フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

名前

2014-11-30 23:46:24 | Weblog
さあ、明日から12月。名前と付き合う月と言っていいかもしれません。年賀状製作に拍車がかかる月です。
『人を動かす』を書いたデール・カーネギーの「世の中で最も耳に甘く響くよい音楽は自分の名前の響きである」という言葉があります。確かに自分の名前をきちんと覚えて貰っていることは大変嬉しい事ですね。インタビューが仕事の一つである私などは、やはり相手が私の名前を使って答えてくれるときは気分が大変良いものです。大成功者は、必ず会話の中に、相手の名前を入れると言われています。それにはやはり記憶力をしっかり身に付けるようにしなければなりません。普段から会話をする時に相手の名前を入れる訓練をしておいたほうが良いですね。
有名人ならともかく、一般の人は自分の名前を言われることで大袈裟に言えば人格を認められたような気になるものです。それだけに逆に、名前を間違えることは大変な失礼になるものです。年賀状の名前間違いにはくれぐれも気を付けましょう。

ひげ

2014-11-29 23:13:18 | Weblog
今日が休みの人は、どうでしょうか。ひげを剃りましたか?こんなたとえがあります。1日ひげを剃らないと2日目にめんどくさくなり、3日目は無精髭をなんとも思わなくなる。というものです。つまりだらしがなくなるには3日もあれば足りるという事ですね。遅刻も3日目にはさほど恐れなくなると言われます。
これは自分自身を意識する気持ちが萎えてしまうことで起きるマイナス現象です。どうせという考えが芽生えたらもう元に戻りません。今日は休みだから、誰も会わないからひげは別に剃らなくてもいい。と思ったら自己が失われてしまうのです。
ですから休みであろうと、出勤であろうと、朝起きたら自己点検を欠かさないようにして下さい。ひげを剃ったかはもちろん、靴は磨いてあるかなども大事な点検事項です。朝は鏡に自分を映して見ることから始めるようにしましょう。そうした意識を高めるのに一番良い日がお休みの日なんです。自己を意識する生活を忘れないようにしましょう。

和紙

2014-11-28 23:23:01 | Weblog
ユネスコが日本の手漉和紙技術を無形文化遺産に登録しました。同じ日に札幌市が2026年の冬季五輪の開催地に立候補すると発表しました。世界に日本の話題が流れるのは嬉しい事ですね。それだけに東日本大震災による福島原発の後始末がしっかり出来ている情報が早く世界に流れるようになりたいものです。
さて和紙、ワシについてかつての笑い話を一つ。テーマは「恐怖のワシ人間」です。それは、仕事人間が職をまっとうして家庭に入ったときに現れます。仕事人間でしたから、普段から町内の付き合いもありません。また、仕事、仕事で過ごしてきましたから、趣味を楽しむ余裕もありません。ですから家庭に落ちついた後、出掛けるところが思いつきません。そうなると奥さんが出掛けると聞くと、「ワシも連れて行ってくれ」となります。これが恐怖のワシ人間と言われるのです。こうした人間にならないように現役時代から趣味のサークルに入ったり、町内の人達との付き合いをこまめにしておいたほうが良いのですよ。

ひとこま漫画

2014-11-27 23:17:04 | Weblog
海外旅行のお土産、なにがいい?とたずねられたら「その国で発行されている世界地図」と答えることが多くありました。しかし、次なるアイディアが生まれました。
それはその国での新聞の一コマ漫画です。一コマ漫画には恐らくそれぞれの国柄と文化を映しているでしょう。何をおかしいと感じ、何を見て笑うか、一コマ漫画は説明文が必要ありません。このたった一枚の絵が国を隔てても、人種の壁があってもそれを乗り越えて共感を届けてくれるのではないでしょうか?ましてや、新聞は旅先でも必ず手に入れることが出来ますし、その国の興味のある出来事を教えてくれます。「絵は口ほどに物を言う」ですね。
アイロニーという言葉があります。皮肉とか当てこすりという意味ですが、一コマ漫画からその国の感性を読み取ることが出来ますし、大袈裟に言えば、言論の自由度も計ることが出来ます。手軽な海外旅行土産として、その国の代表的な新聞をお持ち帰り下さい。荷物になるようなら漫画の部分を切り抜いてどうぞ。

秋深し

2014-11-26 23:48:58 | Weblog
「誉め手千人悪口万人」と言います。人を悪く言う人はいつの時代もどんな場所でも多いですね。しかし、悪口を言わないと決め、それを続けるだけで自分に誇りが持てるようになったという人もいます。自分も人の悪口を言わないと誓って毅然と過ごしたいものですね。
松尾芭蕉の句に「物いえば唇寒し秋の風」があります。この句は『話に夢中になって、つい話さなくてもよいことまで話してしまった。秋風が吹く中、ふと我にかえるとつくづくむなしいものだ』という意味です。松尾芭蕉はこの句の前書きに「人の短をいふ事なかれ、己が長をとく事なかれ」と言っています。その昔から人の悪口を言ったり自慢話をするなと教えているわけですね。言葉を生業とするアナウンサー稼業ですから、より心にする事ですね。
言葉の暴力かユーモアか、普段の接し方で判断が分かれるところもあります。しかし、常に優しさをベースに日常を過ごしていれば、言葉による思いがけない災いを招くこともないでしょう。秋深し、今日の自分を振り返って見ましょう。

時雨

2014-11-25 21:06:49 | Weblog
昨日までの暖かいお休みの日とは違って平日に戻ったら雨。まさに時雨の季節です。演歌のタイトルでは〇〇しぐれが定番ですが、この時雨は秋から冬にかけて降ったりやんだりする雨のことですね。ただ、季語として定着していくなかで、時雨は人生の定めのなさ、はかなさの意味も加わり、年中時雨が使われるようになっていきました。
しかし今日の雨は長野の地震の後だけに、情緒や感傷に浸ることは横に置いて二次災害に繋がらないようにしなければなりません。被災された皆さんには、お見舞いを申し上げると同時に、対策に怠りないようにお祈り致します。
日本の伝統的な文学に流れる観念に「飛花落葉」があります。世の中の移り変わりを表現する観念ですが、一方で自然災害によって無理矢理変わらされて
しまう場合もあります。「無情、無常」なところでしょう。しかし白馬村の人達の絆に触れる度に、傘もささずに時雨の中を歩いている人に傘をさしかける温かさを感じるのも事実です。

為替レート

2014-11-24 19:33:52 | Weblog
ニュースの後にいつも紹介される為替レート。どこまで円安が続くのでしょうか。為替レートがどうなるかは、企業経営に与える影響が大きいだけに、特に大企業の経営者にとっては重大関心事でしょう。予想することに意味がないとは言いませんが、それ自体はあまり生産的ではないと思います。しかし日本経済の特性を考慮した上でどのくらいのゾーンに収まるのが望ましいかという本質的な議論をもっとするべきでしょう。
メディアによる世論形成が企業活動に、さらには国民の経済にむけるマインドに与える影響はもの凄く大きいです。ですから、日本経済のあり方についての大胆な世論形成が必要になって来ます。解散となり、各政党のマニフェストが出揃いますが、一票を投じる側からもこうした部分に目を凝らさなければなりません。風に流される選挙にならないようにしっかりとした論戦を期待したいです。個人の人柄はもちろんですが、政党としての見識論争に注目しましょう。

勤労感謝

2014-11-23 21:32:50 | Weblog
今日は勤労感謝の日です。まさに働くは端を楽にするから働くになったと言われますが、自分が働くことによってまわりも幸せになると思う日です。楽しい人生を送ろうと思ったら、まず自分の身近な他人を幸せにすることだと教えられてきましたが、そのように生きていくことを心掛けています。
ところで最近「情けは人のためならず」という格言が間違って解釈されているそうですね。本来の意味は『情けは人のためではなくいずれは自分に返ってくるものだから誰にでも親切にしておいたほうがいい』というものですが、若者を中心に『情けをかけることは結局その人のためにならない』と解釈しているようです。そういう解釈をする人にこんな説明をします。「風呂に入ってまわりのお湯を自分の方にかき集めるといつの間にか脇からお湯は流れ出てしまう。反対に自分の近くのお湯を前に出していくと知らず知らずのうちに脇のほうから自分の方にお湯が入ってくる。つまり人に尽くせば必ず自分も満たされる」。これでどうでしょうか。

隠語

2014-11-22 22:03:27 | Weblog
「あかどうふ」の収穫が規制されるそうです。「あかどうふ」というのは江戸時代の僧侶の隠語で魚の「マグロ」のことです。生臭さを避ける仏門なのでマグロを赤い豆腐といえば持ち込めたわけです。同じようにお酒は「般若湯」と言ったそうです。マグロの大消費国としては、気になるニュースです。
ところで各業界には独特の隠語があります。マグロに縁のあるお寿司屋さんも隠語が多いですね。お茶を「あがり」というのが代表ですね。ある県の観光協会が観光客を呼び込む為に、我が町は「サンズイ篇の町」というポスターを作ろうとしたところ、「待った!」がかかりました。何故か。サンズイ篇というのは警察の隠語で「汚職事件」のことだからだそうです。折角作ったポスターは廃棄されたそうです。隠語は誰も知らないから隠語なんですよね。この話には続きがあり、それじゃ「ホシの故郷」は犯人の故郷かと開き直った人もいたとか。「ホシ降る街角」なんて歌は、犯人が沢山降ってくるのでしょうねぇ(笑)。

現役

2014-11-21 19:27:04 | Weblog
スポーツ紙に〇〇選手がトライアウトを受けて△△球団へ入団が決まったというニュースが頻繁に登場します。ご贔屓のチームから自由契約となった選手がまた、球場でプレーを見ることが出来るのは嬉しいかぎりですが、相手チームとして大活躍されたらと思うと複雑な気持ちですね(笑)。それにしても、トライアウトを受けている選手の中には、あれほどかつて活躍したのにという選手も時々名前を見かけます。やはり現役へのこだわりが強いのでしょう。
この現役へのこだわりを生むのは一球が地獄にも天国にも通じる勝負の世界の魅力でしょう。直接身を置いたわけではないのではっきりとしたことは言えませんが、我々の放送の仕事、それも生放送の魅力に多少通じるところがあるかもしれませんね。緊張感といえるかもしれません。スポーツの世界はさらにそれが勝ち負けにつながり、ヒーローという立場にたつことがあります。それこそその快感はわかりませんし、逆に敗因となるようなプレーをしてしまった時の精神状態は想像もつきません。
結論としては、想像もつかないところに身を置く魅力なんでしょう。