フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

味付け

2016-02-29 23:24:41 | Weblog
先日知り合いが、あのマドンナさんの料理人を長年務めた人が造った料理を食べたそうです。するとなんとも薄味だったそうです。
日本料理は味付けについてはかなり工夫がされています。本格的な和食の場合は先付け、またはお通しの次に前菜が出されます。これはメーン料理の前にお酒とともに食べるためと食欲増進を目的としているわけです。三種類から多くは七種類くらい盛られてくるのです。どれから食べるか迷うところです。
和食の前菜では、どれから食べるかは決まりはありませんが、一般的には左端から箸をつけるのが良いとされています。何故ならば、左端のものが薄味で右端のものが濃い味というように盛られている場合が多いからです。つまり「味」という点から考えれば薄味のものから濃い味に進めたほうが美味しく味わえます。ただ、左側の次に中央の料理を食べてしまうと皿の上に穴があいてきれいではありません。ですから左側の次は右側、最後に中央が一番よいようです。こうした気遣いが料理を造った人へのマナーでしょう。

ワクワク

2016-02-28 21:03:57 | Weblog
プロ野球はオープン戦もたけなわとなり間もなく開幕します。我がドラゴンズは昨シーズンも下位に甘んじただけに、今シーズンこそとワクワクした気持ちで開幕を待ちわびています。
戦後育ちの我々は、いや、焼け跡派はみんな野球が大好きです。空き地に仲間が集まるとすぐに三角ベースが始まりました。グラブがあるのは捕手と一塁手だけ、それも布製で革は手のひらの部分にだけ縫い付けてありました。そのグラブさえ手に入らない場合は「チーべ」といって、軟かなボールを使って、グラブなしでゲームを楽しんだものです。日が暮れるまで夢中でボールを追ったのです。
校庭では、サッカーはほとんどなく、みんなソフトボールで遊びました。体操の時間でも、よく行われました。スポーツの種類が多様に増えた今は、考えられない傾向でした。それだけ野球のすそのが拡がっていました。
先日発表された日本の総人口が初めて減少しました。今後の野球人口の減少が心配となりますね。

海老

2016-02-27 23:54:59 | Weblog
仕事の会合などで最近は周りが気をつかってくれて、食事のメニューで私が苦手な鳥料理を外してくれるようになりました。一品の場合はその代わりにエビが出て来ることが多いですね。
日本人は世界一大量の魚介類を胃袋に送り込む魚食民族です。中でもエビは大好きです。そうですね、エビとイカの消費量は断然世界一です。昔からエビを吉事に使うほどです。
さてエビの漢字は中国では「蝦(シャ)」と書きますが、日本では「海老」と書きます。つまり日本で生まれた漢字なんでしょう。天ぷら、塩焼き、寿司だねとなんでも似合うのがクルマエビですが、その語源は体を曲げると美しい班紋が放射状を呈して牛車の車輪に見えるからだそうです。結婚式の吉事にエビを出すのは、腰が曲がるまで添い遂げるようにとの意味合いのようですが、実はエビは脱皮するのが遅くて、新鮮度が他に比べたらすごいので、いつまでも新鮮であれという願いから料理に使われるそうですよ。

睡眠

2016-02-26 23:20:58 | Weblog
今日は金曜日、働く一週間の最終日ともなると、地下鉄などの電車内で居眠りをしている人が若干増えると思えるのは気のせいでしょうか。私も名古屋から三重へ通ってた頃はよく居眠りをしたものです。それにしても不思議なのは、眠りたくてもなかなか寝付けないことがあるのに、どうして簡単にストンと眠り落ちてしまうのでしょうか。睡眠中は全く無防備状態なのに、やはり日本の電車は安全だから無警戒に眠るのでしょう。
面白い説があります。日本人が昼間よく居眠りするのは、昔は狭い部屋に家族が雑魚寝していたために夜は熟睡出来ず目がさめやすく、その為に昼夜をわかたず細切れの睡眠をとるようになり、これが日本人の民族的な習い性になったというものです。人がいることで安心して眠気を誘われるのでしょう。アメリカの人にはとても考えられない眠り方だそうです。
これは日本人の快楽の一つと肯定してきた証しではないでしょうか。週末はごゆっくり昼寝をお楽しみ下さい。

噛む

2016-02-25 23:30:06 | Weblog
日本咀嚼学会は「ガムをかみ体を動かす」ことで脳の働きを高めようと言っています。「つゆだく」という牛丼の食べ方や「ハンバーガーをドリンクと一緒に飲み込む」という食べ方は咀嚼足らずの状況を作り出します。モノを噛む作業が大脳機能の活性化やいろんな栄養の吸収促進などに果たす役割は大きいのです。
あるデータでそれぞれの時代の一般的食事を飲み込めるまで噛んだ回数を比べると現代は鎌倉時代の約4分の1だそうです。お米のご飯からパン食、麺食へ。また加工食品やスナック菓子の普及などの現代人の食生活の急速な変化が咀嚼の必要性を減らしているのです。このように咀嚼が人間の健全な生活を営む上で想像以上に重要な役割を果たしていることは間違いありません。普段でもガムをカム習慣を取り入れることは大切です。
ただ、のべつまくなしガムを噛んでいては、マナー違反になることがありますから注意が必要です。子供達には食事を良く噛むように指導するようにしましょう。

会話という味付け

2016-02-24 23:05:32 | Weblog
エアコンの普及で炬燵が減って居間に家族が集まらなくなり、また携帯電話が各自一つずつ持つことが普通になって、自分の部屋にとじ込もってしまうなど、家庭の中では家族がバラバラになってこの冬を過ごしていませんか。その家族を集めるには仕掛けが必要です。
それが食卓での料理です。みんなが寄って来たくなる美味しいにおいのする。そうです。一つのものを囲んで取り分ける料理です。手巻き寿司、寄せ鍋、ホットプレートを使うパエリア、子供が手伝える焼き餃子もいいですね。もちろん食べる人も作り手になれる料理が更にいいです。「美味しい」や「家族の会話が弾む」それにもう一つ「母親が楽を出来る」もあります。
かつて子供がキレる一因に食生活があると専門家が指摘していましたが、食事の際の会話が不足していました。食事をしながら家族の会話が弾むことが心の栄養素でもあるのです。集まらなくてはそれぞれの様子がわかりません。食欲のあるなしだけでも何かがわかります。食卓の会話、大切にしましょう。

参議院議員選挙

2016-02-23 21:35:44 | Weblog
ちょっとおさらいをしておきましょう。「選挙をおこないます。立候補する人は届け出て下さい」とみんなに知らせることを「公示」または「告示」と言います。公示は憲法七条の天皇の名によって示される国会議員の総選挙と参議院議員の半数を選ぶ通常選挙の二つだけに使います。補欠選挙の場合は告示を使います。その補欠選挙が参議院議員選挙の前に行われますね。例の、不倫議員の辞職に伴う選挙などです。
立候補予定者の名前などを見ると、候補者の中には参議院議員からくら替えして立候補する人もいます。参議院よりも衆議院のほうが格が上という意識からでしょうか。衆議院で決めたことを参議院で否決しても衆議院で三分の二の賛成があれば、可決となるわけですから、衆議院上位の意識が芽生えるのでしょうか。こうした衆議院上位の考え方が投票率の低下に結び付いてしまいます。もちろん各政党の人材メニューにも問題ありかもしれません。
つまり当選の可能性だけで候補者を決めているからです。選挙が個人レベルで行われる証さです。この弊害は政党を渡り歩く議員が多く出ることなんですよ。

右脳

2016-02-22 21:15:12 | Weblog
ある発見家の話です。「不のつく言葉から必要なものを発想する」というものです。例えば不安を安心に、不便を便利に。そのために常識で考えるのではなく、常識を考えるのです。つまりこれまでの常識を見つめ直すことだそうです。これも一つの発想の転換です。
人間が頭を使うということは、右脳を使うことが大切ですね。左脳は普通物事を捉える脳で、右脳は創造する脳で相手に対する思いやりが生まれるのも右脳です。人間の愛の定義は相手を好きになることではなく、右脳で相手のことを推し測って、言葉や行動に出せることなんですね。
まあ、普段の生活の中では右脳や左脳の区別はほとんど意識なく生きていますから、意識して相手のことを推し測る訓練を心掛けていくことでしょう。創造と想像との両面作戦をとらなくてはなりません。

鶏鳴狗盗(けいめいくとう)

2016-02-21 23:54:15 | Weblog
一億総括躍社会という言葉が踊っています。この言葉から「鶏鳴狗盗」を思い出します。この故事は『鶏の鳴きまねが上手な者や狗(いぬ)のように盗みが巧みな者を活用する』という適材適所のことです。
古い話ですが、かつてのアナウンサーはなんでも知っている「広く浅く」が主流でした。しかしいつ頃からか、専門的なジャンルが必要とされるようになりました。スポーツアナウンサーはその代表的存在です。スポーツアナウンサーでも更に種目別に分類されています。私のような軟派系のアナウンサーでも、扱う音楽がかなり分類されます。ポップス系、演歌、歌謡曲系、外国の音楽に強いアナウンサーなど、番組のコンセプトが決まるとそれに沿ったアナウンサーが起用されます。残念ながら昭和40年代の演歌、歌謡曲全盛期の頃に比べて、番組の数自体が激減しています。それだけに演歌、歌謡曲を得意分野にしようというアナウンサーが減っているのも実情です。演歌歌謡曲アナウンサーの私は残念な思いがするのと同時に、だか
らこそまだ声が掛かるんだとの、囁きも聞こえます
(笑)。

雨のはだか祭

2016-02-20 23:48:44 | Weblog
今日は天下の奇祭、国府宮のはだか祭です。生憎の雨模様になりました。見物する人々にとっては嫌な雨になりますが、厄落としのはだか男達にはは結構な雨と言えるかもしれません。何故なら、はだか男達が神男を目指してがもみ合う際の摩擦熱はすごいもので、普段は周りから水をかけて摩擦を防ぎます。その時には、その熱で水が水蒸気となって煙りのように立ち上る光景をニュースで良く見ます。今日は水を撒く必要がないかもしれません。私もかつて、このはだか祭を取材したことがありますが、はだか男達の意気込みはこの時期の寒さをものともしない激しさがあります。
さて「鉄鉾会(てっしょうかい)」という組織を知っていますか?この会は歴代、神男を務めた人たちの集まりのいわばOB会です。はだか祭の当日には、この神男を守って、無事に務めを果たすことが出来るようにするんだそうです。1200年以上続く伝統の行事は、こうしたしっかりしたバイプレーヤーの活躍があってのことです。