フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

鷲人間

2018-11-30 23:33:21 | Weblog
かつて担当していた番組のコメンテーターの弁護士から「恐怖の鷲人間」という話を聞いたことがあります。どういうことかと言うと、仕事を終了した男が定年退職したあとのことです。つまり亭主が仕事をしている時は地域の付き合いは殆んど奥さんまかせ、それだけに退職後でもご近所の付き合いはなかなか出来ません。旦那は出掛けるところがありません。ですから奥さんが出掛ける時に「わしも連れてってくれ」「わしも、わしも」となることを恐怖の鷲人間というわけです。
退職が近い人は覚えておかなくてはなりません。昨今の災害では、思わぬ避難生活を強いられることが多くあります。そんな時に「共助」の精神が必要です。いま、都会生活では「両隣の御主人の顔がやっとわかるぐらい」です。鷲が一人歩き出来るようにご近所付き合いを大切にしたいですね。

成功体験

2018-11-29 23:54:34 | Weblog
私もそう思われているのでしょうか。年をとると過去のことばかり話して自分の自慢話をとうとう語る。「また、やってる!」って陰口をされているかも。とかく年寄りは、未来のことよりも過去のことの方が目に入るのでしょう。
私はこう思うのです。成功体験はともすれば実態より大きく輝かしい思い出として残り、失敗の記憶は時間の経過とともに風化していくのが常だからです。自分の過去はすべて美化されることが多いのです。ですから自分は美しい人生を歩いてきたので、その人生をどうしても後輩に対して語りたくなるのです。夢をもう一度と、昔話の中に自分が若かりし頃からの人生をなぞっているのです。
そう思えば敬老精神を発揮して、その人の人生を寄り添ってあげるのも良いでしょう。

親子

2018-11-28 23:48:35 | Weblog
あいも変わらぬ一年といえるでしょうか。パワハラの頻度が増えたと同時に、子供に対するいじめは、また今年もかという一年になりました。
ところで、いじめといえば毎年のように指摘されるのは、親子関係の希薄さです。というのも子供がいじめたことを知ってる保護者が少ないことはもちろん、被害を受けた子供の保護者も気付かないという親子の希薄さが浮き彫りになっています。その背景には、いじめられた児童、生徒が相談するのは家族に対しては少なく、友達か誰にも相談しなかったからでしょう。専門家は「子供が親に話しづらいのは当然で、親の方からくみ取る努力が必要」と話しています。つまり「こたつ」の出番です。
最近は自宅がホテル化していて家族が揃うことが少ないのです。だからこたつの居間を作ることです。

昆虫

2018-11-27 23:57:47 | Weblog
今年の夏は暑すぎて、蚊の活躍が少なかったと盛んに報道されました。
「天気俚諺」という言葉があります。自然現象と天気の結び付けるものです。その中でも動物や昆虫ものは多いです。代表的なものには「つばめが低く飛ぶと雨が降る」があります。「ヘビやカエルが地中深く冬眠すると寒い冬になる」とか「カマキリが低いところへ産卵すると雪は少ない」というものがあります。こうした俚諺が誕生したのも小さな虫たちが厳しい自然を生きていくためには、人間には分からない能力や知恵があるのでしょう。
しかし、最近は、夏休みの「昆虫採集」が殆んどなくなったように、昆虫達との付き合いは少なくなりました。昔のように自然観察をしっかりする時代に戻ることも災害対策に繋がるかも知れませんね。

満面の笑み

2018-11-26 23:59:24 | Weblog
今年の大相撲も小結貴景勝の初優勝で幕を閉じました。今朝の新聞で貴景勝の優勝が報じられました。その中で貴景勝が賜杯を持った写真も掲載されましたが笑みがない写真でした。場所前の出来事の影響もあったかも知れませんが、前親方の姿勢を貫いたかも知れませんね。それでも優勝パレードでは笑顔を見せて喜びを表していました。
笑顔といえば、スポーツ選手は恵まれているなあとつくづく思います。各スポーツで全力を出しきった際のあの晴れやかな笑顔は我々の普段の生活にはあまり見られません。また、その笑顔は個人だけの笑顔ではありません。その笑顔を見ているだけで幸せな気持ちになります。
ですから、人気のある野球やサッカーの地元のチームが優勝して、選手全員の沢山の笑顔を見せてくれるのは、ファンすべての喜びなんです。

寒がり、暑がり

2018-11-24 23:21:13 | Weblog
人の心は揺れています。ある調査によると、冬の初めと、初夏に「あなたは寒さに強いですか?それとも暑さに強いですか?」というアンケートで、初冬には「暑さに強い」との答えが多く、逆に初夏には「寒さに強い」との人が多くなっています。それは人の性格の特徴のひとつで、人は直面している季節より、過ぎ去った思い出のほうがよくみえるのです。人を未来型にするよりも過去を振り返ることが多いのはそのせいかも知れません。
さて、とは言っても今年の猛暑は振り返ることさえ嫌になる暑さでした。本来的な寒がりの私、普段なら嫌だなあと思うのに、そんな心配はあまりしない程の暑さ嫌いを植え付けました。それにしても夏も冬も平年並みという平穏な年が少なくなりましたねぇ。

継続

2018-11-23 23:51:36 | Weblog
ありふれた言葉です。「継続は力なり」。おそらく大勢の人が「座右の銘」にしている言葉のひとつでしょう。逆に言えば継続することは本当に難しいことなんですね。しかし日常生活の中では意識せず継続していることはありますね。その代表的なことが「歯磨き」です。まさに習慣にしているのです。特に努力することなく習慣になったのです。
我々が何かを目指す為の目標は継続することを見付けることです。歯磨きと同じように習慣にしてしまうことが、一番の近道ですかね。目標、手段の継続です。そして結果が出ても継続し続けることです。
ただ注意することがあります。それは目標の設定をつめ込み過ぎないことが大切ですよ。私はある程度歳を重ねましたから、新たな目標はありませんが継続していることは忘れないようにしたいですね。

何思う!

2018-11-22 23:56:24 | Weblog
秋になると直ぐに「隣りは何をする人ぞ」という句が色んなところで使われます。しかし今日のエッセイはお隣のことではありません。自分のことです。
ラジオ番組で話をしていて、ふっと自分はこんなことを考えていたのかと気付くことがあります。そんな馬鹿なって思うかも知れませんが、確かなんです。よく人物評に「この人は芯の強い人だ」とか「全くぶれない人」などという評価が時々聞かれますが、こうしたことが有りうるだけに、全く考えが揺るがないという人生は難しいことですね。ただ基本的な部分ではやはりぶれないことは大切ですがね。
話が飛躍しますが、プロ野球も各チームの監督、コーチが勢揃いしました。選手にとっては大勢のコーチの話を聞く立場になるわけですが、その際に自分に対する首脳陣の考え方がぶれないことが選手を大成させる一番の大きなことだと思うのですが。

多弁?

2018-11-21 20:34:02 | Weblog
話し方の評価にはいろいろあります。まず単純に口数の多いことを「多弁」と言います。やたらに喋りまくることを「饒舌」。話し方が上手で巧みなことを「能弁」と言います。反対に喋ることが苦手な場合は「訥弁」と評価されます。私はアナウンサーですから、訥弁では困ります。私達は番組中に時間的な隙間が出来ることは致命的ですから、多弁になりがちです。
しかしアナウンサーが多弁と評価されることはそれほど嬉しいことではありません。やはり能弁が良いでしょうか。講演会で引き込まれてしまう話し方は「 雄弁」でしょうか。ただ番組で話すことは、パーソナリティとしての話ですから、性格や人柄が滲み出るような話し方になります。
そうした話し方が出来るのは、普段から人とのつきあい方から学ぶことですかね。

天気の漢字

2018-11-20 22:20:18 | Weblog
12月12日は「漢字の日」。京都清水寺で今年の漢字がその日に発表されます。今から皆さんもあれこれ想像されていることでしょう。
この漢字の日の前に、日本気象協会が気象予報士100人に「今年の天気を表す漢字」を聞いて発表されます。昨年は「台風」の台が圧倒的に多かったそうですが、今年も不規則な進路をとる台風が数多かったですね。しかし、台風もそうですが、「熱中症」を引き起こす猛暑も忘れることは出来ませんね。「台」や「暑」それに豪雨の「雨」も候補になりますかね。
こうしてみると今年の漢字と天気を表す漢字と一緒になるかも知れません。パワハラ、セクハラ問題も多くありましたが、こちらは漢字で表現は出来ませんからね。常識はずれの「変」な世の中の変で落ち着きますか?