フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

口ぐせ

2011-02-28 23:15:37 | Weblog
今日のラジオ番組の収録のなかで、今月の本として取り上げたのが「口ぐせ、しぐさで人の心を見抜く本」です。無くて七癖というように、口ぐせは個々ありますね。菅総理の答弁での口ぐせは「まさに」です。本当に多く出て来ますよ。
口ぐせはほとんど当人は気づいていません。野球の解説者などは、その口ぐせで誰だかわかる位です。口で注意しなくてはならないのは、相手の話に対して返事をする時に、必ず「いや、」と言ってから話し出すことです。たまにそういう人を見かけますが、たいてい相手の人は不快な顔をしていますよ。そりゃあそうですよね。口ぐせだと知らない人は、自分の話が否定されたと思いますからね。
こうした「いや」とか「でも」「しかし」「だけども」などは否定形の言葉です。こうした言葉を会話の中では出来るだけ使わないほうがいいとの教えが江戸時代の江戸しぐさにあります。否定形の言葉を「戸締めの言葉」といって戸をぴしゃっと締めることになると諌めているのです。会話が成り立たなくなるから、気をつけなさいということですね。
知らず知らずに「戸締めの言葉」を連発して相手に不快な思いをさせていないか、自身の口ぐせを確かめてみましょう。

鉄ちゃん

2011-02-27 23:33:18 | Weblog
鉄道好き、いわゆる鉄ちゃんにはいろんなタイプがあります。知識型は列車の型番などはすべて知っている。乗り鉄というのか、全路線を乗ることを目標としている、部屋中を鉄道模型で飾り立てている、鉄道部品を集めまくる、鉄道写真を撮りまくる、などなど、いずれも鉄道に関しては熱い気持ちの持ち主です。
その鉄ちゃんの中で、乗ることを第一としている鉄ちゃんや写真マニアが集まっているのが、北海道東部の広々とした釧路湿原を黒い煙を上げて走る「SL冬の湿原号」です。釧路と標茶の間を毎日一往復している臨時列車です。白い雪と黒い煙が対照的でしょうね。
SLの魅力は黒光りした車体も美しく、力強く走る姿がいいですね。私の子供のころは中央線もまだSLで、トンネルではあわてて窓を閉めた経験もあります。時代と共に環境問題やら、スピードやらで姿を消していきましたが、各地で観光用に走るSLには大勢のファンが集まります。走る姿が魅力だといいましたが、もうひとついうなら、SLの走る姿は人間が頑張っている姿にダブるのです。子供心に父親の頑張る姿勢を描いていました。
SLファンの中には、懐かしい父親に会いに出掛ける気持ちの人もあると思いますね。

食い物の恨み

2011-02-26 23:29:48 | Weblog
食い物の恨みは恐ろしいという事件がアメリカでありました。フロリダ州の話ですが、クッキーをめぐって女性同士が大喧嘩して、31才の女性がルームメートに暴行したとして逮捕されたのです。
事の起こりは逮捕された女性がクッキーがなくなったことに気づいて、寝ていたルームメートをたたき起こして問い詰めたら、その女性の子供にあげたと説明し、10ドル払うと言ったのに取っ組み合いになり暴行を加えてしまったのです。まあやり取りのなかでの言葉の行き違いがあったのでしょうが、まさに食い物の恨みは恐ろしいの典型ではないでしょうか。
いまでこそ核家族化ですが、昔は大家族の家庭が普通で、すき焼きを囲むのも大勢になり、肉の割り当ても限られます(笑)。それだけに最後に残った「遠慮の塊」も競って箸を出します。挟みぞこなった者の恨みは残りますよね。
食い物の恨みが恐ろしいは、大家族制に起因しているのではないでしょうか。そしてそのDNAが今も生きているのでしょうか。恨むことはなくても食い物の思い出はかなり鮮明に覚えているものです。一つや二つはありますね。

2011-02-25 22:23:44 | Weblog
今日は学問の神様の菅原道真の命日です。各地の天満宮では梅花祭が行われました。京都市上京区の北野天満宮でも梅花祭が行われました。ちょうど今頃は梅の見ごろを迎えています。
梅というのは満開よりも蕾や少しほころびかけたところに風情があります。その昔はこの風情を求めて、花見は桜よりも梅でした。見ごろも長く3月中旬まで楽しめます。万葉集では梅を詠んだ歌が118首あり桜よりも多く詠まれています。
ところで菅原道真と梅の関係は、飛梅という言葉に表されます。道真は梅の花が大好きで、太宰府に流される時に「東風吹かば思いおこせよ梅の花…」詠んだところ、その梅が太宰府まで飛んで来たという話です。
このように植物を可愛いがる気持ちは植物にも伝わります。毎日の水やりの際に話し掛けるのは、植物が嬉しいと思うだけでなく、話し掛ける本人にとってもとてもいい事だそうです。もちろんペットに対しても声かけを心がけるとストレス解消にも大きな効果があるようです。生あるものは、気持ちが伝わるものですね。
天満宮には今日も学問の神様を頼ってたくさんの受験生が訪れたでしょうが、声掛けの効果を忘れないようにね。

富士山

2011-02-24 23:25:10 | Weblog
うかつでしたが、昨日の2月23日は「フジミ」「フジサン」と読んで静岡県では、条例を制定して「富士山の日」と定めたそうです。「富士」の字のように物心ともに豊かな国作りをスタートさせたのです。
富士山は日本の最高峰の山で古くから神のような存在として崇められてきました。またなにより、雪をかぶった富士山の立ち姿は美しいものの代表でもあります。そんな富士山なので人生の指針に富士山を例える場合も多くあります。
富士山を仰ぎ見ることで心のよりどころとする場合もありますが、あの圧倒的な存在感から、自分の存在を富士山のようになりたいと夢を描く人もありますね。上司の立場として、部下に安心を与える存在として富士山を引き合いに出すこともあります。
しかしこの「富士山のような人」という表現は、100%素敵な人だとは言えない解釈もあります。それは、富士山の環境からいわれます。ゴミが多かったり、石ころが多いところから『遠くから見ているときは美しいが、近くに寄ってみると石ころだらけ』なので、人もより深く知ってみるとゴミのような人と解釈するのです。気の弱い私などは、それを知ってから「富士山のような人」を理想の人にあげなくなりました(笑)。

災害

2011-02-23 22:49:02 | Weblog
希望が一瞬にして心配の種になってしまいました。語学の研鑽に出掛けた若者達が、ニュージーランドで地震の直撃を受けて行方がわからなくなっています。家族の皆さんの気持ちを思うといたたまれませんね。早く無事の情報が届くことをお祈りします。
一方国内の新燃岳の周辺では、生活が脅かされる現実が出て来ています。どちらも自然の怖さを思い知らされます。日本人は古くから自然と一緒に生きることを大事にして来ましたが、こうした現実を見せられると恨まざるを得ませんね。となると、西洋的な考え方の自然の脅威を克服する方法も意識として持たなくてはなりません。
今、国会で衆議院の予算委員会が行われていますが、確かに経済的な予算の熟議は必要です。それと並行して、国や地球の将来をどうするのかという大きなテーマを話し合う時間も持ってほしいと思います。若者が政治離れを起こすのも自分の将来に関する不安に対する答えが出ないせいもあると思うのです。
そこで提案ですが、議員定数を考える際に、年代別定数を取り入れたらどうでしょうかね。若者たちの意見を聞くことが出来ると思いますがね。

和洋

2011-02-22 22:45:25 | Weblog
女の子のいる家庭では、今頃お雛様が話題の中心でしょう。
最近の人形店のお雛様の顔が少しずつ洋風化しているそうです。大きなおでこにぱっちり目で西洋人形を思わせるものや、海外メーカーの磁器製人形が人気だそうです。その理由は親の方が日本人形になじみが薄くなっており「奥床しさ」より「かわいらしさ」を求める傾向があるからだそうです。
お雛様まで洋風化というのはビックリしますが、第一の開国といわれた明治時代はなんでもかんでも西洋化を求め、和洋という言葉が生まれました。和魂漢才を和魂洋才や洋魂洋才という言葉に置き換えられることもありました。その後和洋どちらにも適する工夫が随所に見られるようになりました。しかし、日本文化の伝統の観点からすれば、流行りだから洋風にするのではなく、伝統を大切にして日本の良さを伝える努力をしていかないと文化的沈没に陥ってしまいます。
文化を伝える儀式に結婚式がありますが、その結婚式でさえ最近はすっかり洋風になっています。経験しないとよりその良さはわかりません。出来るなら、やはり着物姿の出席をお願いしたいですね。
洋式してよかったと思うのはトイレでしょうかね(笑)。

子供の靴

2011-02-21 23:24:37 | Weblog
南米ペルー沖の海水温が上がるのが「エルニーニョ現象」、逆に海水温が下がるのが「ラニーニャ現象」です。ラニーニャとはスペイン語で「女の子」の意味だそうです。この現象が地球をめぐる海水や空気の流れを乱し、あちこちに異常気象をもたらします。去年の猛暑も、この冬の厳しい寒さもこの女の子たちが一因とのこと。女の子のイメージが変わってしまいます。
女の子というと「赤い靴履いてた女の子~」の歌を思いだし、合わせてちっちゃな可愛い靴を思いだすのです。私も女の子の外孫がいますが、自宅に帰って、玄関でちっちゃい靴を見ると、一日の疲れも吹き飛ぶような可愛さを感じます。大人の靴の横にちっちゃくおさまって並んでいる靴は見ているだけで夢が膨らんでくるのです。子供の成長は早いのですぐにその靴も履けなくなるでしょうが、捨てずにしまっておきたくなりますよ。
ですから、もし友人の孫の誕生祝いを考える時は、迷いなく靴を探すでしょうね。気分がちょっと下向きの時の気分転換には、靴売り場で子供の靴を見るのも一つの方法だとオススメします。

連鎖反応

2011-02-20 22:37:45 | Weblog
スタジオのお客様のいないところで収録した落語をラジオから聞いたことがあります。たしか名人といわれた人の得意な演目だったのにもかかわらず余り笑えなかった記憶があります。それは、客席の笑い声がなかったことに原因を見つけることが出来ます。笑いの連鎖がなかったのですね。
連鎖反応はいろいろなところで見られます。例えば電車の中でだれかが欠伸をすると、ほかの乗客にも連鎖します。病院で一人赤ちゃんが泣き出すと一斉にほかの赤ちゃんも泣きだしますね。こうした連鎖反応は可愛いものですが、今、中東地域で起きている、反政府デモの連鎖は、大変な勢いで政治体系を変えようとしています。中東といえば、産油国の塊ですから少なからず日本にも影響があります。民主的な政権の誕生を祈るばかりです。
さて、連鎖の鎖はくさりです。英訳すればチェンです。ドラゴンズのチェンが軽傷とはいえリタイアしたようですが、吉見とならぶエースだけにファンとしては心配です。山本、吉見、そしてチェンと続いているだけにこれ以上の故障の連鎖反応は起こさないようにお願いしますよ。

壁に耳あり

2011-02-19 17:12:30 | Weblog
ここだけの話だけど…とか、貴方だけに打ち明けるけど等という噂話が減ったような気がするのは、気のせいでしょうか。最近読んだ新聞のコラム欄に「近頃は、若者たちの間でも結婚や出産などのおめでたい話があっても同僚に打ち明けていいかどうか迷っている人が増えている」とありました。そうしたおめでたい話が全くない仲間を気遣かってのことらしい。バレンタインデーの義理チョコも不公平になるといけないので禁止という会社もあるそうです。私などは喜びも悲しみもみんなまとめての口だけに、こうした現象が不思議で仕方ありません。こうした風潮が進んでいけば、益々無関心になるでしょう。
そういえば、アフター5の付き合いも今やほとんど見られないそうですね。同僚達の人間くさい部分は何処で理解するのでしょう。ブログやツイッター、フェイスブックというコミュニケーション手段から個性を推測しろといってもこちらはグローバル化し過ぎていますからね(笑)。噂を口にくわえて廊下トンビもどうかと思いますが、同僚同士、もう少し人間味のある付き合いも必要と思うんですがね。