フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

ブラック

2017-11-30 23:23:46 | Weblog
ブラックという文字が店頭で踊っています。このブラックはどこかの元大臣の失言とは違い一つの商戦の言葉だそうです。「ブラックフライデー」です。かつては、世界的株価大暴落の暗黒の月曜日とした「 ブラックマンデー」同じく「ブラックサーズデー(暗黒の木曜日)」もありました。そんな悪いイメージの商戦を行うのかと不思議な気がしますが、じつはアメリカの感謝祭明けセールのことで、「黒字の金曜日」と訳し、どの店も黒字になることがその名の由来だと言うものです。日本でも昨年から始まったそうですが、この試みは 売り上げ好調だったようです。
と聞いても、ちょっと馴染めないと思うのは、黒字というのは売る側が儲けることで消費者はどうかなという疑問からです。今までは赤字覚悟のセールだなんて買い物を煽っていただけに余計そう思えるのかもしれません。まあ、このセール、売る側、買う側、両方とも黒字になると良いですがね。

酉年がゆく

2017-11-29 23:51:17 | Weblog
2017年も後1ヶ月ちょっと。早いものです。今朝はまた、鳥ではありませんが、巨大な破壊力を秘めたものが大空をとびました。北朝鮮から発射された弾道ミサイルです。世界はこの行為を野鳥の会のように見守るしか方法はないのでしょうか。なんとか関係国が同じテーブルについて話し合いが出来ないでしょうか。工夫が必要です。
鳥と工夫と言えば、鶏卵です。鶏卵は物価の「優等生」。えさ代の高騰で値上がりした時期もありましたが、価格変動が少ないことには定評があります。それを続ける為の工夫というのは、集約化、大規模化でした。こうして鶏卵の値上げを防いで酒席での肴にもなっていくのです。酉年の酉という字の由来は、酒を入れる器の形にかたどるとあります。そうですね。
酉という漢字を眺めていると徳利にも見えてきます。酉年もまもなく酒席が多い12月を迎え、戌年に変わります。この最後の月で、世界が平和に向かう工夫がなされる事を祈りたいです。

見たまま

2017-11-28 23:51:50 | Weblog
一からスタートと言いますが、古代人間が誕生して、コミュニケーションをとる必要が出来、言葉が生まれてゆくのですが、漢字を中心とした中国や日本の言葉には、見たままそれが名前にや言葉になったものが多くあります。
例えば、眺めるという言葉の語源は「長雨」だそうです。長雨が続くと仕事が出来ずぼんやり外を見ている。そこで眺めるになったということです。また、個体の名前も同じように付けられてゆきます。「つぐみ」という鳥がいますね。つぐみという鳥はほとんど鳴かない鳥です。特に秋からはとりわけ無口になる鳥です。ひたすら口をつぐむ鳥だからついた名前がつぐみということが物の本にあるのです。
物事のスタートは何もないところから始まり形をなしていくものです。名前一つ付けるにも純粋な目で見ているのです。原点に帰ることでそうした純粋さを取り戻すことが出来るかもしれませんね。

ネーミング効果

2017-11-27 23:28:15 | Weblog
これから町は年末商戦に入ってきます。デパートや商店街の商品につけられた値札等を見ているとその店の意気込みが伝わってきます。今は「定価」という呼び方はすっかり姿を消しましたが、かつては「特価」より「大特価」の方がちょっとだけお得な印象がありますね。これが「 超特価」になると「買わなきゃ損」という無言の圧力を感じます。さらに「出血価格 」や「限界価格」となると店内に殺気さえ漂います。最近は半額セール、店仕舞セールが多く、なんとしてもなんて気持ちさえ浮かびます。そうそう何%offという文字も踊っています。
新年、クリスマスの買い物となるとはじめから気分がハイになっていますから、値札の文字に対する反応も強くなりますね。
ともかく年末商戦、それぞれその年の幕を引く買い物ですが、忘れてはならないのは、買い物現場に出かけないネットの買い物はどういう状況を生み出すのでしょうか。

素っぴん

2017-11-26 23:55:24 | Weblog
楽屋に女性歌手を訪ねてステージでの打ち合わせをしようとすると、時々、今素っぴんですのでもう少し待って下さいと言われることがあります。なかには平気な方もいますが、それはかなり気心が知れた人です。家庭の中でも、宅配物が届いた時、素っぴんだからあなたが取って来てと言われた旦那さんもいるでしょう。
しかしこうした恥じらいがある反面、公衆の場である車内で化粧を平気でしている若い人が多いのは何故なんでしょうか。あれはひょっとしたら化粧品のCMなんでしょうか。「この化粧品を使うと顔がこんなに変わります」というね(笑)。
さて素っぴんとは人の生きる姿勢を表す言葉でもあります。それは「自分を飾らず楽天的に焦らず生きる姿勢」です。つまり「群れることを止める」また、「求めないねだらない」という姿勢を持つことです。この解釈ならば、素っぴんとは男性にも当てはまる言葉になりますね。

何削る?

2017-11-25 23:22:40 | Weblog
「早さ」「便利さ」そして「快適さ」このうちのどれかを削らなければならないとしたら、貴方は何を削りますか?
中々難しい設問です。私などは「早さ」でしょうかね。年を重ねてそんなに急がなくてもよいよという心境になったせいでしょうか。考えて見れば、私の子供の頃から比べてみるとどの分野も格段の進歩を見せています。家の中にいれば春夏秋冬を感じることなく春のような快適さをエアコンがもたらしてくれます。東京へ行くにも相当な時間をかけました。歌手達も名古屋での仕事は一泊を覚悟でしたね。外国にいる家族とも、遠くにいる孫とも、テレビ電話で毎日顔を見ることができます。こんな便利な社会が訪れることは想像出来ませんでした。極端に言えばこれ以上すすんだ社会を予想することは出来ませんよね。
さてこうした社会になるにつれ、侵された自然も数多くあります。こう考えると早さ、便利さ、快適さのいづれもそこそこ削るのが必要かもしれませんね。

歌詞

2017-11-24 23:35:25 | Weblog
我々がいつも紹介する歌謡曲や演歌の世界では、歌手だけではなく、作詞家や作曲家も重要な情報の一つです。いや、順番から言えば歌手が一番最後なのです。
作詞家と作曲家では、どちらと言えば、CDに書かれている順番の作詞家が上位なのです。日本語は多くの音を極限まで削ぎおとして五十音になりました。このように音の種類を少なくした代わりに言葉が聞き取り易くしたのです。外国語は日本語に比べてはるかに複雑な音を持つ言語です。ですから、外国の人にも易しく響くのです。外国から来た歌手が日本語の歌を易々と歌いこなすのは、そんなところに原因があるのでしょう。
演歌や民謡などでは、音よりも歌詞が優先するわけですが、それを理由にしてかつてカラオケ店で歌う歌の印税は作曲家にしかなかったのですが、作詞家の皆さんのこうした言い分が認められて、両方に印税が行き渡るようになったのです。我々ら歌詞がないと歌えないのですから、当たり前ですがね。

音色

2017-11-23 23:47:48 | Weblog
今日は、江南市のカラオケ紅白歌合戦の司会として参加してきました。沢山の歌を聴かせて貰って思うのは、歌には個人個人、三者三様の表現があるものだということです。カラオケの演奏は同じでも、歌う音色はすべて違うのです。
声には人の心、表現がにじみ出ます。それを聞く人、受け止める人の気持ちも様々です。音楽の感覚も無限に拡がります。ですから声には、良い声、悪い声というわけかたはありません。しかしその自分の声の中でも、愛情のある声とない声があります。人と接する度に、そうした愛情のある声で話し掛けると、恐らく世の中少しは温かい雰囲気になると思うのですがね。
さて、自分にとって一番優しい声とはどんな声でしょうか。確かめる方法があります。それは自分の大好きな人を思い浮かべて「愛してる」と声を出して見て下さい。その音色が貴方にとって一番、良い声というわけですよ。

2017-11-22 23:58:10 | Weblog
今年のヒット映画の一つ「関ヶ原」の主人公、石田三成には柿にまつわるエピソードが残っています。それは、戦後捕まった三成は処刑間近にもかかわらず、差し出された柿を食べようとしませんでした。その理由は柿を食べて腹を冷やして体調を崩してはならないということからです。
その柿は、この時期贈り物としてあちこちに運ばれています。日本人にとって柿は食文化としてのみならず、失くしてはならないふるさとの原風景です。ふるさとでは、干し柿にする柿のすだれが沢山見られます。干し柿には、ブドウ糖のほか、カロテン、タンニンなどのミネラルがバランスよく含まれていると聞いています。また、お腹の調子を整える食物繊維も多いそうですから、栄養成分を補う食品なんですね。ですから三成が考えたのは、的を射ていなかったのかもしれませんね。しかし、後世に伝わったのは、死に臨んでも自分の健康を第一に考えるという気概ですかね。

お茶

2017-11-21 23:42:44 | Weblog
「朝茶は七里帰っても飲むべし」という格言があるように、お茶は沢山の栄養素が含まれています。我が家は相当なお茶飲み一家です。一回に使う茶葉の量も大変多いです。欠点は、そのせいか外でいただくお茶がなんとも薄い味に感じてしまうことです。横道にそれましたが、毎日自宅で飲むお茶の味は中々一定しません。入れる人が違えばやはり微妙に違います。お茶の専門家曰く、煎茶には「甘」「渋」「苦」の三つの味があり、お湯の温度や入れかたによって違いが出てくるそうです。そこでセオリーに沿った手順があるそうで、手順をキチンと覚えた末に出されたお茶は本当に美味しいそうです。
これと同じように世の中のすべてを手順さえ踏めばそれでいいかというとそうではありません。いわゆるマニュアル通りキチンとやっているのに小さなトラブルが起きるのは、人間が相手だからです。そこに心が存在するからです。心を無視してマニュアル通りでは、人間関係もお茶を濁してしまいます。