フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

仕事人間

2008-02-29 19:58:58 | Weblog
この有名人の言葉に出会うことは今までありませんでした。いや、出会っていても全く気にも留めていなかったのかも知れません。「セリビアの理髪師」などの歌劇を書いたロッシーニの言葉です。
「人生とは食べること、愛すること、歌うこと、消化することの4幕からなる喜歌劇である」
そのロッシーニの誕生日が今日です。
さて本題ですが、人生とは仕事の1幕完結であるという様な思いが1番強かった様な気がします。いわば仕事人間をきどっていたのでしょうね。
仕事をしている以上自分を世の中に認めて欲しいという思いにかられ、仕事、仕事と過ごしてきました。仕事一筋ですね。
そうなると時に家庭を顧みない薄情な人間と思われていたことでしょう。しかし自分としては企業戦士と粋がっていたんですかね。そして仕事人間を通すことが家族を養うただひとつの道だという生き方だったのですかねぇ。
それとは別に多少の時間が出来た身としては、そろそろやり残してきたものを見つけだして新しい楽しみを持ちたいなとは考えているのですが、やり残してきたものは何だろうと見つける事が難しい身体になってしまっている様です。
ただ一つことわっておかなければいけませんが、決してこう書いていても仕事人間として過ごしてきたことを否定しませんし、仕事の中に他の人以上に喜び見いだしてきました。
まあですからこれからは仕事が従で楽しみを主としたスタンスの変化を試みて見ようとちょっと思っているわけですねぇ。

バカヤロー

2008-02-28 17:46:02 | Weblog
北海道に出掛けて、右手に牧場があり馬が遊んでいます。そして左手の山川に時々鹿が出る話を聞くと、この道路は馬鹿街道かと一人つぶやいていた事があります。
今日はあの昭和28年(1953年)に行われたバカヤロー解散の発端の日です。
衆議院予算委員会で当時の吉田茂首相が野党の西村栄一議院との質疑応答中にバカヤローとつぶやいた(小さな声だったらしい)事から紛糾し、3月に解散となったものです。
この「馬鹿」は当て字で破家の転義といわれていますが鎌倉時代の末期頃から使われはじめています。よく語源として鹿を見てあれは馬だと云ったとありますが、どうも直接関係なく後から作られたと言われています。
馬鹿騒ぎとか馬鹿正直という言葉にもある様に、大きなとか偉大なという意味も含まれています。
ところで吉田首相があの時に「阿呆」とつぶやいたら解散までいったでしょうか。この「阿呆」は関西方面では馬鹿より軽い意味で使われますし「お前は阿呆なやっちゃなぁ」という表現などは多少の愛情すら感じられます。とはいっても関東の人は「阿呆」といわれたらどう受け取るかわかりませんが。
「男どあほう甲子園」という人気漫画がありましたが、職人かたぎすら感じる「阿呆」ではありませんか。
この様に歴史に残るバカヤローでしたが、吉田首相は神田の生まれだけに「阿呆」とはやはり言わないでしょうね。
念の為に西村栄一さんの選挙区は大阪第5区でした。
そうそうもう一つ、この地方では「タワケ」というのがありましたね。

遁辞(とんじ)

2008-02-27 20:45:39 | Weblog
ある新聞のコラム欄のタイトルに「遁辞とんじろうする」とありました。辞書には「遁辞」は逃げ口上、いいわけと書かれています。
ここ数年のニュースには確かに経営トップや組織のトップの遁辞が数多く載せられています。まさに「遁辞」の洪水といってもいいでしょう。特にその最大の「遁辞」は「自分は知らなかった」「原因を究明する事が責任の取り方である」というもので、何度聞かされたことでしょうか。責任のがれのマニュアルではないでしょうか。もう一つあげるならば「多忙で・・・」云々があります。
古くから「多忙とは怠け者の遁辞である」(徳富蘇峰)といわれていますが、確かに忙しい忙しいと言う人に限って端から見ていて時間の使い方にすき間がある様に思えてなりません。忙しいという言葉自体が心を亡くすという意味なので、余り使わない方がいいと聞いた事もあります。
この時間のすき間は、徳富蘇峰が「今日為すべきことを今日しなかったら、明日は必ず多忙である」と続けて言っている様に、明日へ明日への先送り精神が生み出すものでしょう。
「夢は語れ」といいますが私は心に刻み込む為に夢を書き出す事をすすめます。つまり「書く事は心に刻むこと」なのです。自分の夢や目標を箇条書にしていつもポケットにしのびこませておく。こうしていれば、今、この忙しさを「遁辞」にする事は決してありません。
夢や目標のゴールにむかっているのですから、心に刻んだ事をいいわけにするなんて考えられませんね。

反省

2008-02-26 22:30:18 | Weblog
愛知県人が長寿日本一になりました。弥富市の山中かくさんで1894年12月11日生まれの113歳です。
古来、不老長寿の薬を王様が探し求めさせた様に長寿は誰もが願う事ですが、もちろん秘薬はありません。やはり気持ちが大切なのではないでしょうか。
徳川家康のよきアドバイザーだった天海僧正の詠んだ歌に『気はながく つとめはかたく 色うすく 食細うして 心ひろかれ』があります。108歳まで生きたといわれる人ですから説得力があります。「つとめはかたく」はしっかり仕事をしなさいという事ですが「心ひろかれ」はいわゆる心の健康の事でしょう。
かつて長寿でいらっしゃる方が「反省はしても後悔はしない」と言っていました。反省というのは「今度はこうしよう」と考えること。後悔というのは「ああしなければよかった」とくよくよする事だそうです。つまりくよくよする事が寿命を縮めるのかもしれません。くよくよがストレスになってしまうことですね。
あるアナウンサーが「その状態をポジティブに生きることですね」とまとめたら「そういう英語を使っていたら長生きできないよ」と言われたそうです。なる程ねぇ。
そういえばどこぞやで「反省の日」が設けられたそうですが・・・。

霹靂

2008-02-25 23:37:25 | Weblog
今日のタイトルは「へきれき」と読みます。そうです「晴天の霹靂」などに使う言葉です。
まさに「晴天の霹靂」で1981年のロサンゼルスで起きた銃撃事件でブラウン管をにぎわせた三浦和義氏が、ロサンゼルス市警に逮捕されました。日本では最高裁判所で無罪が確定しているだけに、今日の各局のワイドショーはすべてこの事件をとりあげ、我々の27年前の記憶をよみがえらせていました。多分、三浦氏自身が「晴天の霹靂」だったでしょう。
この霹靂ですが意味は雷や雷の音の事で「晴天の霹靂」というのは晴れている空にいきなり雷が鳴ることから突然びっくりするような予期せぬことが起きることをいいます。鳩が豆鉄砲を食らうという表現にも通じるかもしれません。
ところでこの「霹靂」の意味を知らないと挨拶の中でとんでもない使い方をしてしまいます。実際に私も出会った光景ですが、結構な肩書の方が挨拶の中で「晴天の霹靂の様ないいお天気に恵まれ」と話しはじめました。この時は思わずその人の顔を直視できず下を向いてしまいましたが、その失敗に気付いた人が殆どいなかったことも二重のショックだった事を覚えています。
確かに難しい言葉かもしれませんが、やたらに横文字を使うよりはうーんといいと思うのですが。

強風

2008-02-24 19:51:12 | Weblog
昨日、東京で春一番が吹き、今日も各地で強風が吹き荒れました。春一番は立春後はじめて吹く風速8m/s以上の強い風をいいますが、三重県志摩地方から西の方で船乗りが使っていた言葉で日本ではもう150年も前から使われていました。
日本列島は季節風の帯に入っているので四季折々、さまざまな特徴的な風が吹きます。
たおやかなゆったりしたその春の風の一つに「東風こち」がありますね。しかし今日の風は春の低気圧が通りすぎる際の強風で名古屋市内を運転していると、道路には風に吹き飛ばされた段ボールが行手をふさぐことが度々ありました。「花に嵐」と表現するにはちょっと早いでしょうか。
この低気圧は通りすぎたあと雨があがっても油断してはいけません。もう一つ春の火災もこの強風と乾燥に注意します。
さてこの風を夢に例える事があります。風をつかまえる、イコール夢をつかまえるとなります。一生懸命風に手をさしだしても手の中に風が残ることはないので夢を手に入れることが出来ないかというと、そういうことではなくて、風をつかむことは風を感じることです。全身で風にむきあっていると時には暖かさすら感じとることが出来ます。感じることがつかまえることです。
強風が去って、春風が優しく全身を包むと、明日の夢の実現です。
ところで犬も風の音が気になって落ち着かないのですよ。

駅弁

2008-02-23 23:34:19 | Weblog
またまた今日の新聞の見出しは食品偽装でした。
「新幹線の弁当期限偽装」 この弁当を今では駅弁と呼んでいるのでしょうか。
駅弁のスタイルといっても買い求める方法がずいぶん変化してきました。日本での最初の駅弁は明治18年7月16日、東北線の宇都宮駅で黒ゴマをまぶしたにぎり飯2個とたくあんを竹の皮で包んだものと文献にあるそうです。ただしそれは店売りでした。明治30年から車窓売りが始まったようです。
私の駅弁の懐かしい想い出は一言でいえば「スリル」でした。短い停車時間に窓から顔を出して、駅弁を山積みした木箱を肩からひもで吊した売り手と、弁当とお金のやりとりをするのですから、父親が買い求めている際にはかなりドキドキしたものです。ましてや機敏さを誇る友人がプラットホームに飛びおりて買いに出てなかなか戻ってこない時は本当に焦りました。
時々駅弁につきものの汽車土瓶といわれるお茶を手に入れそこなった時などは買い手をうらんだものでした。(昭和40頃からみられなくなり一時復活して販売されたこともあります)
食べ終わったあとには旅の楽しみが1つ減った様な気がしたものです。それ程駅弁には懐かしい楽しい想い出がおかず以上につまっているのですが、今朝のこのニュースは私の想い出さえも汚されてしまった本当にあと味の悪いニュースでした。

すれ違い

2008-02-22 18:11:14 | Weblog
今日は坂本冬美さんが東海ラジオにキャンペーンの為登場しました。明日の日本ガイシホールでの公演の為、一日早く新曲「紀の川」のPRに訪れたものですが、残念ながら私とはすれ違いになりました。
さて、このすれ違いで大切なのは「すれ違う時の挨拶」です。山歩きのすれ違いの挨拶は笑顔で「こんにちは」が定番ですが、知り合いや友人等と会社の廊下や街で出会った時、それも立ち止まる事の出来ない状況のすれ違いの挨拶が上手に出来るかどうかで人生ずいぶんかわってきます。
軽く手をあげて頭を下げる挨拶、女の子同士なら手を振ってすれ違う場面もよく見られます。仲の良い若い男性同士がハイタッチですれ違った光景なども新鮮でした。これも偶然ここで出会った喜びの表現でしょうか。そんな工夫もいいものです。
私が思う一番いい方法はすれ違う瞬間にタイミングよく「こんにちは」以外に一言付け加える事です。一言を付け加えるだけで相手の印象が変わってきます。ましてやその一言が「自分を気にかけてもらいたい」という潜在意識をくすぐる様な一言だと最高です。その為には個々の情報収集が大切ですね。
ところですれ違いざまの会釈ですが、誰に対しての会釈なのかわからない様な会釈をする人がいますがこれは駄目です。
もう一つお辞儀の角度は、会釈は15度、普通の礼は30度と覚えておかれるといいですよ。
ともかくすれ違う瞬間を大切にするという気持ちはきちんと持っていたいものです。

知名度

2008-02-21 19:16:33 | Weblog
ある社会に於て、その人物や土地などの認知度を示す言葉に「知名度」があり、最近では選挙で特に問題になります。各政党ともこの知名度の高い候補者を立候補させる傾向が強くなっています。
知名度といえば、先日の新聞記事に「名古屋は知名度が低い」と記載されていました。
名古屋市議会が開いた特別委員会で名古屋市内に住んでいるか、勤務している外国人が意見を述べたところ、交通の利便性や公園の多さなどの住環境は好評でしたが、街の魅力という点では物足らないという厳しい意見だったようです。
「パッと浮かぶイメージがない」「ランドマークがない」そして「知名度が低い」となるのですが、思い出すのは1988年のオリンピック招致をソウルと争った頃です。たしかに「名古屋」という地名は世界的に「知名度」がなかったのでしょうね。
私はこのランドマーク説(例えば名古屋城の金シャチを売り出す)は余り賛成できません。
世界の中のノルウェーにみられる様に、住む人達が毎日の生活を心地よく快適に住む事ができる福祉面の充実で評判をとるとか、暖かいふれあいが期待できる人のつながりがすばらしいという人間重視の街という名古屋をアピールする事が大切な気がします。
旅人を優しく迎える街、心の通うビジネスの街、人間最優先の街、この様な名古屋で知名度をあげる事を考えませんか。

ゼロ

2008-02-20 22:11:39 | Weblog
今日ははじめての交通事故死ゼロを目指す日です。この日は政府が生活関連の法令、施策を総点検する「生活安心プロジェクト」の一環として創設したもので、4月10日とともに決まりました。
日本の交通事故死としては今年は「4」が最小です。何とか「ゼロ」の日が一日でも多く記録される事を願いたいものです。
ところでこの「ゼロ」が発明されたのは勿論数字が誕生したインドで6世紀だといわれています。そして日本には17世紀の江戸時代に入ったとされています。
「ゼロ」という数は限りない可能性を感じます。この「ゼロ」を使えば0.000001の様に小さな数にもなりますし、10000000・・・の様に大きな数字をも創り出す事ができます。
最近では日銀のゼロ金利政策の下で景気回復が現実化しました。
またゼロ社会という脇役がいない社会にも魅せられます。
そして再チャレンジの精神が生きる「ゼロからのスタート」という言葉にも勇気が与えられます。この場合の「ゼロ」はスタートの基準点を表す「しるし」にもなります。
新しい環境に進む場合、必ずしも望んだ状態の出発でない事もあります。しかしいくつになっても「ゼロからのスタート」とスイッチを切り替える力があれば、またゼロから大きな数字を目指す事が出来るのではないでしょうか。
3月から4月、新しいスタートを迎える季節です。