フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

昭和

2012-01-28 20:30:49 | Weblog
演歌アナウンサーとして歌謡曲の新曲には切れ目なく付き合っていますが、このところ目につく言葉があります。それは『昭和』です。例えば、大川栄策さんの「昭和放浪記」青戸健さんの「昭和名残り唄」などタイトルとして使われることはもちろん、曲のテイストも昭和風という作品が多くなっています。映画でも昭和を懐かしむ「三丁目の夕陽」シリーズがヒットしています。何故今昭和なのでしょうか。
昨年の漢字が「絆」でしたが、推測するにこの絆、とくに生活空間の最小空間での関係の希薄さがあるからではないでしょうかね。私の人生の三分の二を過ごした昭和を振り返って見ると、大変エネルギッシュでした。高度経済成長の時代でもあり、また日本の経済状態が世界から注目する時代でしたから、余計元気さが目につきましたね。さらにご近所同士の交流もしっかりあり、人と人との繋がりも太いものでした。コミュニティーが自然に出来たともいえる時代でした。今と比べてゆったりと時間が流れていったように思えるのです。
こうしたことから昭和の良さを取り戻したいと歌の世界の主張になっているのでしょう。心の潤いをもたらせてくれた昭和を今、この平成の世に取り戻したいですね。