フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

果物

2007-09-30 22:30:27 | Weblog
味覚の秋がやって来ました。
日本の秋は風の音や虫の声など音の秋ではじまりますが、何といっても秋は食欲をそそるものが数多く、食卓にむかう楽しさが増える季節です。
食事時に、食卓からどんな香りがするかを探ります。
この香りの秋の代表格は松茸で、松茸の香りがすれば、盆と正月ものです。焼き松茸を生姜醤油でと思うだけでも、よだれがでそうです。
しかし、ここ数年なかなかその香りに出会う事もありません。その代役として果物が登場です。梨、イチジク、ブドウ、リンゴ、柿などの果物がデザートとして用意されていれば、やはり嬉しい食卓となります。
ところで「結果」「成果」「結実」という物事の答えが出る事柄には果物に関する言葉が使われています。これは、昔から果物を育てる事は難しいというところから、漢字として当てられたのでしょう。確かに実がなるまでに手間暇がかかり、苦労も多いわけです。
本当に人を育てることと一緒で、丹精さが必要です。
となると果物を松茸の代役などといっては誠に失礼だったかもしれません。
でも・・・松茸の天麩羅もいいですね。

十二単(じゅうにひとえ)

2007-09-29 22:51:05 | Weblog
今日は、沼津で結婚式の司会でした。何とその結婚式の新郎新婦の衣装は新郎が衣冠、束帯、そして新婦が十二単でした。(写真は少々ぶれてしまっていますが、雰囲気はわかりますか)
この十二単というのは「女房装束」「裳唐衣」「唐衣裳姿」などと呼ばれましたが、正式には「五衣、唐衣裳」といい、初めて十二単という言葉が出てきたのは「源平盛衰記」だそうです。
今日の新郎新婦の姿を見ると、会場全体が平安時代の雰囲気に包まれました。
聞く所によると、その平安時代には、花嫁は花婿を十二単姿でむかえ、2人の寝所の蚊帳の中に入るときに上に羽織っていた小袿を脱いだそうです。
今日の新郎は、八幡神社の長男で禰宜ねぎさんでしたので、この2人の衣装はぴったりです。
そもそも披露宴というのは、本来の自分の本当の姿を知ってもらうという意味もあります。長い人生これから濃密なつきあいをしていく人達をお招きしている中で、職業から新郎の能力などを理解してもらうには、今回の衣装は一番説得力があったのではないでしょうか?
それにしても十二単という言葉の響きの美しさ。日本との美しさを改めて認識しました。

パソコンから携帯へ

2007-09-28 17:15:48 | Weblog
今日はパーソナルコンピューター「パソコンの日」です。
1979年(昭和54年)NECがPC8000を発売し、パソコンブームの引き金を引いたことからこの日に設定されました。
現代のパソコンは、当時のスーパーコンピューター(スパコン)の性能をはるかに超えています。が、それを上回る普及をみせているのが携帯電話です。
インドでは、パソコン市場が年500万台ですが、携帯電話は月に500万台売れているそうです。この国ではインターネットの手段としてパソコンを飛び越えて携帯が普及しているのです。
もちろん高機能化で先端を走っている日本でもますます市場は成熟化しています。テレビ電話あり、ワンセグあり、お財布携帯ありと、現代ではビジネスマンだけではなく、小学生からお年寄りまで幅広い世代で使用され、話す携帯から使う携帯へと変化しています。
2011年までに携帯電話加入器数は、世界で39億人を超すと予想されていますから、2人に1人は携帯電話を持つことになります。日本では1人が複数機所持するということですから、ますます需要は増えていく事でしょう。
日本人の生活動態調査で1年に150時間、探し物をする時間にとられると聞きましたが、携帯を探す時間がこれに加わると大変です。
確かに携帯を忘れようものなら何と1日が落ち着かない事でしょう!

温泉

2007-09-27 19:54:43 | Weblog
「秋の日は釣瓶つるべ落とし」といいます。秋の夕日は沈み始めるとものすごく早く日没を迎えます。
確かに8月末と9月末では、日没時間が1時間も地がいます。(今日の日没時間は17時43分でした)
これを頭に入れておかないと屋外の仕事はうっかり予定が狂うことがあります。
ところで、この釣瓶というものを今の若い人達はすぐイメージできるでしょうか?
綱の先につけて井戸の水を汲む桶の事です。(絵を参照)



汲み上げるといえば、飛騨高山では温泉の過密掘削で温泉そのものが枯渇しないかと大騒ぎとなっています。これも動力による源泉汲み上げという掘削技術の向上で、高まる温泉需要に答えようとしている為です。
この日本人の温泉好きについてドイツのボン大学の教授は、老人の医療行為と見られがちなヨーロッパの温泉に比べて、若い女性のファッションにまでなっている日本の温泉が、すでに幅広い層にわたる文化になっていると指摘しています。
秋から冬に向うこの時期から、各温泉地はまたにぎわっていきますが、温泉という資源も無限ではないだけに、利用者もお湯を大切に利用する心遣いが必要となりますね。

2007-09-26 19:55:25 | Weblog
携帯電話のカメラで撮った顔写真を送信すると、どの有名人に似ているかを瞬時に判定してくれる無料サイトの「顔ちぇき!」がすごい人気だそうです。登録された芸能人など約1000人の中から似ている度合が高い順に3人を選びだしてくれますが、何と1日平均80万人が利用しているそうです。
中には自分で似ていると思っている人の名前が出てこなくてガッカリしたという人や、素顔の場合と化粧をした顔とでは全く違う名前が出て来たというエピソードなどが聞かれます。
ところでその昔、夫婦何組かのカードを作り、そのうち何組のカップルを当てられるかというテストで、新婚さんより何年か過ごした夫婦の組合せを当てる事の方が的中率が高かったそうです。
人が瞬時に判別する顔の特徴は「顔の雰囲気」つまり印象だそうですから、長い間同じ居住空間で生活することによって価値観やしぐさ(喋り方も含め)などが同じになる事から顔付きが似てくる、という事かもしれません。
ユニークな説として「生活空間が一緒だと、身体の表面につく菌が同じなのでどうしても似てくる」があります。
となると、同居しているペットの顔も似てくるのでしょうか。


携帯で撮った松原です。誰かに似てますか?

富士山

2007-09-25 17:48:21 | Weblog

私の携帯電話の待受画面は、富士山の三態です。澄んだ空気と雪化粧をしたきれいな富士、夕陽に照らされた赤富士も雪をかぶり、又、桜の季節でも雪をかぶり、いずれも雪の富士です。そういえば、私の目に焼きついている富士山は、すべて雪をかぶっています。
ところで、昨日出掛けた三島市内から見た富士山は雪がなく、曇り空の中に灰色の富士でした。三島市内の煙突や電柱の影から見えるのです。日本一の山が、こんなにも身近に感じられるのかと不思議な感動を覚えました。生活の中に自然にとけこんでいる。つまり、生活に密着した山であることを再認識したのです。
雪をかぶっていない富士、それでも見ると心がなごみ、安らぎをおぼえます。ということは、魅力の1つはあの絶対的な形にあるのでしょう。稜線が左右揃ったあの形は、私達の心のりどころとなっているのでしょう。
一生懸命、携帯でその写真を撮ったのですが、うっすらとほんの少ししか認識できないのは非常に残念でした。(見えるでしょうか?)
心の中にはしっかりと写しとってきた富士山でした。

緊張

2007-09-24 17:07:13 | Weblog
スポーツの秋です。毎週のように世界大会が行われ、日本選手の活躍に我々は一喜一憂しています。
しかし、プロ野球ファンの私は、やはりこの激しいペナント争いの一試合一試合の行方が気になって仕方ありません。
特にドラゴンズの戦いぶりに注目しているのですが、絶好のチャンスにバッターが凡打でもしようものなら「馬鹿!何やっとるんや」などと毒づいています。それもそのはず、このところドラゴンズは決定的チャンス(1死1塁3塁)などで得点出来ないシーンが多いのですねぇ。
まあ、考えてみるとチャンスにバッターボックスに入る選手の緊張感はすごいものがありましょうね。
よく励ましの言葉に「緊張しない様に」と声を掛けますが、適度な緊張こそ好結果を生む事があるそうです。むしろ緊張しない様にという意識にとらわれて、頭が混乱してしまう事があります。
かつて横浜ベイスターズの大魔神、佐々木投手は緊張感がやってきた時、「来た、来た」といって楽しむ位だったそうです。
「適度な緊張」を楽しむことがヒーローへの近道でしょうね。
今日のヒーローは?

民謡から演歌まで

2007-09-23 21:52:43 | Weblog




今日は民謡の三橋流、三橋美智一会の発表会の司会を愛知県芸術劇場大ホールでつとめて来ました。
数多くの民謡を聴きましたが、すぐれた民謡は北海道や東北、北陸に際立って多い様に思えたのです。北海道、東北、北陸の共通ワードの1つに「寒さ」があります。そしてその地に住む人々は寒さに耐えて暮らしています。
この耐えるという事がテーマになりやすいのかもしれません。日本のメロディーではそれが一般的なのかもしれません。
よく「演歌」は秋から冬にかけてといいますが、それは演歌には耐えなければならない寒い風や雪が必要となっているからです。となると演歌は北国指向なのです。「北帰行」「北の宿」「雪国」「北港」などひとりで旅に出る際は、必ずといっていいほど北国なのです。そうそう作詞家に北国出身の人が多いかというとそうでもない様ですよ。
さて、そうなると傷心旅行は殆どの人が北へ向うのでしょうか。九州、四国、沖縄などへは一人旅が少ないのでしょうか。確かにご当地ソングで九州などの地名の歌はありますが、いずれもその地から出て、東京などへ向う歌が多いという実感がありますね。
一度このデータを確認してみなければなりません。もし想像とは違った結果が出れば、演歌の世界の幅が大きく広がり、歌謡曲復権の端緒になるかもしれません。

ポケット

2007-09-22 15:12:25 | Weblog
出逢いの際の挨拶に「朝晩はすごしやすくなってきました」が加わりました。しかし残暑はまだまだ厳しいものがあります。個人差はありますが、さわやかと感じる条件は気温18℃~24℃、湿度30~60%といわれています。過ごしやすい時期を迎えるのはもう少し先になりそうです。
それでも今日からの3連休、行楽の秋を先取りする様に小旅行を楽しむ人が多い事でしょう。
ところで新幹線に乗って通路側の席に座ったりすると、行き来する乗客やカバンがたえず肩などに当たる事がありますが、そんな時に詫びを言う人は本当に少ない気がします。話すことの意欲が減退しているのかなと解釈もできますが、この時期、乾杯の発声に際してでさえ長々と挨拶をまじえる人もありますから、単なる人に対する優しさの欠如と決め付けていいのかもしれません。というより、共同社会という意識は全くなく、自分一人の世の中だという錯覚の中で生活をしているのでしょう。人とのちょっとした接触に、優しい一言を交し合うと、ぶつかった事よりもその出逢いが嬉しくなります。
年をとってくると、やはり過去の思い出に身をゆだねる事が多くなりますが、様々な人との出逢いの中で人から受けた親切が感動のポケットにどれ位入っているかによって、そのポケットの膨らみによって、豊かさが違ってきます。
出逢う人のポケットの膨らみを大きくしてあげようという思いで生活すれば、自分の思い出のポケットも大きくなっていくことでしょう。

ブランド

2007-09-21 20:18:57 | Weblog

今日の三重テレビ「ワクドキ!元気」は三重県桑名市長島町のアウトレットモール「ジャズドリーム長島」が昨日、増床オープンしたのを記念しての特設ステージからの生放送でした。
高級ブランド店など45店舗が加わり、店舗数が計190店舗と、日本最大のアウトレットとなりました。
ウィークデーにもかかわらず、開店前から沢山の人達が並びました。ブランド志向は相変わらず根強いものがあります。
このブランドという言葉は、もともと西部劇などでよく見る牛への焼き印を意味したものだそうですが、そういえば我々はその焼き印を背中に背負って歩いているのかもしれません。中身そのものよりもレッテルで感動を味わう傾向があり、それが、政界でも芸能界でも世襲制らしきものがとられている所以なのかも知れません。
しかし、言葉を替えて言うならサラブレッド、純血という意味もあるわけですが、馬の世界ではやはりサラブレッドが好成績に結びついています。人間の世界ではスタートとなる最初の人のすごさをあらためて思わずにはいられません。私はいつもその最初の人に思いを馳せる様にしているのです。
今日のゲストのミス日本、萩美香さんも「萩ブランド」スタートとなる様、応援していきたいものです。