フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

技術の伝承

2018-09-30 23:54:23 | Weblog
プロ野球も最終盤ともなると、各チームでは来シーズンの動きが出ています。その中でチームの歴史を支えてきた名選手の引退報告が相次いでいます。本人はもちろん、ファンの我々も淋しい思いで一杯です。中日でも、浅尾、岩瀬、荒木の引退が取りざたされています。残る選手もいつかは引退するわけですから、思いは一緒です。
その残る選手は、引退する先輩選手のプレーに触れる機会は少なくなります。ですから、その残り少ないプレーを目に焼き付けることが大切です。スポーツの世界でなくても、昔は仕事のやり方は盗んで覚えろと言われましたが、近頃は言葉でしか伝わらないだけに、せめてスポーツ界だけは、盗んで覚えてほしいですね。これが技術の伝承というものですからね。

長雨

2018-09-29 23:43:45 | Weblog
台風24号の接近が原因か、秋の長雨が続いています。この長雨から「眺める」という言葉が作られました。何故ならば、長雨が続くと仕事が出来ず、ぼんやりと外を見ているしかなかったことから「ながめる」になったのです。
「雨の3日も降ればよい」と町衆で語られたように、雨は仕事を奪います。しかし昨今は、日曜日と言えども数多くの仕事があります。特に待った無しの台風だからメディアは一層、役割を全うしなければなりません。
今日はそれだけに自分自身の明日の取り組みの用意をしました。東海地方の皆さんも台風の備えをきちんとして、明日を迎えますように。
それにしても今年は何と台風の多い年なんでしょうか。

通じない言葉

2018-09-28 23:57:31 | Weblog
日本でいちばん短い会議とは何でしょうか?その答えは「大相撲の物言いの土俵上の協議」です。今年はもうひとつプロ野球のリクエスト制度です。
ところで会議と言えば、新人の頃、先輩からこんな言葉を聞きました。「会議では、せめて一言だけでも発言しろ!でないとテーブルの灰皿と同じだ」今の時代では、会議室のテーブルには灰皿は置かれていませんから、この言葉は当てはまらないですね。もちろん自分の意見を少しはちゃんと発言しろ!という戒めは生きています。国際的な会議でも日本人は余り喋らないという評判ですから、昔からのDNAなのかも知れませんね。
さて断捨離ブームでいろいろ整理したとき、灰皿も家庭から姿を消したのではないでしょうか。愛煙家には気の毒ですが、今はすっかり喫煙とは縁の無い私には、どうでも良いことです。

ライバル

2018-09-27 20:05:35 | Weblog
今年の大相撲秋場所は白鵬の全勝優勝で終りました。何と41回目の優勝です。この結果をどうみたら良いのでしょうか。かつては10回も優勝したら、大力士でしたが、41回ですよ。
愚考するに、白鵬時代にはライバルがいないということではないでしょうか。ライバルと言えば栃錦と若乃花、大鵬には柏戸、輪島には北の湖、若貴時代、いつもライバルがいて連続優勝が難しい時代でした。
プロ野球でも巨人が圧倒的に強かったのでドラフト制度が誕生しました。この制度のお陰で毎年の優勝がバラけるようになりました。そんな中で広島カープがセ・リーグ3連覇したのは凄いことです。
どんな世界でもライバル関係があればそのジャンルが光り輝くものです。一人天下よりも両雄並び立つほうが人気が出ますね。

詞、詩

2018-09-26 23:57:44 | Weblog
歌謡曲全盛の頃と今の違いは、一言で言えば幅の広さの違いと言えましょう。つまり今の作品の多くは「金太郎あめ」のように、似ているのです。その昔は、日本人の生活そのものが、全部テーマになったのです。つまり、歌謡曲の中にその時代がすべて含まれているのです。
さて、今日のタイトルの「詞」「詩」ですが、詞は歌う為の言葉、詩は読む為の言葉と区別するべきです。歌謡曲の場合は作詞、作曲○○ と書くべきです。藤田まさと先生の言葉が耳に残っています。『詞は100万人の為に作ろうとしてもダメで、たった一人の悩みや哀しみを書く、その詞を100万人が耳を傾ける』と話しています。ですから、我々インタビュアーは、メロディーよりも詞の中から話題を拾い上げて、歌手の皆さんに話を聞きます。ここにも時代を読むことが必要ですね。

ハングリー精神

2018-09-25 21:36:21 | Weblog
昔と今。いつの世も対比されます。たまたまテレビで女子バレーボールの全日本監督、中田久美さんのここまでの人生を取り上げていました。選手から監督、この人生の中で大きく変わったのは指導方法です。指導を受ける立場にあった頃は、頭ごなしに怒鳴られることもままありました。しかし現在は、そんな叱り方をした場合、選手の全人格を否定したととられ、まさにパワハラとなりアウトです。それだけ監督やコーチは理論武装をして選手に臨まなくてはならないのです。
一方、選手側の昔と今。昔と比べて日本はひたむきさとハングリー精神が失われたような気がしてなりません。試合に向かう選手達の表情に、どこか柔和なものが交じっているようです。この時代をショートレンジの時代と表現します。今はちょっとやってみて結果が出ないとすぐにあきらめてしまうからです。
言葉はともかく、あきらめない気持ちを持続する力を子供のころに植え付けたいですね。

タイムマシン

2018-09-24 22:49:16 | Weblog
思わずタイムマシンに乗ってあの頃に戻りたくなるときがあります。それはドラゴンズの野球中継をテレビで見ている時のことです。つまり落合監督の強かったドラゴンズ時代に戻りたいということです。
野球解説者が現在の広島カープの強さを称賛するのと同じように、ドラゴンズ野球を讃えたものでした。逆転の広島というのと違って、所謂守りの鉄壁さが取り上げられたもので、前半リードすれば、なんとか勝ちに繋げることが出来たのです。
そうした過去に戻ることは出来ませんが、人間はタイムマシンに乗るとなると必ず過去に戻りたい気持ちになるものです。何故ならば苦しいこと、悲しいことは忘れて良いことだけが思い出されるからです。だからタイムマシンに乗って未来の優勝シーンを見るべきですかね。

駄馬?駿馬?

2018-09-23 20:48:03 | Weblog
今日のお休みの主なメニューは?アウトドアでしたか?それとも部屋で読書でしたか?「読書の秋」ですから、読書三昧の一日でしょうか。
かつて私も読書にはまったこともありました。それも中国の有名な歴史小説「三國志」は何度も読みましたね。「魏」「呉」「蜀」の三国があるわけですが、私は「蜀」の劉備が好きでした。例の「三顧之礼」で諸葛孔明を迎えた有名な国王です。魏の曹操も英雄です。
その曹操の『老いたる駿馬はうまやに伏すも志は千里の彼方にあり』という有名な言葉があります。この言葉は大好きです。決して若い頃駿馬ではありませんしたが、たとえ駄馬であっても、今も志は未来に向けて頑張るという気力を呼び起こす言葉として大切にしていきたいと思っています。

記憶

2018-09-22 19:07:32 | Weblog
今日は、自分に驚きました。明日の歌謡番組の準備で「王将」を歌った「村田英雄」さんを思い出すのに苦労したのです。ビデオドラマで村田正夫という名前を見たせいで、英雄さんまで行きつかなくなってしまったのです。年なんでしょうか。
最近誰かに聞いたのですが、記憶というのは自分で思っているほど万全ではありません。人間は覚えたことをわずか30分で40%も忘れてしまうということです。さらに時間とともにどんどん風化していきます。24時間後には66%、3日後には75%、そして30日後には80%が消えてしまうそうです。
こうした状態を少しでも打破する為には、身近にメモを用意するとよいですね。もちろん日常でも持ち歩くと効果的です。その日の最後のルーティンにメモを見て、しっかりと検討すると脳の活性化に役立ちます。

中秋名月

2018-09-21 23:55:03 | Weblog
「月月に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」
今年の中秋名月の名月は24日です。見えても見えなくても話題になります。満月は年に約12回ありますが、何故秋の月が名月なのでしょうか。
お月見という言葉がありますが、言葉通りお月様を見るわけです。鑑賞するわけですね。しかし昔は秋の収穫を祝う行事でした。月は古代から「万物を平等に照らす」と崇拝され、農作物の豊作の源泉と考えられてきたのです。それに秋はいちばん空気が澄んでいたので、晴れている日は空がきれいに見渡せたのです。このお月見には里芋を供えることから「芋名月」という異名もあります。
24日は秋の長雨の時期と一致しているので、雲に隠れてしまうことが多くあります。ただ日本人はもともと風流をたしなむといわれています。雲中の月を「中秋無月」、雨が降れば「雨名月」といって楽しむことが出来ますからね。