フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

詐欺

2013-01-31 22:11:30 | Weblog
「振り込め」など特殊詐欺の被害額が過去最高になったそうです。振り込め詐欺などはずいぶん前から対策が練られていましたが、中々減らないのは何故なんでしょうか。少子高齢化の典型的な被害ともいわれますが、それにしても、孫などの身内の声がわからないというのも不思議な気がします。恐らく同じ、住宅に寝起きする大家族時代には考えられない犯罪でもあります。
もうひとつ言えるのは、他人に対して無関心でありすぎることがありますね。かつては、家族はもちろん向こう三軒両隣に住んでいれば、我がことのように、一つの問題に向き合ったものです。最近では、集合住宅でも隣に誰が住んでいるかもわからない時代になってしまいました。遠く離れた孫の声などわからなくて当然かも知れませんね。
こうした事件で、本来あってはならないことですが、唯一、離れて住み、声がわからなくても身内に対しての優しさがあるところですかね。まあ、そこにつけ込まれてしまうのですが。逆に一人住まいのお年寄りを持つ人達は、頻繁に顔を出してあげることが、犯罪防止につながるんじゃないですかね。

携帯電話

2013-01-30 22:38:31 | Weblog
囲碁の団体では、対局中の新しいルールが誕生しました。対局中のプロ棋士の携帯電話が鳴った場合は「警告」、同じ日に2回目があった場合は「即刻負け」とするものです。マナーモードの振動音も対象となります。すでにこのルールは中国や韓国のプロ棋界でも採用されているそうです。もちろん観戦しているほかの棋士の携帯でも同じ扱いで、自分の対局にも影響してくるそうです。確かに対局中に着信音が聞こえてくれば気が削がれます。
かつての江戸しぐさの根本は「粋とやぼ」といわれていますが、こうした状況での電話はまさに野暮 です。しかし、時には電源を切ることを忘れることもありますが、警告を受けて電源を切ることは確実にできますから、このルールは評価出来ます。もちろん、心得が出来ていればこうしたルールは必要ないですがね。
先程の粋ですが、粋な行為も少なくなりました。自分のことしか考えないのが野暮なんですが、価値観の変化でしょう。あちらもこちらも野暮ばかりです。ドラマで粋なシーンが出てくると、すぐに涙ぐんでしまうのは、その裏返しですかね。

生きる

2013-01-29 20:53:21 | Weblog
生きるというより生きている途中で突然、その生を断ち切られてしまったのが、アルジェリアの人質事件で亡くなった人達です。悲しみの中で、通夜、葬儀が行われました。自然災害で生を断ち切られた以上に人が人の生を断ち切る理不尽さは憎んでも憎みきれません。
新しい国会が始まり、こうした海外で働き、日本の繁栄を支えてくれる人達を守る為にどうしたらいいのか、論戦が行われるでしょう。こうしたテロとの戦いには、きりのない努力が必要です。ある人はこの努力を「下りのエスカレーターを上るようなもの」と例えるほどのものです。日本企業は、江戸時代のように鎖国をとることはできません。それほどグローバル化が進んでいます。テロの脅威と向き合っていかなければならないだけに、そのリスクを最少にとどめる管理を考えて行かなくてはなりません。また、政府もその環境を整える施策をしなければいけないのです。評論家からは、いざという時の邦人保護の手法を検討すべきだという声も上がっています。
この度流された悲しみの涙に代えても、生をどこでもまっとう出来る仕組みを創らなければなりませんね。

八割?

2013-01-28 22:14:39 | Weblog
受験シーズンが本番です。受験生を抱える家庭ではこれからしばらく神経を使う日々が続きますね。その神経の使い方もまた大変なんですね。受験生の中で複数の学校を受ける際、最初の試験を終えた後の対応です。間違えた問題を親が簡単な問題だと追い詰めないようにすることです。なぜならその叱られたことを次の試験に引きずってしまうことがあるからです。
中学受験生の中で確実に合格出来る割合は1割だそうです。確実に合格出来ない割合も1割、つまり残りの8割がボーダーライン上になるわけです。ですから、当日を含めてコンディションがきわめて重要になってくるわけですね。試験のまえに余分な神経を使わせるのは非常にリスクが高くなってしまいます。ですから、もうこの時期を迎えたらまわりの家族も腹をくくることです。子供を信じる姿勢をしっかりと作った方がいいでしょう。
もう一つ付け加えるならば、毎日の生活スタイルを試験日に合わせることです。試験問題に向き合った時に最高のパフォーマンスが出来るように体調管理をすることもアドバイスしてほしいですね。

対面

2013-01-27 22:36:53 | Weblog
日曜日はラジオの生放送「松原敬生の日曜も歌謡曲」担当の日です。この番組はもちろん、相手(アシスタント等)がいる場合、必ず自分のまえに座ります。横並びではありません。人間は類人猿の行動特性を受け継いで、相手の目を見ることでコミュニケーションをとっているからです。サザエさんの食事のシーンではちゃぶ台が出てきますが、これも対面になっていて、家族のコミュニケーションを食事どきに十分出来るのです。
ポイントは目です。「目は心の窓」とまでいわれるようにその人の健康状態まで教えてくれることがあります。それくらい目には表情があるわけですから、相手の目が見えることが番組を進める上で非常に大切になって来ます。ましてや横並びの人に話し掛けるのは難しいですね。独白の時は相手の目を見る必要はありませんから、相手から悩み事を聞き出す場合は、横並びです。
さて近年、食事どきに対面しながら何も話さずに下を向いて黙々と食べる人も多く見られます。こうした光景を見るとせっかくのコミュニケーションチャンスを逃しているような気がしま
す。残念です。

楽しみな存在

2013-01-26 16:51:28 | Weblog
ノルディックスキーの世界ジュニア選手権、女子個人で日本の16才の高梨沙羅選手がこの種目初の2連覇を達成しました。高梨選手、なんとも頼もしい存在ですね。高梨は「たかなし」と読むわけですが、実は「小鳥遊」と書いても(たかなし)と読む苗字があります。これは、たかというのは、猛禽類の鷹のことで、この鷹がいなければ小鳥達は楽しく遊ぶことが出来るという意味で小鳥遊がたかなしになったそうです。まさに珍名ですね。一方の高梨さんも飛ぶのですが、こちらは天敵と言われる強敵が数多くいても、十分に実力を発揮して大きく羽ばたきます。ソチの冬季オリンピック期待の鳥ですね。女子のジャンプでこれほど期待する選手は過去にいなかったような気がします。もっともっと成長して、大鳥遊でたかなしと呼ばせるくらいになってほしいものです。
フィギュアの世界では、期待の選手は次から次へと出て来ますが、ほかの種目では、世界に羽ばたく存在があまりいないだけに、久々の楽しみな存在なのです。がんばれ高梨沙羅さん!

反面教師

2013-01-25 23:48:14 | Weblog
国も地方も情報公開にはかなり神経を使っているようです。政府の諮問会議を公開にしたり、また、昨日は大阪の桜宮高校の生徒自殺問題にからんで、市長や知事を含んで府と市の教育委員会の話し合いが公開でなされました。府と市の教育委員会の間では激しいやり取りがありました。その様子を見るにつけ、今後の解決にどう道筋をつけるのか私には理解出来ないやり取りでした。途中松井知事も触れていましたが、この光景を見ている生徒達はどう思うかと心配するばかりです。大人達の世界を垣間見て、がっかりしているかも知れません。まさに反面教師になるのではないでしょうか。これが非公開ならば、結果だけで判断するところですが、公開されることによって中身があらわになり、感心するかがっかりするかに分かれます。
私はどんどん公開して、姿をさらけ出した会議を見せて、国や地方を引っ張って行く力を蓄えてほしいですね。つまり取り繕うことが公開では不可能になり、最初から結論ありきの会議がなくなるからです。その会議が反面教師ではなく、参考になる会議にならんことん祈りつつ。

一度は?

2013-01-24 22:46:32 | Weblog
人生一度は見てみたいものありますか?私はまだまだ実現していないのですが、長野県の諏訪湖の「御神(おみ)渡り」を見てみたいと思っているのです。御神渡りとは諏訪湖の湖面にせりあがった氷の筋がうねるように走る自然現象です。この御神渡りという言葉も伝説から伝わっているもので、諏訪大社上社の男神が下社の女神の元へ通う恋の道を渡る事を意味しています。しかし今は筋が走る方向を過去の記録と照合して、今年の世相を占うのだそうです。諏訪湖では公魚釣りを楽しむ光景はよく見られますが、この御神渡りは間近で見たいですね。
次に見たいものもやはり氷です。見たいというよりも乗ってみたいのが流氷です。街中では最近薄氷さえ見られないのでどれほどの分厚い氷なのか、乗って確かめたいものです。
そして3つ目は海の中にせりでた温泉ですね。冷たい海水と温泉がちょっとした仕切りで分けられるなんて素敵です。その温泉は屋久島にある平内海中温泉で、海岸を岩場で仕切り温泉になります。ただし干潮時の2時間くらいしか入れないそうです。余計に入りたい
ですね。こんな所を尋ねる旅、一度はねぇ。

映画とテレビ

2013-01-23 23:25:32 | Weblog
大島渚監督の葬儀が昨日、大勢の知人、友人が参列のもと行われました。坂本龍一さんも弔辞を贈られていましたが、大島監督の配役の決め方に、主役級に素人か歌手というポリシーがあり、彼もそのポリシーによって起用された一人でもありました。
ところで映画とテレビの根本的な違いは、映画は本物より大きく映ります。テレビは本物より小さく映るといわれています。そういえば、映画とテレビが交錯する時代、スクリーン育ちの俳優とブラウン管育ちの歌手が偶然共演したことがありましたが、圧倒的にスクリーン育ちの俳優が大きくみえました。いまでは、テレビから誕生したタレントが映画に出演するのでそうした違いはないと思いますが。
そんな時代に映画に起用され、違う文化に触れることが出来たのは大変な財産なります。坂本さんも嬉しかった出来事だったと思います。新しい環境に飛び込んで行くには、大変勇気のいることですし、チャンスも少ないものです。そんな時に大監督から背中を押して貰えれば、思い切って飛び込めます。つくづく出会いが大切だと気付
かせますね。

働き好き

2013-01-22 23:36:51 | Weblog
日本の高齢者は世界の中でも労働意欲が高いそうです。そのデータは2010年での65才以上の男性の労働力率は日本が28・8%で先進主要7カ国の中でトップ、2位3位のアメリカ、カナダに大差を付けていることを示しています。その背景には日本が長寿国家で元気のいいシニアが多いことがありますね。私もその範囲内の一人ですが、やはり出来ることならば、いつまでも現場にいたい気持ちは強く持っています。
その昔、定年を迎えた後は、のんびりと温泉三昧の生活をしたいとか、朝から夜まで好きな本を読んでいたいと楽しみを語る人を見かけましたが、こうしたデータを突き付けられると働き好きなんだと思ってしまいます。通勤の人波と逆の方に歩くのに罪悪感を持ってしまうのでしょうね(笑)。
このシニアは戦後の生活の中で勤勉こそ大切なものだと身体の中に叩き込まれた世代だけに、働く場所を持たずに生活することに慣れていないのです。ですから出来ない夢を語り、それが現実に出来る時が来ても夢としてとって置きたいと思ってしまうのですよ。きっと後に続く子供達の時代では、上手に楽しむでしょうね(笑)。