フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

蟹の季節

2012-11-30 18:06:36 | Weblog
カニの美味しい季節がやって来ましたね。ズワイ、タラバ、花咲、毛ガニといろいろありますが、冬の日本海での味覚はやはりズワイです。このカニは地方によって名前が変わりますね。鳥取や島根の両県では松葉ガニで、福井県では越前ガニです。カニのすべてが好きな私は、これを食する時は本当に無口になってしまいます(笑)。かつてラジオ局から北海道、カニ食べ放題ツアーに添乗したことがありますが、パーティー会場でこんな静かなパーティーは見たことがないくらいでした。
ところでこの時期、正月用に食べ物を調達に出かける人も徐々に増えてきます。もう少したつとデパートの食品売り場は足の踏み場もないほど込んで来ます。そんな時に人とすれ違う際にちゃんとカニになっていますか?思いやりの江戸仕草には「蟹歩き」が入っています。当時の江戸は、町衆の住む地域は非常に狭いので人がすれ違うにも肩をぶつけてしまうことがあります。そこで、すれ違う際にはどちらかが横歩きをして相手が通りやすくしてあげます。これを蟹歩きと言って思いやりの仕草の一つとされたのです。
こちらの精神は蟹の旬の時期だけではなく一年中活かしていきたいですね。

こけら落とし

2012-11-29 23:58:19 | Weblog
今日も昨日に続いてお芝居や歌謡ショーなどの興行のお話です。こけら落としのこけらとはという話ですが、まず工事の話から。トンネル工事では、あともうひと掘りで開通というところで一旦工事をやめます。なぜならしかるべき人が開通式を行うからです。その人が最後の壁を爆破して開通を祝うのです。新しい鉄橋の工事でも開通式でしかるべき人が最後のボルトを締めるのです。
さて、劇場のこけら落としですが、新築劇場の初興行がこけら落としと言われていますが、もともとは昔、家を建てる時の儀式でした。こけらというのはカンナ屑のことで、完成間際に屋根にカンナ屑を残しておいてそれを落とすことで完成としたからです。
芸能人にとってこけら落としの舞台を踏めるのは、最高の栄誉でしょう。緞帳が上がったとたんに万雷の拍手を受ける。気持ちがいいでしょうね。ところが何回も大劇場で座長公演を勤めた人に聞くと、いまだに緞帳が上がって客席を見ると観客が誰もいない夢を見るそうです(笑)。わかりますね。
ですから先日もありましたが、初日が既に貸し切りなんだそうで、その歌手は嬉しそうでしたよ。

なるほどなあ

2012-11-28 22:42:36 | Weblog
また今日一つ、新しい知識を得ました。古都に年の瀬の訪れを告げる南座の歌舞伎公演「吉例顔見世興行」はこの30日から始まりますが、大入りを願う役者の看板を掲げる「まねきあげ」がつい最近行われました。看板に書かれる文字は「勘亭流」といわれ、独特の丸みを帯びた文字です。併せて看板一杯に書くことも特徴です。
ところで勉強したというのは、何故、板一杯に書くかがわかったことです。それは一杯に書くことで客席が埋まるようにとの願いを込めているというものです。相撲の番付表や寄席に使われる文字も同じ意味があるのでしょう。
日本の伝統芸の中からこのように今でも使われることが数多くありますね。芸能界の挨拶は、朝でも昼でも「おはようございます」ですが、これも江戸時代の歌舞伎の世界から伝えられています。当時は夜の興行もありましたが役者の世界では、一期一会の精神で今日最初にあったときは、誠心誠意心を込めた挨拶をしようと、一番丁寧な「ございます」という言葉を使うためには、おはようしかないと夜でも「おはようございます」を使うよ
うになったそうです。良いことはやはり後世に伝えたいですね。

笑う?

2012-11-27 21:44:32 | Weblog
今日も冬型の気圧配置で北風が強かったですね。朝、出勤時にこの北風に向かって歩いている人は一様に顔をしかめて歩いていました。もともと日本の男性は武士の生き方に影響を受けているのか「三年片頬」という言葉のように笑わないですから余計に寒いと顔をしかめるのでしょうね。
「三年片頬」というのは、三年に一度、しかも片頬がゆるむ程度にしか笑わないという武士の在り方を説いている言葉です。しかしこの言葉を忠実に守っていては、どうも長生き出来ないようですよ(笑)。というのも、笑う、泣く、しゃべるなどの行動はすべて自律神経の副好感神経と深い関係があり、この神経がリラックスに繋がっていますから、感情表現を豊かにすることで溜まったストレスが外に吐き出され、体内が浄化されていきます。ですから笑うことが、極端にいえば長寿につながるんですね。
そこでこの冬、寒くても更に寒い「おやじギャグ」で頑張ってみたらいかがでしょう。意外と若者達とコミュニケーションがこのギャグで上手くいくことが多いですよ。「老婆は一日にしてならず」ってわかりますか?

幸せの場面

2012-11-26 21:27:19 | Weblog
就活のハウツー本がやはり人気だと聞きました。一つの面接でも就活者は相当なストレスが溜まるそうです。思い出します。若い頃、青雲の志しを持って、いろいろな放送局のアナウンサー試験に臨んだことを。なかなか内定が貰えないイライラ感があったことも覚えています。
ところでこのようにストレスがたまり、イライラしがちな現代社会をうまく乗り切るにはという問いに応えてくれる記事がありました。それには「頭の中でのリラックス法」が大切だというものです。このテクニックは日頃から幸せな場面をいくつか用意して置くことだそうです。作りあげる場面は、小説や映画の中の幸せなシーンの主人公を自分にしておきます。もちろん実体験の幸せな場面も更にいいですね。こうしてストックしておいた場面を時と場合に応じて何回も味わうのです。そうするとストレスが溶けていくような感じを味わえますよ。特に寝る前にその場面に入り込むと寝付きがよくなるのは、私自身も体験済みです。
もう一つこの方法の良いところは、例え空想であっても潜在意識を刺激して現実なものになる可能性すらあるのです。
さあ、今日から宝くじの夢でも見ますかね。

過去に学ぶ

2012-11-25 21:16:12 | Weblog
サッカーJ1を初制覇した広島の監督は、なんと監督として1年目の生え抜きの森保一さんでした。他のクラブでも監督経験のない、まさに初監督で初優勝です。野球の日本ハムの栗山監督もそうでした。この森保監督は経験の少なさを補う為にしたことは、現役時代から毎日書いていたサッカー日記を読み返したそうです。ドーハの悲劇も味わっている森保監督は日記の中から練習内容を組み立てていったそうです。この日記の中にはオフト元日本代表監督の楽しく厳しく」もあったそうです。
経験を書き留めることは、こうした初体験にも良い道筋を付けてくれるものですね。いくら聞いて知っていると思い込んでいてもどこかで必ず記憶が欠落しています。ましてや系統だてて覚えていることはないだけに、やはり組み立てる際には齟齬が出てしまうものです。それとは別に、森保監督が毎日欠かさず日記を付けていたという行為に対するご褒美かも知れません。毎日となると大変な集中力が必要になって来ます。それがほんの一行のことでもですよ。
私も毎日、こうしてエッセイらしきも
のを書いていますが、まだご褒美は残念ながら届かないのは、人徳がないのでしょうね(笑)。

その気になる?

2012-11-24 21:07:28 | Weblog
新聞を読んでいると面白い記事に出会いますね。東京商工リサーチが実施した全国企業の社長の出身地に関する調査です。社長数と人口を対比した「輩出率」で、トップが山形県、その後徳島県、香川県、秋田県の順となっています。東北と四国が上位になっています。こうしたデータを見ると面白い現象が起きますね。もし自分が山形県出身だとすると、もう自分も社長になれるような気になってしまいます。同じように宝くじの高額当選者のデータでも、当たりの多いイニシャルに該当すると次回は自分が当たると思えるようになりますね(笑)。
これは一つの錯覚でもあります。血液型占い、星座占い、誕生月占い、干支占いもすべてこうした錯覚を利用したものではないでしょうか。ですから、毎日、今日の運勢をチェックしていても、悪い運勢をすっかり忘れて良いことだけ今日の記憶にとどめておくといったポジティブな考え方が出来る人は、最高にデータ活用の達人でもあるのです。
この新聞の今日の運勢は「無相を悟って大吉」とありますから、いい一日だとそれだけを信じます(笑)。

詭弁

2012-11-23 21:50:48 | Weblog
今日は勤労感謝の日の日です。「勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝しあう日」がこの日の意味です。この祝日をゆっくりと休日として楽しんだ人も多いでしょうが、中にはあちこち、といっても自分の地盤ですが、走り回ったのが、今度の衆議院選挙に立候補予定の人達でしょう。テレビにゲストとして呼ばれることがほとんどない若手(歳をとっていても当選回数が少ないと若手のようです)は自分の足で支援を勝ち取らなければなりません。
ところでテレビで持論を述べる大物達は、その立場からか、まあ詭弁が多いですよね。離合集散が多かったせいか、今回の選挙に登録される政党数は14を数えています。その間の経緯を見てみると、政党同士の合流が行われた中で、本当に政策を刷り合わせたのかと疑うこともたびたびありました。そのことを質問されるとまあ、本当に次々と詭弁が登場して来ます。
詭弁を辞書で調べると一見正しそうに見えるが実は成り立たない議論とあります。一見、正しいと見えるところを弁論術によって詭弁に構築してしまいます。
それを見抜くかが問われる政党乱立なんです。

座右の銘

2012-11-22 21:41:25 | Weblog
イギリスのロンドンで小型の車BMWに28人もの女性が同時に乗り込んで、これがギネス世界記録に登録されました。よほど身体の柔らかい女性だったのでしょう。その前の記録も同じメンバー27人だったそうです。座席だけではなく、ダッシュボードや足元の隙間にも身体を潜り込ませたそうです。右とか左、関係なく詰め込んだわけですね。
右といえば、間もなく総選挙が告示されると候補者のポスターが氾濫します。候補者のプロフィールには、大抵の候補者は座右の銘などを記載しています。素朴な疑問ですが何故、右なんでしょう。座右というのは、文字通り座席の右です。これが転じて「かたわら」「身近なところ」となったわけです。そこからいつも自分の側に記しておいて日常のいましめとするのが、座右の銘なんですね。
言葉を伝えた中国では常に右が上位です。左は「左遷」という言葉があるように良くない側なんですね。英語でもRIGHTが右ですが、正しいという意味があるくらいですから、おそらく右が上位な国だと思います。
さあ本当に各候補者が座右の銘通りだとすると日本は素晴らしい国になると思うのですがね。

アメリカの悲劇

2012-11-21 21:24:26 | Weblog
アメリカのフロリダ州の射撃場で、なんと客同士がゴム製の銃弾を使って撃ち合っているそうです。オーナーの意向は他人から攻撃を受けた場合に備えて、戦術的な動き方を学習しておかなければいけないというものです。ゴム弾でも結構痛いそうです。まあしかしまさに銃社会のアメリカですね。
今年もアメリカ社会では、相変わらず銃乱射事件が多く発生しました。沢山の犠牲者が出たにもかかわらず、いっこうに銃社会をなんとかしようという動きは出て来ません。自分のことは自分で守るという建国の精神(?)が根強いのでしょうか。
日本は今、総選挙に向けて、各党がマニフェストなどを作製中です。脱原発などが争点の中心だと思うのですが、世論調査などではそれほどこの問題が争点として注目されていないようです。これと同じように、先のアメリカの大統領選挙の際には、民主党、共和党ともに、銃規制のことは全く話題にならないし、争点にもなりませんでした。私はこれがアメリカの悲劇だと思うのです。一般国民が銃を所持することでどれだけ犯罪が防げているのでしょうか。ビックリするようなデータが出ない限り、納得出来ないですよね。