フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

2007-10-31 18:05:49 | Weblog
このところお騒がせなのが食品の安全を脅かすという、特に餅屋さんの製造日偽装事件です。
「餅は餅屋」ということわざがあります。物事にはそれぞれの専門家があり、素人の及ぶところではないという意味です。土用の丑の日にうなぎを食べることを提案した平賀源内がある書物に「さてさて餅は餅屋とやら」と書いています。
この背景には、専門家を大事にするという日本固有の意義があります。ところが餅屋にまかせておいたら大変な事になってしまったのですから何をかいわんやです。
餅は単なる食べ物というよりも、昔から神聖な霊力を持つものとしてあつかわれてきました。特にお正月の鏡餅は、人と神様を仲介するものとされています。
「絵に描いた餅」「棚からぼた餅」などの格言があるのも、餅が大変高価で貴重なものであることを示しています。
「餅に砂糖」という格言は、話がうまく出来すぎていることを表わしています。何だか今度の事件には皮肉な部分もあります。
さてこうした神聖な餅をお伊勢さんの前で商っているわけですから、今度の事件はちょっと神様もしかめっ面をしている事でしょう。
とにかく安全管理をしっかり立て直して、何とか伝統の名産品をもち・・直して欲しいものです。
決して「ええじゃないか」と一般大衆は妥協しませんから。

香り

2007-10-30 23:03:24 | Weblog
10月30日は香りの記念日です。1992年の10月30日「世界の香りフェア in 能登」が開かれたのを記念して作られました。
「香りと匂い」はどう違うのでしょうか。文献を調べてみると色々解答があります。「匂いは悪臭も含まれるが香りはいい匂い」また「悪臭は臭い、良いにおいは匂い、または香り」とまずは2つの説がありました。
ところで最近は人々が匂いに敏感になり、男性でも香水を使用する人が多くなりました。恐らくこれは資生堂の研究所が中高年特有の体臭を加齢臭と名付けた1999年以降増えたのではないかと推測されます。この香水のつけ方も難しいですね。つけすぎるとまわりの人にとっては悪臭になってしまいます。特に慣れてくると本人は感じなくなってしまうのですから。
「香りや匂い」は強烈に記憶に繋がっています。声はテープに残り、容姿は写真などで残りますが、形として香りは残らないだけに記憶に残るのかもしれません。
町ですれ違った人の香水の残り香に、友達を思い出す事があります。同じ匂いに触れた時に鮮やかに情景が浮かんで来る事もあります。
余談ですが、グルメ番組レポーターが料理を紹介するときに「いい香りです」と表現する場面に出会いましたが、やはり料理の場合は「いい匂い」ではないでしょうか。
もう1つ余談ですが、石原裕次郎さんがデビューして間もない頃、「どんな女性がタイプ?」という質問に「石鹸の匂いのする女性」と答えた事がありました。
そして更に余談ですが「危険な香り」の「香り」とはどんな匂いなのでしょうか?やっぱり「雰囲気」ですかね。

シャンパンファイト

2007-10-29 21:53:22 | Weblog
大リーグの今期王者を決めるワールドシリーズでボストンレッドソックスが4連勝でコロラドロッキーズを下し、3年ぶり7回目のワールドチャンピオンになりました。
最後のバッターが三振に倒れた瞬間、テレビでは勝者と敗者の対称的な表情が映し出されました。
そして場面はMLB恒例の儀式、日本でのビール掛けを意味するシャンパンファイトが不思議なことにMVPの表彰の前に行われたのです。
このシャンパンファイト、プレーの後の汗臭さを消すという隠れた目的もあるといわれていますが、まあ単純に喜びを表現する1つといって良いでしょう。
ところで人間には喜びの表し方が上手な人と下手な人がいます。プレゼントをもらった時の表現を観察すると面白い結果がでます。
喜びの表し方が下手な人の中には「あ~、ありがとう」とお礼をボソボソと言い、あまり喜んだ様子がみえない人がいます。当然その人の表情は暗く冴えません。贈った方もガッカリという事になります。
逆に大きく喜ぶ人は考え方も明るく、あげてよかったと贈り手も幸せな気持ちになります。恐らくその人はプラス思考の持ち主ですべてを感謝し有難いと受け止める事が出来る人です。
喜びの表現が上手な人は年齢よりも若く見える、というのも事実です。
さあ、貴方はどちらのタイプですか?

秋祭り

2007-10-28 18:35:07 | Weblog
童謡に「村祭り」があります。「村の鎮守の神様の~」と歌うんですが、この童謡を知らない人が多いのです。もちろん童謡を歌わない子供が多くなったのは、大人が教えない事につきるのですが、この「村祭り」に関しては町村合併で県内から村がなくなり、学校でも教科書からこの歌が消えたのです。収穫の喜びを歌うこの「村祭り」という曲がこうした形で消えていくのは残念で仕方ありません。
さて、今日私が出掛けた「明宝高原秋まつり」は明宝村が平成16年に郡上市に合併されたところです。明宝地域は山と川に囲まれ、イワナやアナゴ等の渓流釣りを楽しむ人々で賑わいます。冬にはめいほうスキー場のスケールの大きなゲレンデが人気です。
東海ラジオアナウンサー時代に前村長の高田三郎さんに出会い、色々お話をうかがった中で、「かつては厄介物だった雪を観光資源にかえてから、雪が待ち遠しくなった」と話していらっしゃったのが印象的でしたが、その地域活性化施策によって、観光客が100万人以上も訪れて活気あふれる村に成長したのです。
この秋祭りでは山の幸をふんだんに使った名物「千人鍋」などが振舞われました。
地域色豊かなふるさとまつり、このまつりの盛り上がりは根底にはやはり童謡「村祭り」のように「豊年満作」や「神様のめぐみ」という日々の生活の安寧あんねいがあるからではないでしょうか。

  
「千人鍋」の風景

視聴率

2007-10-27 17:11:50 | Weblog
いよいよ今日から日本シリーズが始まります。
名古屋を本拠地とする中日と、札幌を本拠地とする日本ハムとの対戦になります。大好きな石原裕次郎でいえば「白い街」と「恋の町札幌」の対戦です。
この対戦の注目は東京での視聴率です。先日のCSでは名古屋や札幌では視聴率が高かったのですが、東京では巨人のゲームでありながら余り高い視聴率は取れませんでした。
視聴率というのは日本人の中でそのテレビ番組をどれくらいの人が見ているのかをパーセンテージで数字化したもので、聞くところによると関東では600世帯を対象にした数字だそうです。そして一分毎にその数字が出てきます。番組の視聴率が高ければ高い程、スポンサーは出したお金が効果的に使われているとなるわけですから、スタッフというかメディアは過剰すぎる位の反応を示すわけです。
一方視聴率が高いという発表があると、それを見ていない者にとっては話題から取り残されていると強迫観念さえ持ってしまいますから不思議です。
但しあまりにも数字にとらわれてしまうと、数字をあげることが目的になる危険性もあります。創作意欲とのバランスが難しい課題です。
話を戻しますと、この日本シリーズは質を高めて、言い替えれば良い試合内容で数字をあげてほしいものですが、野球ファンの知識も格段に向上しているだけに、アナウンサーや解説者など送り手の質にも製作者としては気を配って欲しいものです。

エース

2007-10-26 18:45:59 | Weblog
53年振りの日本一なるか!いよいよ明日から中日ドラゴンズは日本ハムファイターズとの日本シリーズに突入します。
ドラゴンズの今年の日本ハムとの交流戦は1勝3敗で分が悪い結果が出ていますが、1999年からの北海道での成績は15勝8敗とかなりの勝率となっていますから安心していいと思います。
それよりも落合監督がシリーズ第1戦に誰を投げさせるかに興味があります。私はとにかくエースの川上投手に投げさせてほしいと思います。
というのも星野監督率いる中日が初優勝した1988年に西武と日本シリーズを戦った際に第1戦の先発に前の年まで西武にいた小野投手を起用しました。この初戦、結果は負けましたが、どうもこの起用があとをひいたという感じがします。確かにこの年20勝をあげた小野投手ですが、チームの自他共に認めるエースは小松投手だっただけに「どうして?」という疑問が外野席からも続出しました。こうした「?」はチームが一丸となる事を妨げる様な気がします。
今年、盛り上がったCSもやはり初戦の阪神戦は川上投手できっちり勝ち、5連勝につながりました。
「エースで勝つ」これが勢いを更に増すだけに、是非川上投手の先発を期待するのです。

生没同日

2007-10-25 20:02:30 | Weblog
今日10月25日には、2人の大作曲家が誕生しています。
1人は「美しく青きドナウ」の“ワルツ王”ヨハン・シュトラウス。もう1人は「カルメン」で知られるジョルジュ・ビゼーです。何とこの2人は亡くなった日も6月3日と同じです。(それぞれ年は違います)
しかしこの日記のタイトル「生没同日」という言葉はこの2人には当てはまりません。同じ人で誕生日と命日が同じ日であることを「生没同日」というからです。
歴史上の人物でこの「生没同日」に当たる人は案外いるんですね。
その代表が坂本龍馬です。通説では、天保6(1835)年11月15日に誕生し、慶応3(1867)年11月15日が命日となっています。毎年11月15日には、高知では「誕生祭」、京都では「墓前祭」が行われています。
その他の「生没同日」の有名人は、加藤清正、足利義教、6代目尾上梅幸、映画監督の小津安二郎、イングリッドバーグマン、6代目三遊亭圓生、さらには今年3月17日に亡くなった俳優の船越英二もあてはまります。(敬称略)
さて、この誕生日と命日、どちらが長く記憶に残るものでしょうか。
私の経験ではだんだん時が経つに従って、亡くなった日だけが記憶に残ります。命日は必ず思い出します。ただなかなか墓前で手を合わせる事も、親しい方のお宅にお邪魔してのご挨拶も出来ない自分のはがゆい日となってしまいます。出来るだけ電話でお話はさせてもらっているのですが・・・。
そして月日が経過するにつれて、思い出はますます鮮やかになっていきます。

落ち葉

2007-10-24 23:05:29 | Weblog
草も緑から黄色、茶色に色づいていきます。もちろん街路樹の葉も秋色に染まっていきます。
ところが毎年この時期になると、正直街路樹の落ち葉に悩まされてしまうのです。我が家の前に名古屋市の街路緑化の施策によって植樹されたのはコブシです。確かに四季の移り変わりをこの街路樹によって肌で感じる事が出来るのですが、落葉樹ですので、当然落ち葉があります。又、秋らしく落ち葉を踏みしめて、という程の落ち葉の量ではありません。(苦笑)
ましてや森の生き物たちのエサになるのと違って舗装された道路では気の毒ですが邪魔者扱いとなってしまいます。
人の気持ちを和らげる、歩行者の安全性が増す、夏の日差しをさえぎるなどメリットが大きいですが、どうしてもこの季節はうらめしいまなざしで見上げてしまいます。
そういえば、夏にあれ程お世話になった冷房車(電車)も、あの字を見るだけで仇に出会った様な気になるのですから人間は勝手なものです。
思い出しました。今日こそ扇風機をかたづけなくちゃ・・・。


我が家の前のコブシの街路樹

転進 

2007-10-23 17:37:54 | Weblog
演歌歌手の長山洋子さんが、初の海外公演を一昨日、中国の上海市で開催しました。
第9回上海国際芸術祭に日本代表として参加したもので、1時間半のワンマン公演でした。
長山洋子さんはアイドルから演歌への転進をとげました。演歌歌手になって最初のコンサートの司会をさせていただいたので、いつも気になっている歌手の1人です。それ以来15年、着実にヒットを積み重ねて来ました。
最近の新聞インタビューをみると、この15年間に「たとえ調子が悪いのどの場合でも、あえて頑張らない方がいい結果が出せる」ことも学んだと語っています。
同じ様に狂言師の野村万作氏も「力いっぱい声を外へ出して言う事が劇的に役を演じてると思いがちだが、柔らかくて力強くないといけない」と話しています。
さて転進といえば、成功した人達は一様に、自分がやりたいと思ったらすぐ挑戦する事とメッセージを送ります。その前の段階では、現在やっている仕事が好きかどうか見極める必要があります。好きではない仕事は、たとえ結果がついてきても楽しみという点となるとどうでしょうか。
一方で、すぐ挑戦という一歩を踏み出す為には、周囲の人達が背中を押してくれる力をもらわなければなりません。その為には常に自分の夢を公にすること。多くの人に夢を語ることによって、具体的な転進プランが生まれてきます。
私はそれを「言葉のアドバルーンをあげる」と言っています。

両雄

2007-10-22 20:27:54 | Weblog
  
 モモちゃん(ウェルッシュコーギー)   レーネちゃん(トイプードル)

この日記で見ていただいている右の犬が我が家の愛犬「レーネ」ちゃん。そして左の犬が宮地佑紀生さんの愛犬「モモ」ちゃんです。ペット界の両雄です。といっても雌ですが。
思いつくまま各界の両雄は、明治時代の小説家では夏目漱石と森鴎外。新撰組では近藤勇と土方歳三。木戸孝允と大久保利道。大岡越前と遠山の金さん。市川右太衛門と片岡千恵蔵。長島茂雄に王貞治。栃錦に若乃花、などがあります。
そういえば江戸時代の横綱、谷風と小野川の一騎打ちで横綱に傷をつけたくないとの行司の判断で「待った」のそぶりを見せた方の横綱に「気負け」を宣告したことがあったそうです。無理に両雄を並びたてたのです。
その両雄並び立たずとの格言でいえば、巨人のONは見事に並びたちました。上の写真の両雄はペット界のONですね。