フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

盲導犬

2008-04-30 18:22:03 | Weblog
4月の最終水曜日は国際盲導犬の日とされています。交際盲導犬学校連盟が1992年に制定しました。
盲導犬というと私はいつも歌手の中村美津子さんを思い出します。もうすでに27頭も盲導犬協会に寄贈されています。わずか27頭というなかれです。一頭を盲導犬として世に送り出すまでに何と300万前後の費用がかかりますから、これは大変な事です。
視覚障害者のパートナーとしての盲導犬は大幅に不足しているそうで、今か今かと待っている方が大変多くいらっしゃるそうです。
ところで優秀な盲導犬といえども貸し与えられる人との相性が合うかどうかが重要な問題です。その人との相性があわないから戻ってきて、すぐ次の人というわけにもいかないそうですね。
盲導犬として育つには躾が第一のテーマで、そこできちんとしなければなりません。基本は子育てと一緒でほめて育てるだそうですが、それでも明るく暖かい育て方がなにより必要だそうです。
相性となるとまず見るのが身体の大きさとバランスを考え、次に性格です。活発な人には活発な犬を、大人しい人には大人しい犬をと考えます。視覚障害者にとっては生活スペースが広がる事はもちろん、すべてに世界が広がる感じになるわけですから、相性のいい盲導犬と出会う事が出来れば最高の幸せにつながる事でしょう。
そして盲導犬を見かけたら優しい視線を注いでやって下さい。ハーネスをつけている時には決して声を掛けたり、食物を与えたり、口笛を吹いたりしない様にすることも我々は覚えておかなくてはいけません。癒しに知的さが加わった盲導犬がすべての視覚障害者に行き渡るといいですねぇ。

向こう三軒両隣

2008-04-29 16:50:38 | Weblog
今日4月29日は「昭和の日」です。おととしまでは「みどりの日」、その前は、つまり昭和時代は「天皇誕生日」でした。そして昨年から「みどりの日」は5月4日に移り、今日が「昭和の日」になりました。
考えてみると昭和が終わってもう20年が過ぎました。我々の子供の頃の流行語に「明治は遠くになりにけり」というのがありましたが「昭和も遠くになりにけり」ですね。
もっと遠くになったのが、我々が覚えている隣近所が家族だった様な優しい気持ちです。そうそう昭和33年を描いた映画「三丁目の夕陽」ヒットしましたね。続篇も作られました。
あの映画全てに流れていた心温まる人情が懐かしかったのでしょうか。あの時代に生きていなかった若い人達も感激したわけですから、日本人のDNAに困った時はお互いに助け合う気持ちを皆持っているのでしょう。
隣近所は家族でした。夏休みのお昼ご飯はどこで食べるか分からなかったぐらい向こう三軒両隣は仲良く暮らしました。それぞれの家族がお互いを理解してやさしい気持ちで見守りあうという時代だったのです。
そう、人として当り前のことが一杯詰まっている時代でした。
あの映画がヒットしたこと自体がうれしい事でしたが、映画館を出た瞬間から殺伐とした平成に戻ってしまったのでしょうか。相変わらず嫌なニュースが続いています。

IT語

2008-04-28 22:22:13 | Weblog
「オンデマンド婚」という言葉に出会いました。いつも一緒でなくても必要とする時にそばにいてくれれば良いという結婚形式のことで、IT用語のオンデマンドサービスから名付けられたようです。つまり、必要な時に好きな映画などをネットなどを通じて視聴できるサービスがオンデマンドサービスなんですね。
毎年、新しい言葉が創られてゆきます。特にコンピューター関係の用語が次々と登場しては日常語の中に根付いていきます。そのうちにこうした言葉の氾濫によって日本独特の文化がかき消されてしまう様な心配もしています。
確かに言葉や文章は変わっていきます。こんな時代に何が必要かといえば、古典に対してもっと前のめりになろうということです。
先日行われた「新聞をヨム日」のシンポジウムで基調講演をした瀬戸内寂聴さんは「活字文化は滅びない。昔の言葉を知っておくのが活字文化だ」と話されました。
丁度今年は源氏物語誕生千年を迎えたわけですが、この日本の文化遺産に触れる機会を作るには絶好の時です。古典に触れてその後新しい今の文化を創る、これが次世代に文化をつないでいくという事になるのでしょう。
ゴールデンウィークをそんな読書週間にとらえてはどうでしょうか。

休息

2008-04-27 14:03:53 | Weblog
このゴールデンウィークにどこも出掛けない理由に、野球をテレビでとことん楽しむからどこにも出掛けないと見栄をはっています。人混みの中への出不精が家人にいるのが現実ですが。(笑)
その大好きな野球の話で心配なのが、ドラゴンズの中継ぎのエース格だった鈴木投手の戦線離脱です。何でも右ひじの疲労骨折ということで1ヶ月以上は登板が無理の様です。
疲労骨折とは骨の同じ部位に力がくり返し加わる事によって生じる骨折の事で、金属をくり返し折り曲げていると、ついには折れてしまう現象と同じだそうです。ただ骨折といっても、ギプスで固定するという事ではなく、原因となる運動を控え安静を守れば早く治るそうです。
頑張り屋の鈴木投手ですから、殆ど休息をとらずにトレーニングを続けていたのではないでしょうか。連日の疲れが蓄積したと推測されます。
人間の気力、体力、知力は必ず限界があり、これを回復するには休息期間が必要です。頭脳だって疲れます。働きづめ働いて休息をとらないと、うつ病などの病気にもかかります。
輪ゴムの例があります。輪ゴムはのびたり縮んだり弾力があるものですが、限界を超えると切れてしまいます。普段の生活の中でも休息をとるのととらないのとでは頭脳の働きも違ってきます。まさに急がば回れ!です。
一番危険なのは、まだまだ休まなくても大丈夫という思い込みです。ですからこのゴールデンウィークも休息期間に当てるのも大切かもしれませんね。
これも出掛けない言い訳でしょうかね。(笑)

値上げ

2008-04-26 21:36:19 | Weblog
早いところでは、今日から大型連休が始まったところもある様です。
貴方は海外旅行ですか?国内旅行ですか?とインタビューすると、「値上げ値上げでどこへもいけません。それよりももう一度ガソリンを満タンにしておかなければ・・・」という声が聞こえてきそうです。
確かに航空運賃も値上がりしました。そのせいか中部国際空港からの出国者数は、これだけ円高というメリットがありながらも減っているそうです。
まあいわば今年の春は値上げの春でした。食品では牛乳やしょうゆ、ビールも上がり、サービスでは先程の航空運賃や電気、ガス料金、ゴルフ場にも値上げの波が押しよせています。特に食品に於いては小麦粉の値上げによってパンばかりではなく、お好み焼きにも影響が出ています。政府が製粉会社に売り渡す輸入小麦の価格をこの4月から30%も値上げしたからです。
毎日の買い物の値段だけに、一年間の食費を積算すると支出もかなり増えそうです。
ところで私はお好み焼きが大好きで、広島のお好み焼きのテーマパーク、お好み村へは何度も行ってみたいと思うのですが、今回の小麦粉の値上げでこのお好み焼きの店主たちは経営努力だけでは何とも苦しい状況だそうです。
ただ修学旅行が多い5月までは、このまま頑張るという店主たちの嬉しい話も伝わってきていますが、その時期がすぎるとやはり、という状況になるのでしょう。
我々が生活防衛をしなくてはと思うのと同じ様に、店主たちも企業防衛しなければなりませんからね。あ~あ。

聖火

2008-04-25 14:18:56 | Weblog
今日の朝早く、北京オリンピックの聖火が日本に到着してリレーが行われる長野に運ばれました。明日はどんな聖火リレーになるのでしょうか。
朝のテレビのワイド番組で、この聖火を「聖火」と呼ぶのは日本だけで他の国では「トーチリレー」とか「松明リレー」と呼んでいると聞き、びっくりすると同時に成る程と合点することもありました。
つまり諸外国ではそれ程聖なるものという意識がないのではないかということ。今回も数多くの防衛隊と称する青いジャンバーの中国のボランティアの人達が来日していますが、聖火をアテンドする彼等が危険を察知するといとも簡単に聖火を消してしまうのを不思議に思っていたからです。
日本で「聖火」という呼び方が定着したのは東京オリンピック以降といわれています。東京でも長野でも感動の聖火リレーがテレビに映し出されていたのですが、今回の様子次第ではその感動すら汚されてしまいかねません。ましてや観衆をさえぎって、誰も居ないようなところを人の目の届かない状態で隠れながらリレーしていく聖火リレーは本当にオリンピックの精神と結びつくのでしょうか。
せめて明日の長野の聖火リレーだけはオリンピックという世界最大のイベントを盛り上げる一助になる様な、見る方も走る方も素晴しいリレーにしてもらいたいものです。
もちろん、表現の自由を取締る様な警備の仕方ではなく・・・。

大粒

2008-04-24 22:17:22 | Weblog
低気圧の影響から、今日は久しぶりに大粒の雨でした。昔の歌謡曲に「雨は小粒の真珠なら~♪♪」とあり、大粒の雨は何だろうと考えを巡らしましたがなかなか思い浮かびません。
ところでこの大小でこんな格言を思い出しました。身体ばかりか頭の働きの鈍い人を馬鹿にして言うもので、「大男、総身に千恵が回りかね」というのがありますが、これの対義語で「小男の総身の千恵も知れたもの」という格言があるのを知っていますか?
「山椒は小粒でピリリと辛い」で対抗しようと思ったのですが上記の格言が見つかったものです。
ところで最近のニュースで保険料10億円を着服し、これらをギャンブルにつぎこんでいた男性が逮捕されたとありました。
おそらく勝負事でも最初はわずかな欲望からスタートしたのでしょうが、いつの間にか身の丈にあわない欲望になってしまっていたのでしょう。
この男性がどれだけの身長かわかりませんが千恵のかけらもなかったのでしょうね。
それにしても10億円という金額のスケールが全く想像もつかない私などは相当の小男なんでしょうね。

2008-04-23 15:19:09 | Weblog
4月23日は、女性は男性に本を贈り、男性は女性に赤いバラを贈るスペインの風習から定着した、サン・ジョルディの日です。今日はどんな本がプレゼントされるのでしょうか。
本といえば、このところよく話題になるのが水野敬也著「夢をかなえるゾウ」です。この本はユーモアを交えて自己改革をはかろうという本で、私も発売直後にすぐ読んでみましたが成功の為の第1章が「靴をみがく」という事に驚いたものでした。そこにはこう書かれていました。「ええか?自分が会社行く時も、営業で外回りする時も靴はずっと気を張って支えてくれとんや。そういう自分を支えてくれてるもん大切にできんやつが成功するか、アホ」
ちょっと自分も靴を磨いてみようという気にさせる言葉ではありませんか。
私も一週間に一度、しっかり磨くようになりましたが、あるプロの発言の中で、磨く為の最適な布はYシャツの生地だそうですから次回からはと思っています。
それにしても、この靴磨きは本当に単純作業ですが、それだけに一心不乱になりきれますし、何か子供の頃に戻ったようなひとときを味わうことができます。
そして磨きあがった靴をはくと、何となく自信が持てるような気になります。このあたりも「ゾウ」は語っているのかもしれませんね。
パリの社交界では食事をしながら靴について話し合ったり、又、自分の靴を磨きあげる会もあるそうです。
ともあれ、靴も適度な休養日が必要だそうですから、できたら週休3日がいいということですヨ。

あやかる

2008-04-22 23:20:06 | Weblog
今から58年前の今日、初代ミス日本に山本富士子さんが選ばれました。鼻筋がビシッととおった本当に美しい女性で、その後の女優としての活躍は皆さんが知ってのとおりです。
この山本富士子さんにあやかってネーミングされたのがリンゴの「ふじ」です。いまやリンゴといえば「ふじ」といわれる程ですが、元々は品種名として産地の青森県藤崎町からつけられたのですが、富士山や山本富士子さんにちなんで平仮名で「ふじ」となったそうです。
この「あやかる」ですが、よく「その人にあやかって」と表現されます。自分もその幸運に恵まれたいということで成功した人と波長をあわせ、自分の方にラッキーを呼び込もうとするわけです。
波長をあわせる一番いい方法というのは一緒に喜ぶことです。つまり祝福することですね。
一方で便乗という言葉もあります。便乗商法や便乗値上げという表現でも使われますが、辞書には時流をうまく自分に利用することと書かれています。背景にはあまり好意的なものはありませんね。それと、つい人と比べてしまうと「あやかる」という謙虚さは消えてしまいます。嫉妬心がめばえてくるんですね。
やはりここで一番言いたいのは、幸運な人と波長をあわせる付き合い方をいつも心掛けるということではないでしょうか。
なお、あやかるという漢字は「肖る」です。

月曜日

2008-04-21 16:47:57 | Weblog
朝起きるのがしんどかったり、仕事に集中できなかったり、そんな日の曜日は大抵月曜日です。これを月曜病といいます。特に新入社員の皆さん、今日はどうでしたか?
土曜日、日曜日の体内時計と平日の体内時計の違いも原因にあげられますし、日曜日の家族サービスの精神疲労もその原因になったりします。つまり生活のリズムのくずれや管理社会に戻っていくという精神的な負担も作用しているかもしれませんね。ブルーマンデー症候群ともいいます。
ところで「花疲れ」という言葉を知っていますか。大勢の人出の中を、桜を見上げながら散策して我が家に帰りつくと疲れ果ててしまう、いわゆる花見で疲れる事を言います。丁度今頃がその時期かも知れませんね。花からパワーをもらおうと出掛けて、パワーを消費する皮肉な現象です。
この花疲れに陥るとついもう木々を見上げる事も少なくなりますが、やわらかな色合いの新緑が瑞々しい輝きを放っています。青い空と美しい緑、日本の最高のシーンを花疲れで逃してはもったいないですよ。そのかたわらで鯉のぼりがスイスイと泳いでいます。本当に幸せな光景でした。