フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

ボストンバッグ

2008-10-31 20:15:29 | Weblog
すべての神々が出雲大社に集まるので、我々の地域は「神無月」。その神無月も今日限り。おそらく神様達はそれぞれの故郷への帰り仕度の為にボストンバッグの整理に忙しい事でしょう。
今、我が家では物を無くそう運動展開中で、家の中をすっきりとさせようと殆どの物を捨てようと思案しているのですが、男の私の方が思い切りが悪いですね。これも使える、あれも使えると残していたものはこの10年以上、一度も使っていなくて古くなるばかりです。特に始末に悪いのが洋服、型というよりサイズの変化で着る事が出来なくなったものが多く、私などは何とか体型を戻して活用しようとしているのですが・・・。家人からは「出来っこないのに」と後指をさされています。
なかなか整理の為に捨てる事の出来ないものに、上記のボストンバッグがあるのではないでしょうか。田舎からボストンバッグ1つ持って都会に出て生活をされた方などは、我々以上にこのボストンバッグには思い入れが強いでしょう。ボストンバッグを見る度に人生の原点を思い起こすのでしょう。私の友人にも「これ1つを持ってきてねぇ」と見せてくれた人がいます。沢山の夢を詰めて都会に出て来たのです。
このボストンバッグの語源は、ボストンレッドソックスの選手達がボストンの地場産業であったバッグにグラブやボールを入れて遠征に出掛けた事から命名されたようです。やはりこのバッグにもアメリカンドリームが詰まっていたのです。
さて、私のそんな夢の詰まった物は?物というよりいい出逢いでしょうかね。となればやっぱり全ての物が整理できますよね。

閑古鳥

2008-10-30 23:23:06 | Weblog
アメリカ、メジャーリーグのワールドシリーズが終わりました。今回はフィリーズ対レイズの対戦でしたが、田口壮外野手が所属するフィリーズが勝って28年振りの優勝を飾りました。田口選手は一昨年のカ-ジナルスに続いて2度目のチャンピオンリーグを手にいれたわけですね。
ところで今回のこの両チームのシリーズは決して人気のチームの対戦とはいえず、テレビ視聴率も低迷していたそうです。それは特にレイズは過去10年で9回も最下位のチームでしたから・・・。プレーオフに進出できるかもしれないといったゲームでさえ2万人を切り、消化試合のマリナーズの方が観客数が多かったそうです。いわば毎試合毎試合閑古鳥が鳴いていたのですね。ただ、プレーオフに入ってからは4万人以上の観客が入ったそうですから閑古鳥も飛んでいってしまったことでしょう。
この閑古鳥はどんな鳥なんでしょうか。カッコーという説が多くありますが、中国の諌鼓かんこという言葉が興味をひきます。この鼓は君主に対して諌言かんげんしようとするときに打ち鳴らす鼓でめったに慣らす事がないところから閑古鳥という鳥になった説です。
ある歌手は緞帳が上がったら観客が1人もいないという夢を見た事があると話していましたが、人気商売にとって閑古鳥や厄介な鳥です。昨今の景気状況をみていると日本中、いや世界中に閑古鳥が飛んでいる様ですが、閑古鳥は夏の季語。それだけに秋から冬、そして春にかけて閑古鳥が姿を現さない様に経済対策がとられる事を期待しましょう。
それとも解散風に乗って閑古鳥が飛んで来るのかなぁ?

スケート2題

2008-10-29 18:52:24 | Weblog
明日30日に、砂漠に囲まれ夏には40度を超える灼熱の気候のアラブ首長国連邦のドバイに、アイススケートがオープンするそうです。もともとこのドバイは3年前に世界最大といわれる室内スキー場がオープンしています。さすがに中東の金融センターとして急速に発展している国らしい動きをみせています。
一方我が国では静岡県御殿場市の総合リゾート施設に氷の代わりに特殊な樹脂パネル「エクストラアイス」を敷き詰めた野外スケート場をオープンさせました。電気や水を使わないので維持費も従来のスケート場の約1/4。それに1年中OKですからスケートの感覚がにぶりませんね。
高齢化や余暇の増加によってスポーツを楽しむ人が増えているとはいっても、スポーツ先進国に比べるとスポーツ人口が非常に少なくなっています。特に冬のスポーツはその場所へ出掛けるまでにお金もかかり、施設や用具にも多額のお金が必要となればスポーツの裾野をひろげるには難しい問題が横たわっています。
こうした選手の施設があちこちに出来る様になれば低学年からスポーツに馴染むことが出来、おのずと裾野が広がっていくと思うのですが・・・。

古い地図

2008-10-28 19:52:40 | Weblog
以前、なかなかナビゲーションのCDを換えない時期、新しい橋を渡っているとナビでは海の上を走っている標示になっていて笑った事があります。1日1日変化している事を実感しますが、ナビだけではなく地図帳も古い地図帳だと役に立たなくなっています。
時刻表と地図帳は最新のものを手に入れておかなければいけません。国内では平成の大合併で市が誕生したり消えたり、世界ではソ連からロシアに変わったりして新しい国が誕生したりしています。
中にはこうした変化が楽しみという人がいます。私などは古い地図だとわかると捨てようと思うのですが、その人は現在の地図と古い地図を比較して変化を確認するのが好きだといいます。すごい人はすごいと改めて感心するのですが、歴史好きと地理好きに大別できる様な気がします。その点私は歴史好き、どうも地理が余り好きになれないのもこの大別の中にしっかりと組み込まれているのでしょう。
それともうひとつ、空想の世界に浸りきれないのかもしれませんね。暇な時には地図帳を広げて眺めているだけでその地点に立っている自分が想像出来る人もいます。この方は心に翼を持っているのかもしれません。
老後の楽しみにそうした空想を楽しむ方法を学ばなくてはと思う今日この頃です。

ホラ話

2008-10-27 22:09:45 | Weblog
毎日毎日、景気のいい話は全く聞こえて来ませんね。新聞もテレビもラジオも不景気な話ばかりです。こうなるとずい分昔に聞いた落語でも聞いて心を明るくと思い、演目探しをしているのですが思い出せないんです(残念!)。ご隠居さんとのやりとりで大きい事の自慢話を八つぁんや熊さんが競う話だと思うんです(例えば富士山を枕に初夢を見た)。
ところで「ウソは犯罪、ホラは文化」ということで、日本一の大ボラ大会を行っているところがあります。大船渡市で町おこしのイベントでホラふき大賞を選んでいるそうです。何でも会場は笑いの渦だということですが、この笑いが細胞の働きを高める作用があります。今こそ、馬鹿馬鹿しい笑い話が必要な気がするんですよ・・・。
毎日毎日健康食品(サプリメント)を愛用している方が多いのですが、この心のサプリメントとしてこういう提案をしたいと思います。
それは何度見ても絶対笑える映画や落語、漫才を持っている事。寝る前にこの作品を見ればまさに快眠が約束されるような気がしますが、いかがでしょうか。
ですから、この落語の演目を知りたいのですがねぇ。

メディア

2008-10-26 23:42:48 | Weblog
大阪と宮崎の知事と、ある新聞メディアとの対立が報道されています。新聞を情報源の1つとしている私は、こうした報道には多少なりとも困惑してしまいます。確かに取材記者の受け取り方、咀嚼そしゃくの仕方によってニュアンスが変わる事も多々あります。それだけに知事たちは特定された名指しの批判をしたのでしょう。
こうした片寄りを排除する意味でも、時間的、経済的余裕があれば1紙だけでなく2、3紙読み比べる事が、ニュースの本質を理解するには役立つと思います。
かつてアランマンク著の「メディア・ショック」の中で、こう書かれていました。『政治家は虚偽を述べれば追放され、経済人は損失を出せば破産する。だがジャーナリズムはバカな事をいってもいつまでもそこにいる』と。耳の痛い部分もあるかもしれません。やはりいつもこうした批判と隣り合わせにある事を忘れてはいけません。おごりを捨てる、これは人として当然なのですが、特にメディアの中に身を置くものとしては心しなくてはいけません。
「茶をいただくときに茶碗をまわすのは、その動作の中で人間のおごりを悟って、人に感謝する行為である」(子宗室)
記事を書く前に、又マイクの前に立つ前に一服のお茶をいただくというのも案外いいかも知れません。記者会見する立場の人達も一服お茶をいただいた方がいいのはもちろんですが。

寝耳に水

2008-10-25 23:15:48 | Weblog
今年のペナントレースの回顧がティータイムの話の中心になる事が多くなりました。ある巨人ファンが「マジックナンバー2になった翌日、巨人が横浜に敗れた。ちょっと優勝が遠のいたのかなと思った更に翌日、巨人が勝ち阪神が負け。まさに寝耳に水のような優勝」と語っていました。
久しぶりに「寝耳に水」という言葉を耳にしましたが、この格言は「不意の出来事にひどく驚く事」で、その語源は治水が完全でなかった頃は川の水が氾濫して、それが寝ている時であればなおさら驚くというところから来ています。
不意の出来事といえば、就活の面接の時の質問にうろたえるという事をよく聞きます。事前のレクチャー以外の全く想像も出来なかった質問にしどろもどろとなってしまったというものです。質問する側からすれば、少し心を波立たせる質問をする事によってその内面をさらけ出すのを期待してしまいます。
確かに不意の出来事は時には頭が混乱し、今迄見えなかった自分が見える事があります。この際の対処の仕方によって人の奥行が測られるのでしょうね。
さあ、不意の出来事の闇討ちにあわない様に、事前の準備の範囲を拡げる事にしましょうか!

押す

2008-10-24 23:10:34 | Weblog
色んな商売があるものです。1955年(昭和30年)の今日、登場したのが「押し屋」です。東京新宿駅のラッシュ時に、列車の中に乗客を押し込む仕事で、主にアルバイトでまかないましたが「旅客整理係学生班」といったようです。列車の扉に挟まりかかった人を車内に押し込むわけですが、何と押し込むだけでなく、どうしても扉が閉まらない場合にはその乗客を降ろす役割もになっていて、こちらは「はがし屋」といったそうです。もちろん兼任ですよね。
つまり『押しても駄目なら引いてみな』です。この日本独特の職業はアメリカではpushmanと言ったそうです。
この『押しても駄目なら引いてみな』というのは本当でしょうか。例えばですが人生の修羅場では最後のひと押しが成否を決める事が結構あります。もう一歩踏み出す、この決断がにぶって大魚を逸した事が数多くあります。そんな事を思うとき、押す事の大切さをもっと実感しなければなりません。目標をきちんと決めたらゴリ押しをする位が丁度いいと思うのです。「剥し屋」ではありませんが、目標を剥してしまったら行き場を失ってしまいます。
蛇足ではありますが、目標を決めるまでは慎重に慎重に対応していかなければいけないのはもちろんですが・・・。

エスカレーター

2008-10-23 22:23:17 | Weblog
毎日、その時になると不思議に思う事があります。普段は忘れてしまっているのですが。地下鉄のエスカレーターです。名古屋の地下鉄エスカレーターでは平成4年頃から、エスカレーターでは「歩かないで!走らないで!」と大きく書かれているにもかかわらず、殆どの人が右側を空けて一列になって利用しています(関西圏では左側を空ける)。余談ですが、国際法では左を空ける事になっています。ロンドン、パリ、ワシントンなどは左側を空けて、シンガポール、オーストラリアなどは右を空けています。
そうそう、その一列になって利用する為、昔から急ぐ人は空いている側を走って昇っていくわけですが、片側の人とぶつかったりする為に名古屋や横浜では歩かない、走らないというアナウンスや貼り紙がしてあります。まあ殆ど守られていませんが・・・。
単なるアナウンスだけでなく、二列に並んで乗る様に指導したらいいと思うのですがね。バランスも悪いし。右側が空いているのに、左側の列の後の方に並んで待っているおかしな光景が不思議なのです。
その後の方に自分も並んでいるのが尚不思議です。
堂々と右側に乗る勇気がないとは情けない!

リスク

2008-10-22 20:51:54 | Weblog
今日からいよいよセ・リーグのCS第2ステージがはじまります(これを書いている今はまだ結果は出ていません)。去年の同じ相手の第1戦は大方の予想(あのチームの予想さえ)を裏切って小笠原投手が先発して慌てさせました。まさにハイリスク、ハイリターンの起用だったと思います。
このリスクという言葉は危険、損害の恐れと訳されますが、起用した監督自身はハイリターンだけ意識にあってリスクを感じていなかったでしょう。
リスクという言葉で思い出しましたが、WBCの監督問題ですが、なかなか自分から名乗り出る人がいないと聞きました(王さんに推薦された星野さんが有力)。これもオリンピック後のテレビ報道、いやマスメディア全体の首脳陣たたきの風潮にびびってしまい、リスクを取らなくなっているからではないでしょうか。加藤コミッショナーの発言にもあったと思いますが、誰かがリスクを負って前へ進まないとハードルを越える事が出来ません。
昔から美しいバラにはトゲがあると言います。いい果実を手に入れる為にはそんなリスクを乗り越えて手をあげる人が出て来て欲しいですね。慎重であることは大切ですが臆病になっては選手の個性をいかした采配は振れっこありませんからね。
忘れていました。フレーフレードラゴンズ!!