フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

八百万(やおよろず)の神

2019-02-28 22:43:48 | Weblog
一般に日本人は宗教に無関心と言われていますが、他方何でも信仰の対象にしてしまう傾向もあります。散歩の途中に神社やお寺を見つけると通りすぎることなくお詣りするのも日本人です。そうして立ち寄った小さなお寺の賽銭箱に張り紙がありました。『ありがとう・もったいない・おかげさまで』の三行の文字が書かれていました。この三つの言葉は我々日本人の誇りとすべき言葉です。
私も手を合わせる時には、決まって、ありがとうという文言の入った言葉を述べることにしています。何故なら神仏の後ろには自然と人間の営みがあり、それを通じてひとりひとりの生があると思っているからです。ただ忘れてならないのは、私たちは神仏に対し単にお願いするだけではなく「おかげさま」という感謝の気持ち持つことは必要です。

断捨離

2019-02-27 23:59:22 | Weblog
3月3日の東海ラジオ「日曜も歌謡曲」の雑談のテーマは「断捨離」です。
断捨離というと、今、世界的に有名な片付けコンサルタントの近藤麻理恵さんがいます。彼女の主張は、片付けるときに胸がキュ~ンとするもの以外は捨てるというものです。この主張が世界中で受けいれられ「こんまり」という言葉さえ世界で通用することになりました。
さて私は「断捨離」の精神的効果は大いに分かっています。不要になったものを捨てスッキリとした部屋を眺めると何ともいえず豊かな気分になります。だが処分に困るものの一つが本です。この本も消耗品だと割りきることがなかなか出来ないのです。だからどうしても捨てるのに抵抗があり、読み返すこともあるだろうからと今回は残しておこうとなり、たまっていくばかりです。あ~あ。

2019-02-26 23:55:15 | Weblog
「出る杭はうたれる」という言葉があります。しかし今のサラリーマン社会は杭が出るほど個人的な活躍をする余裕があるでしょうか?ともかく横並びの動きを第一として特別なことをしようという意欲が外野から見ていても感じとることがあまりできません。もともと日本では団体行動を乱さないことが尊重されてきたからです。社会人として評判は仕事上の人間関係とともに築き上げられるわけですから、杭として突出することで人間関係がそこなわれる恐怖があるのかもしれませんね。それとともに会社の雰囲気に個人の発想を受け入れるだけの余裕もないようです。それだけに杭が突き出てくる場所がないのです。
常に新しい杭が出てくる、もちろん打つのではなく、受け入れることが大切ですがね。

介護

2019-02-25 23:54:04 | Weblog
介護施設での事件、事故が目立っています。時には社会問題として大きくクローズアップされることもあります。
20年ほど前のアンケートでは、当時のの若い世代は施設に入居を希望する「施設派」が圧倒的多い結果でした。一方、60代では「たぶん家族が介護してくれるだろう」という家族頼みの人がほとんどでした。今、アンケートをとったらどんな結果になるでしょうか。ただ、施設に入ってもいいという人も、家族や友人が頻繁に遊びに来て欲しいので家族と施設の距離が近いことも条件のひとつのようです。
こうして書いてくると施設に入る人はなんとなく、やって貰いたいという受身の姿勢が目立ちます。自分から施設の人達に溶け込んでいくことが大切です。余生を楽しむには・・・。

寅さん

2019-02-24 23:55:37 | Weblog
仕事柄、いつも演歌の活性化を願っています。演歌は歴史の彼方に葬られてしまうのでしょうか。その状態にならないように願うばかりです。
最近BSの放送で「寅さん」の映画が放送されていますが、私は演歌イコール寅さんという気がしてなりません。
日本の映画ファンがこぞってこの映画を見にいったのは、この映画から日本独特の「人情」「勇気」「希望」を感じとったからです。これはまさに演歌の心です。テレビから毎日のように流される虐待などのなんとも言えない胸いたむ事件などの根底には、先程の精神が欠けてきているからではないでしょうか。こうした殺伐な事件は特別なことではありません。
人に対する思いやりを含む「人情」「勇気」「希望」の思いを含む演歌の活性を願うのはそんな気持ちを含んでいるのです。

自然

2019-02-23 23:22:03 | Weblog
パスカルの名言に「人間は考える葦である」という言葉があります。この意味は、人間は自然のうちで最も弱い葦に過ぎない。しかしそれは考える葦、自然の中における存在としての弱さと思考する存在としての偉大さを言い表す言葉です。
同じような言葉が心理学の説にあります。その言葉は「人間は移動できる樹木」です。この意味は、樹木は自分の意思で移動できないけれど人間は自由に移動が出来ます。自分が自然の一部ということを認識すればどこへ行っても溶け込むことが出来ます。それが人間としての知恵であり強さにつながるという言葉です。
自然の中の人間を意識することがいつの世にも大切なことです。

お酒

2019-02-22 23:07:25 | Weblog
日本の歌謡曲の重要なテーマに「お酒」がありますが、このお酒というのは、ほとんど「日本酒」です。中には『♪~ビールを回せ~』なんてのもありますが、演歌のしんみりさはやはり日本酒です。何故かというとビールは世界のどこでも談論風発の酒です。
日本人がビールと出会ったのは江戸時代です。当時一部の蘭学者は、オランダから渡ってきたビールをひそかに味見をしていたようです。江戸時代が終わって開国したあと日本人とビールの接点が増えていくのです。あの福沢諭吉がビールの味を知ったのも横浜の外国人居留地だったそうです。その時の感想は「胸襟を開くに妙なり」と言っています。
胸襟を開くことが少なくなったと言われるご時世、ビールの良さを改めて知るのも必要です。

優しさ

2019-02-21 20:37:04 | Weblog
先日、大津地裁が自殺はいじめが原因という画期的な判決が出ました。このニュースにふれたとき、何故かいじめをした生徒は子供の頃に子守唄を聴いたり、童謡を歌ったことがあっただろうかと思ってしまいました。
私は音楽には優しさが必要だと思っているからです。特に童謡や子守唄は攻撃的ではなく、ただ単に賑やかだったりではなく優しさなんです。日本の楽曲の中に根付いているこの優しさこそ世界に誇れることです。
目に見えるシーンでは優しい対応が出来るのに、心と心のやり取りの中ではつい優しさを忘れています。これがわざとだということになれば、日本の前途は悲観的にならざるを得ないですね。

外国

2019-02-20 23:10:34 | Weblog
若い頃、つまり学生時代に夢を語る同級生で外国に憧れる人が多くありました。その夢を叶えて外国へ留学したり、外国で起業したりする同級生もありました。私は日本語が中心のアナウンサー志望でしたから、外国生活には全く興味がありませんでした。
その後別々の道をそれぞれ歩んだわけですが、同窓会で会った時「この為に日本に帰ってきたの?」とたずねると、外国で過ごし、しばらくしてから日本に戻り、今は日本で生活していると話してくれました。その理由は、外国で生活している時に、如何に自分が日本のことを知らなかったかと自分が呆れるほどだったので日本でやり直そうと思ったそうです。確かに、ずっと日本に住んでる私も日本の歴史、文化などどれだけ理解しているかと問われると疑問ばかりです。
日本を知る、大切なことですね。

言葉の力

2019-02-19 23:38:25 | Weblog
コミュニケーションの為の本を開くと、そこには「話をするときには、形容詞を上手に使うこと」と書かれていました。特に子供たちには形容詞を与えるべきだと言っています。「~しなさい」で終らせないで形容詞を入れた会話をする必要があるというものです。「すごいね」「綺麗ね」という言葉を使うことで、子供たちの感受性を豊かにする力があるそうです。
子供たちに対するだけではありません。食事中にも「美味しいね」との言葉で料理が一品増えるような感じがします。とは言っても形容詞で語るには、ある程度余裕や言葉のストックが大切です。挨拶から始まって、家庭内のコミュニケーションは形容詞を上手に使いこなすことですね。