フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

トライアウト

2011-11-30 19:33:14 | Weblog
「絶対に諦めない」そんな共通した思いで参加するのがプロ野球の12球団の合同トライアウトです。先日も60人近い選手が参加して行われましたが、その結果はどうだったでしょう。
参加した顔ぶれを見るとかつてのタイトルホルダー始め、年齢も球歴も多彩でした。この「トライアウト」は英語でtryoutと書いてこんな意味があります。『スポーツ競技のチームに入団を希望する選手がチーム関係者の前で自己の能力をアピールし契約を目指す場のことを言います』。同じように自由契約になっても個別に球団と交渉出来る選手もいるわけですから、やはりトライアウトは悲壮感が漂います。
トライアウトでアウトになったとは洒落にもなりませんが何故アウトという言葉なんでしょうね。アウトには出て見るといった意味があるので挑戦の為に出て見るという意味なんでしょうね。つまり選手の側には、チームを選ぶ立場では無いのです。
こうしてみると、選手で大成しまっとうし、コーチ、監督と野球人生を歩く人は極、極少ないことがわかります。今年の新人でどれくらいの選手がこのトライアウトの記事に気がついたでしょう。

知らんぷり

2011-11-29 23:52:04 | Weblog
いつも出勤するときに、こんなことを思ってしまいます。「朝から嫌だなあ」と思ってしまうのです。それは最近、電車の優先席に若者が座って、お年寄りが来ても全く気にしない光景をよく見るからです。気にしないというよりも、眠っているか、携帯電話やスマートフォンに目を落としていて、周りの様子など知らんぷりなのです。
昔に比べるのは恐縮ですが、こうした傾向はますますひどくなっていると思えます。公共の場所で自分はどう振る舞えばいいか全く規範意識が身についていないのでしょう。車内の化粧などもどうしていけないのと理由もわからない現状でしょうね。
大勢の人々がいろいろな生き方や生活をしている空間で、楽しく充実した人生を送る為のルールがいわばマナーなのです。いま学校ではどうでしょう。公共性を養う教育がきちんとなされているのでしょうか。多様な人が生活していることをベースにして、それぞれの個を尊重する生き方を是非、小、中学校の頃から教えこんで欲しいですね。
出勤時にすがすがしい気分を味わえることを期待して電車に乗り込むのですが…。

見栄

2011-11-28 22:35:15 | Weblog
毎年恒例のマネー川柳が発表されました。大賞には『初任給母より先に被災地へ』が選ばれました。3月11日の発災ですから、その後の4月に入社しての初月給なんでしょうね。今回は義援金や節電など震災に関する作品が多くあったそうです。次点作品の中に『義援金、部下よりちょっと見栄を張り』があります。人から良く思われたいという思いが強い人が取りやすい行動ですね。
見栄を辞書で調べると「見た目の姿を意識して実際以上に良く見せようとする態度」とあります。大なり小なり人にはこうした思いがありますが、余りにも見栄が強くなりすぎると、ムリ、ムダ、そしてウソでがんじがらめになってしまい、あとから自分に嫌悪感が生じることがあります。あくまでも見栄は名誉や誇りとは違います。多少の見栄を張ることはあってもがんじがらめにならないようにはしたいですね。
となるとどこまで自分は自分、これでいいんだと思い切れるかです。あっ!勘違いしないでくださいよ。例えば電車内での化粧が、自分は自分だからいいんだとは思わないでください。あくまでもそれは、マナーの問題ですから。

634メートル

2011-11-27 23:15:35 | Weblog
高さ634メートルといえば東京スカイツリーです。世界一高いタワーとギネスで認定されています。開業まで半年をきりましたが、すでに団体入場券の予約受付が始まっています。まあ個人客の予約は来年の3月22日からだそうですから、まだまだ焦らなくても良さそうです。チケット予約に関しても今回は混雑を避ける工夫が色々されているようですが、人気は上々のようです。
推察するにこのランドマークが高いところなので余計に人気が出るのです。高いところは猫だけでなく人間はすきですね。何とかと煙はなんて言いますが、何とかでなくてもどうも上りたくなるようです。どうしてなのでしょう。やはり自分の生活テリトリーを見下ろしたいという願望があるのです。もちろん条件として自分が安全であるところにいてとなります。前にも書きましたが夜景に歓声をあげるのも同じ心理ではないでしょうか。
人類が今向かっている先はもっと高いところ、宇宙ですが、これも人類が持つ歴史的な宿命として、上へ上への精神から当たり前のことなのです。海から陸、そして空、さらに宇宙と開拓して行くのです。
地に足を!はだから難しいのかも…。

歴史はロマン

2011-11-26 22:02:27 | Weblog
先日、歴史で印象にある名前の中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と中臣鎌足(なかとみのかまたり)が出会った「槻(つき)の木の広場」の一部と見られる、7世紀後半の石組み溝や石敷きが見つかったと報道されました。日本書記では皇子と鎌足はけまりの最中に出会ったとされています。
またもうひとつ中世の武装宗教都市として知られる奈良県柏原市の今井町では、16世紀後半に対立していた織田信長と和睦した際に埋められた濠の後が見つかったそうです。
こうしたニュースに触れると一気に歴史の想像が膨らんで来ます。京都にいた学生時代は、少し歩けば歴史の真っ只中という感じでしたが、この名古屋では、時代を動かした歴史的な場所は少ないですね。もちろん、関ヶ原も近いし、稲葉城も近いですし、そうそう小牧山も近いですね。
私がかつて出掛けたところで歴史上の人物の名前に一番多く出会った場所は、高野山です。奥の院へ向かう道の両側にある墓所の名前を確認するとまさに歴史の教科書でした。鬱蒼としたたたずまいにも影響されて、私自身が歴史上の人物になったような錯覚に陥ります。
歴史好きな方は是非、高野山へ出掛けられるのをオススメします。

監督

2011-11-25 23:59:56 | Weblog
日本で一番少ないトップの役職は首相を除いてはプロ野球の監督かも知れませんね。来シーズンも新監督が誕生します。今、この時期どんな気持ちでいるのでしょうか。
プロ野球のチームを会社として見ると、社長という監督が代わると会社の方針がコロッと代わることがあります。例えばチームの編成の際にFAによって穴を埋めようとする方針のチームもあれば、今ある戦力の底上げを計るチームもあります。いずれも監督の意向が大きく左右します。中日の新監督の高木さんは後者の方ですね。
こうした場合でも、監督の目に留まるかどうかで選手の将来が決まることもあります。2軍にいる選手でも監督の目に止まって一気に1軍のチャンスを掴めば、新しい将来が拡がっていきます。となると将来の鍵を握るのも監督と言えるかも知れません。
過去の歴史は、どんなにエラーが多くてもどんなに打てなくても、使いつづけることによって大選手になったことを証明することがあります。だからこそその監督が退陣する時の主力選手のコメントは、自分が今あるのは監督のおかげという言葉が聞かれます。この辺にも社長と監督の違いがありそうです。
監督の手腕が問われるのもこの辺ですね。

時雨

2011-11-24 22:25:32 | Weblog
歌謡曲の番組を担当していると、歌謡曲のタイトルで「時雨(しぐれ)」に良く出会います。今も、新曲の中に「時雨」という曲が2曲出ています。
時雨という雨は『晩秋から初冬の頃、晴れていたかと思うと一瞬に曇り、サァーと降りまた晴れるといった雨で通り雨』が定義です。日本海側の地方や京都や丹波などの時雨が有名です。タイトルに多く使われるのは、日本人は美しいと感じる言葉の一つだからですね。「蝉時雨」とか「木葉時雨」などの言葉もあります。「袖の時雨」は涙のことなんですね。京都の時雨が有名だと言いましたが、それだけに俳句も多く詠まれています。先日、訪ねた東福寺の通天橋を詠んだ句に『通天やしぐれやどりの俳諧師(茅舎)』があります。
京都の時雨は特徴のある時雨です。青森、秋田、山形などの雪国では雪の降る前に時雨の季節があります。荒々しく大粒の雨で斜めに降るのですが、京都の時雨は真っすぐに降ります。風が無いからです。そのぶんだけ時雨が優雅なんですね。そのイメージが歌謡曲のタイトルになりやすいのです。
時雨の季節になりました。ということは歌謡曲、演歌の季節。番組にも力が入ります(笑)。

もう!クリスマス?

2011-11-23 23:57:36 | Weblog
今日の勤労感謝の日の団欒で、ひょっとして、今年のクリスマスはどうするって話題になったかも知れませんね。先日の新聞の報道では、今年のクリスマス連休(12月23~25日)は例年と違った風景になりそうだとありました。何故それが分かるかというと、ホームパーティー向けのケーキの予約が好調だからです。また家族同士で贈り物をする人も増える傾向にあると伝えています。
もうひとつ特筆すべき傾向が今年はあります。それは東日本大震災に伴う節電意識です。加えて電気代も気になるのでなるべく電力を使わないものを選ぶ傾向にあるのです。それは何かというと家庭で飾るクリスマスツリーや電飾です。ということで売れ筋は光ファイバーを利用したツリーで消費電力を半分に抑えられるそうです。また電気を使わず豪華な印象を出せる金属製のツリーをラメで装飾したホワイトツリーも評判です。
こうしたツリーを囲んでのクリスマスパーティーは家族、恋人などの極親しい人達と過ごす予定が多いとのこと、これも大震災後に注目された絆の確認かも知れませんね。
かつてクリスマスの深夜、トンガリ帽子をかぶったおじさん達が先を争ってタクシーを拾っていたクリスマスは遠い昔の幻ですね。

祭の後

2011-11-22 18:18:58 | Weblog
美空ひばりさんのヒット曲に「お祭マンボ」がありますが、賑やかなアップテンポの前半から転調して後半に来るとまさに祭の後の寂しさが襲って来るようなメロディーになっています。
ちょうど今、日本シリーズが終わって、祭の後の気分です。強烈なゲームの中から抜け出るとそこは冬だったと外の寒さを味わっています。興奮からだんだん醒めてくると、ますますドラゴンズが日本一を逃したことが残念に思えて来るのが不思議です。
新聞、テレビの報道でも既に野球シーズンは終わった扱いになりましたね。そんな中で私は悔しさが増して来るのですから厄介です。それともっとファンは悔しがれよと思ってもこちらは後の祭ですかね。ファンは感動セールに一生懸命のようです(笑)。まあ、私のように悔しがるより、良いゲームだったと称賛する気持ちの方が強いのでしょう。
これからドラゴンズは来年のチーム作りに入ります。全く新しいスタッフでどんな色を出して行くのだろうかと興味津々です。あれこれ考えていたら、家人は「淡々とした日常を送ることも大切」と呟いています。まあそれもあるなぁと思う、祭の後です。

残念の第二

2011-11-21 15:25:10 | Weblog
私は昭和29年の杉下投手での日本一以来、完全優勝を夢見て、応援して来ました。1954年ですから、なんと57年ぶりの日本一を目指していたのですが(4年前の日本一は完全優勝ではなかったので)。
私が当時住んでいた名古屋の北区にある大曾根の六郷小学校前で日本一のパレードを見たのですが、子供心にも誇らしく思ったのを覚えています。その時の相手も九州の球団でした(西鉄ライオンズ)。これも因縁でしょう。
因縁といえば、当時の監督は人情派監督の天知俊一さんでした。優勝の胴上げの際には監督も選手もともに涙していたと伝えられています。その天知さんは、優勝の翌年には球団の副代表になったと聞いています。つまり落合監督と天知俊一さんは、優勝して監督の座をともに退いているのです。球界では本当に珍しいことが、ドラゴンズで起きているのです。
それはともかく、改めて今シリーズで1点の重さを知った気がします。サッカーのゴールのような感覚さえ芽生えました。ですから、野球中継の解説もバッテリー間の駆け引きや心理状態の解説が多かったので野球の深みが楽しめました。
もう今日の紙面で来シーズンの首脳陣が発表されましたが、今度の日本シリーズの大きな差の足の部分を磨くように指導をお願いします。