フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

シバザクラ

2012-05-31 23:43:22 | Weblog
大自然の中でのんびり自分らしく生活したいと田舎暮らしを考えている団塊の世代の人が増えているそうです。しかし私などは引越しという大きな壁に圧倒されていますから、そんなことは思ったこともありませんでした。しかし先日の新聞に報道されたシバザクラの写真と記事には、ああ田舎暮らしもいいかなと思いましたね。それほどその景色が素晴らしく写っていました。
シバザクラは別名、花詰草でサクラに似ているところからシバザクラと言われます。芝生がわりに植えられる植物で乾燥に強い常緑樹です。北海道の羅臼町、滝上街、大空町などがシバザクラで有名でちょうど今頃鮮やかなピンクに白、紫の花を咲かせています。
シバザクラの花言葉は一筋、燃える恋、合意、忍耐、臆病な心、華やかな姿など多くあります。私はいつも思うのですが、出来たら花言葉は一つにして欲しいですね。例えば、シバザクラにしても、臆病な心と華やかな姿ではなかなか共通の部分が見出だせません。また黄色のバラには献身という意味もあれば、別れよう、不貞などの花言葉の意味があるようです。花言葉で思いを伝える場合バラバラではねぇ。だからバラですか(笑)。

五月の風

2012-05-30 22:52:47 | Weblog
五月の風には、薫風という名前の風があります。新緑の頃、そよそよと吹いてくる爽やかな薫るような風をいいます。また、青嵐という風もあります。5~7月、木に青葉のしげる頃に吹く南風をいいます。
ところが最近の空模様は信じられないほどの荒れようです。情緒のかけらも感じられないお天気が顔を覗かせています。そんな中で今日の天気予報のお姉さんがとても情緒あふれる表現を使っていて感心しました。それはこんな表現でした。
『五月も残り少なくなりました。この時期になると木々の緑も濃くなり、葉も大きくなります。五月の始め頃吹いていた風はまさに風薫る風、しかしこの頃は大きくなった葉が風によってザワザワ騒ぐようになります。ですから、風、語ると言えます。』こうした素敵な紹介には、身体が震えるほどうれしくなります。オリジナルの表現ならば何と文才があるのでしょう。うらやましい限りです。こうした自然の観察が出来るのも生活に余裕があるからでしょうね。
いいお天気に今日は恵まれましたが、そんな日の昼休みには公園のベンチでボーッとしていると風が貴方に語りかけてくれるかも知れませんよ。

わかりやすい日本語

2012-05-29 23:23:03 | Weblog
文部科学省の専門家委員会から福島第一原発事故を巡り、政府が国民に向けて使った用語がわかりにくいと指摘しました。例えば「避難勧告」と「避難指示」はどう違うのか国民にちゃんと理解されていないというものです。
国会の委員会でのやり取りを聞いていて、確かにわかりにくい言葉が多く出て来ますね。もっというならば、議員さんの深層心理に難しく表現したほうが偉く見えるというのがあるのではないでしょうか(笑)。そんなことよりわかりやすい表現を使ったほうが発信力が強くなると思うのですが。
ところで国会は立法府ですから、法律を成立させるのが仕事です。法律用語が数多く登場するのは当然です。その中で気になるのが「施行」という言葉です。国会ではすべての議員が「せこう」と読んでいます。「せこう」というのは「施工」のことで建築用語だと思うのです。ですから「しこう」と読まなければと我々アナウンサーは勉強して来ました。しかしよく調べてみると、あえて「せこう」と読むのは、政界用語なんですね。つまり法律を「執行」するという「しっこう」と区別する為なんですって。長年の胸のつかえが取れたお話です。

涙雨

2012-05-28 23:12:26 | Weblog
日本の三大仇討ちといえば、曾我物語の曾我兄弟、荒木又右衛門の鍵屋の辻の決闘、そしてご存知忠臣蔵です。その一つの曾我十郎、五郎の兄弟が父の仇を打ち、亡くなったのが1193年6月28日ということで、新暦5月28日に菩提寺の城前寺がある小田原で曾我の傘焼きが行われるのです。番がさを集めての傘焼きの行事は、二人が父の仇を打つ際に傘を燃やして松明にした故事に因んで行われるのです。
ところで曾我兄弟の仇討ちといえば、もうひとつ故事があります。それは「虎が雨」です。旧暦の6月28日や新暦の5月28日、この日によく雨が降ったのですが、その雨を誰いうとなく「虎が雨」と呼ぶようになったのです。兄の十郎の恋人の虎御前が、5月28日に十郎が討たれた為に流した涙がその日の雨になったと言うものです。曾我の涙雨とも言うそうです。従ってこの日には日照りに備えてあらかじめ雨乞いを行い、五穀豊饒を願う行事もあるのです。
雨乞いと言う行事があると聞くといつも気になることがあります。それはその行事に参加する人達が雨具を持参するかどうかです。雨乞いを信じて雨具を持ってくる人は素晴らしい(笑)。

歩く、歩く

2012-05-27 23:40:34 | Weblog
興味深い県民ランキングがありました。肥満の多い都道府県の第1位は沖縄だそうです。東京、大阪、愛知など大都市は上位に来ていません。ストレスが溜まって太らないのか、それとも歩く量が多いのでしょうか。
そこで一日の平均歩数の多い県のランキングを見ると1位が兵庫、2位が東京ですから、やはり都会の公共交通機関が整備されていて、歩くことが増えるのでしょうね。一方歩数の少ない県は、鳥取が1位、2位が青森ですから、やはり何処へ行くにも車を利用するということでしょう。
歩数が少ないとされる鳥取県はこの汚名を返上しようと携帯電話を利用して散歩を楽しめるシステムを開発したそうです。このシステム「とりっぽ」と名付けられています。携帯電話でウォーキングコースを検索でき、またGPSを利用して歩いた距離が携帯電話に表示されると同時に自動的に記録されます。私も万歩計を着けている毎日ですが、ささいなことですが、記録することは面倒ですから自動的というのはいいですね。その記録で年間上位に入ると県から記念品や認定証が貰えるそうです。
歩かない県民から歩く県民へと変身を遂げるのも直ぐですね。

あちらを立てれば

2012-05-26 23:56:45 | Weblog
アメリカのフロリダ州マイアミのレストランでは、客寄せの為にパンダならぬキリンやシマウマを集めています。子供客は大喜びでレストランは大繁盛。ところがこのレストランの為に周辺では交通渋滞が起きていて近所からは苦情も数多く届いているそうです。両方上手く行くことはどんなことでも難しいもので「2兎追うものは」という言葉になるのでしょう。
我が国の総理の野田首相も丁度そんな状況に置かれているのではないでしょうか。間もなく予定されている民主党の小沢元代表との会談で、小沢さんを取るか野党の言い分に耳を傾けるか、まさにあちらを立てればの状況です。この状況が続けばますます決められない政治となり、アメリカの新聞が取り上げた橋下市長の人気の源になって行くでしょう。
「情に棹させば流される」という日本独特の精神構造があります。これを捨ててスパッと決める決断が今、問われているのではないですかねぇ。信念の政治はある種、情を捨ててかからないと信念を通すことが出来なくなります。ですから、あちらこちらを見渡すのではなく、自分を見つめて決断して下さい。

気負う

2012-05-25 13:36:30 | Weblog
ドラゴンズの山崎選手が楽天との交流戦で存在感を示しましたね。DHで打席に立ちましたが、結果は8-1というものでした。是非今年の初ホームランをKスタ宮城で打ちたいと常々語っていましたが、その夢は叶いませんでした。それは次回のナゴヤドームでの楽天戦でもいいですが、何より驚いたのは、山崎選手の存在感の凄さでした。場内アナウンスで名前を告げられると、ドラゴンズ側のスタンドはもちろん、楽天側のスタンドからも、物凄い拍手と声援です。楽天の選手を含めて全選手のなかでも一番大きい声援でした。この光景を見て、山崎選手が楽天時代に宮城の人達にとってどんな存在だったかわかります。時には他チームに移ったときにブーイングが起こることさえありますもんね。
こうした歓迎ぶりにやはり山崎選手も人の子。気負ったのでしょう。気負うというのは、張り切る、意気込むという意味で負けるという意味ではありません。張り切って力を入れすぎて結果が出ないことがあります。こうした歓迎の舞台で力が入り過ぎるのは当たり前ですから、こんどはシーズンを通しての活躍で声援に応えてほしいですね。

古稀

2012-05-24 23:33:18 | Weblog
唐の詩人の杜甫が「人生七十古来稀なり」と詠んだことから、70才を古稀と表現して誕生日に祝うようになりました。織田信長で有名になった幸若舞の『敦盛』の一節「人間50年」の時代からすれば70才は古来稀れでしょう。こんなエピソードがあります。1939年に相撲の双葉山が69連勝で終わったときに、ラジオの実況アナウンサーが「やはり70は古来稀なり」と実況しました。まさに名言でした。
ところで今日5月24日は政治家、小沢一郎氏の誕生日で満年齢ですが丁度70才になります。国会が遅々として進まないのは、民主党内での執行部と小沢元代表を支持するグループの政策を巡る確執が陰を落としています。野田総理と小沢元代表との会談がセットされたようですが、会談結果は決裂も予想され、楽観は許されませんね。
その小沢元代表ですが、古来稀な政治家でしょうか。豪腕、辣腕と称されて来た政治家には間違いありませんが、どこか壊し屋というイメージも着いてまわります。あのリーダーシップは今の政治家には見当たらないものがあります。そのリーダーシップを日本を前に進める為に活かされたなら、後世の人達に古来稀な政治家と評せられるかも知れませんね。

上を向く

2012-05-23 19:02:22 | Weblog
このところ金環日食や東京スカイツリーと、上を向くことが多いですね。この上を向くことは、心も上を向くことに役立ちそうです。かつて災害を含め、災難に遭った際に坂本九さんの「上を向いて歩こう」を歌って不幸を乗り切った事例がよく見られましたね。上を向くつまりプラス思考になろうと教えてくれています。
ところでこの上を向いて残念だと思ったのが、昨日の中日ドラゴンズです。ベンチの中で雨空を、上を見上げながら、あ~あと嘆いていた中止でしたね。ドラゴンズはリードしていたわけですから(笑)。野球を見ていると、そのほか上を見ることが残念の極みだというシーンがよくみられます。絶好のチャンスでいい当たりを見せたにも関わらず野手に好捕された時、一塁付近で打者は必ず上を向いてがっかりしています。残念の表現に上を向くことがあるのです。
まあこうした世界があるんですが、やはり上を向いて歩くことは前向きな姿勢を取ることにつながります。下を向いてしまうと自分が負けてしまったことを吐露しているように見えますからね。毎日、休憩時間に実際に上を見上げることをお勧めします。

墨田と隅田

2012-05-22 23:00:26 | Weblog
昨日は金環日食が話題をさらい、今日は東京スカイツリーのオープンが話題の中心になっています。東京スカイツリーは墨田区にあります。そして近くを流れる川は隅田川です。
墨田区と隅田川を見て、気づきませんか?同じ「すみだ」と読んでも漢字が違いますね。何故なんでしょうね。墨田区のホームページによると、隅田川の堤を墨堤というところから墨田区となったようです。
墨堤の桜や両国の花火などでも日本でも有名な隅田川ですが、伊勢物語の在原業平の東下りにはこの隅田川は「角田川」と記載されています。こうした話題を取り上げると歴史のロマンを感じますね。歴史大好きな人間にとっては地域の名前の由来を調べると楽しいですね。
過去を振り返ってみると便利さを追求する余り、由来のある名前の表記を削って来たことがあります。名古屋にもそんな地域があります。それを復活させようという動きがあります。そこへいくと学生時代過ごした京都では土地の名前を大切にしていると感じられます。とかく歴史観の欠如が取り沙汰されている昨今、歴史を学ぶ上にもこうした身近にある歴史を学ぶ必要がありますね。