュースがほとんどです。
そうした背景にはわたしは、先進国では実施されていない高校受験にあると思うのです。人格形成する年ごろに人としての選別が始まります。つまり、他人との比較が始まり自分にダメ出しをしかねません。自己肯定が出来なくなれば、和を重視する気持ちも少なくなりますね。

枝豆

2017-05-25 23:04:00 | Weblog
五月とは思えない猛暑が早くも日本列島を襲っています。サラリーマンも仕事帰りにビアガーデンにちょっと立ち寄りが楽しみになってきますね。もちろんビールだけではなくツマミも楽しみでしょう。オーソドックスに枝豆でしょうか。わたしはそんなに酒のみではないのですが、枝豆は大好きです。お酒なしの夕食でも枝豆があるとご機嫌です。
ところでこの枝豆の名前の由来はなんでしょうか。由来というとよく江戸時代ということが多いのですが、枝豆もやはり江戸時代です。枝豆はその江戸時代に枝つきのままで塩ゆでしたものを「枝付き豆」として売っていました。そこから枝豆と呼ばれるようになりました。当時はファーストフードのような感覚で歩きながら食べていたそうです。面白いカルチャーですが、残りの枝や袋はどうしたのでしょう。七夕の笹のように、枝を持って自宅まで戻ったのでしょう。喉が渇いた時は水も売ってましたから、それを求めて飲んだかも。

女子力

2017-05-24 23:48:09 | Weblog
滋賀県の大津市は市長が比較的若い女性であることは有名ですね。このたび市議会の議長も女性になりました。また、つい先日は名古屋市も女性副市長が決まりました。東京はじめ大都市のトップも女性。世界でもイギリス、ドイツなどの国のトップが女性、女性の進出は目覚ましいものがあります。これは政治の話です。
ビジネスの世界はどうでしょうか。政治の女性進出ほどの活躍は見られないように思えます。確かにビジネスは元々男性的な考え方で成り立っているところがあります。しかし現代はグローバルな価値観がずいぶん変わりました。単に利益を追求するだけではなく社会に対する貢献、さらには多様性を重視するようになりました。それだけにビジネスの世界ではマイノリティの女性でも活躍出来る企業に衣替えしなければなりません。そうした会社ほど消費者に選ばれて生き残っていく会社になるのです。
女性取締役の数もチェック材料として見て下さい。

三方

2017-05-23 23:52:22 | Weblog
昔、大岡さばきに三方1両損という話がありました。お金を落とした人、拾った人、そして奉行が皆1両損をしたとして事件をおさめたというさばきが有名な大岡さばきです。
三方といえば「三方よし」という言葉があります。江戸時代に全国で広く活躍した近江商人の精神で、商いは売り手、買い手のみならず世間を利することも重要と説いた精神です。この精神は時代を超えて通用する先人の教えです。
さてこちらの三方はどうなるのでしょう。2020年の東京五輪、パラリンピックを準備する、国、東京都、そして五輪組織委員会の三方です。どうも三方よしとはいってないように思えてなりません。こんな状態で東京五輪は成功するのでしょうか。昭和39年の最初の東京五輪の際は国中が一丸となってアジア初の五輪を成功させようというまとまりを感じたものです。
三方1両損、つまり、それぞれが、我を捨てて、三方よしの精神で、準備に邁進して貰いたいものです。

郵便

2017-05-22 23:42:45 | Weblog
最近ニュースになったのは民営化した日本郵便が赤字に喘いでいるということでした。単純に考えるとメール社会になったからかなあと思います。確かにメールはその場で届いてしまうだけに大変便利です。只、この便利さでメールを多用し、失敗したことはありませんか。特に瞬間湯沸し器のような性格の人は、腹をたてた途端にメールで「絶交だっ」と送り付け、後悔したことはありませんか。絶交とまでいかないけれどあんなことを送らなければよかったと思うことは、度々あると思いますよ。
その点で手紙はよいと思います。書いてから出すまでに考える余裕があるからです。仲違いしても自分も悪かったと思い直す時間がとれるからです。文化の変化と言ってしまえばそれまでですが、もう一度手紙の良さを認識してみる必要がありそうです。書いている間、相手の顔を思い出しているわけですから、差し出す自分の思いが伝わりやすいのです。
大切なことこそ手紙で。