フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

大晦日

2009-12-31 17:31:59 | Weblog
2009年も今日一日です。今年も最後の仕事は、三重テレビのカウントダウン番組になりました。高田本山からの中継ですが、こういう番組はまず第一に気をつけるのは、寒さ対策です。寒すぎると心まで冷えこんできます。そうなると頭の回転に影響しますので、どうしても携帯カイロの出番です。
そのカイロの貼る場所は?というと「頭寒足熱」の言葉通り足がポイントです。身体の中で始めに温度を感じるのは足の裏だそうですから、足の裏に貼るのが良さそうです。
さて身体の寒さはこうしてカバー出来るのですが、心の寒さはどうしましょうか?一つの方法としては、寂しさや悲しさとは、真逆の言葉を口に出してみることです。言葉には「言魂」が宿っており、良い言葉を口に出せば良いことが起こり、悪い言葉を口にすれば悪いことを呼ぶと昔から言われているのです。
かつての江戸しぐさには、荒れた言葉で話しかければ荒れた言葉で返してもいい。というルールがあります。言葉の持つ力を信じて何時も明るい言葉を使うようにしたいものです
。今日の放送の中でも明日に、来年につながる言葉をたくさん使いたいですね。そうすれば身体に感じる寒さも逃げ出すと思います。
カウントダウンの瞬間には、皆さんも希望のある言葉を使って見てください。良いお年を!

撞木

2009-12-30 21:15:37 | Weblog
明日の除夜の鐘をつく木製の棒のことを撞木といいます。相撲の決まり手に撞木反りがあります。懐に潜って横向きに肩に担いで後ろに反って倒す技です。飛行機投げをイメージしてください。サーカスではブランコの曲芸を撞木ものといいます。
撞木造りという建築様式もあります。善光寺の本堂の様式をいいます。撞木造りというのは、正面の間口に対して後ろに長く堂が造られる、形式です。善光寺の場合は縦54メートル、横24メートルの長方形です。こうした撞木をついて煩悩を払っていきます。
煩悩というのは、三毒を始め身や心を煩わせ、悩ませ、掻き乱す精神作用のことです。三毒の中に愚痴があります。愚痴を相手にぶつけると相手も決していい気持ちになりません。愚痴を言わない一年もいい目標になります。
もうひとつ、こう不景気ですと物欲をぐっと押さえることが家計には大切になってきます。節約です。それぞれの煩悩をコントロールする力が必要です。しかし、こう書いていると生きている楽しみが無くなってしまうような気がしますね。ですから、適当に生きて下さいと締め括りましょう。

虎?寅?

2009-12-29 21:31:49 | Weblog
この時期は、干支にちなんで動物の話題が多くなります。最近は「寅」ですね。通天閣では「えとの引き継ぎ式」が昨日、行われました。
このイベントは、洒落を使っての引き継ぎが楽しいです。「ウッシーシー、モウーしわけありません」「この不況タイガーいにしてください。福をトラえます」と述べていました。
さて、寅と虎はどう違うのでしょうか。寅は干支で使い、虎は動物です。あの映画の「寅さん」はきっと寅年かも知れませんね。全48作という世界最長の映画としてギネスにも認定されている寅さんがCMで茶の間に戻ってきますから懐かしいです。
一方の虎には格言がたくさんあります。「虎視眈々」「虎穴に入らずんば虎子を得ず」「前門の虎、後門の狼」などがよく知られていますが、調べて見て出会った格言に「虎に翼」というのがありました。これは、虎が翼を持って更にパワーアップした様子で、ただでさえ強い者が更に威力を付けることをいいます。つまり「鬼に金棒」と同じ意味です。我々は今、多少自慢出来るなにかがあるかも知れませんが、新しい年はもうひとつ自慢できる物を見つけて「虎に翼」状態を生み出して頑張りたいものです。
差し詰め私は、喋りに歌に、そうだ顔ですね(笑)。

日本語

2009-12-28 19:24:15 | Weblog
番組の中で話題にするため「日本人の知らない日本語」(メディアファクトリー)を読みました。今年のベストセラーの一冊です。アニメ風に仕上げてありますから一気に読めますし、ところどころで日本語能力検定等の問題もありますから、楽しいというか、落ち込みますよ(笑)。
アナウンサーだから、ある程度、言葉には自信があるほうですが、知らないことも多く記載されていますから、目から鱗の状態です。それに友達との会話のネタにもなります。
一、二紹介します。あくまで私が知らなかったことですが、数え方では、手袋は左右二つで「一双」スキー板「一台」といいます。語源でボンクラは「賭場(盆)に疎い(暗い)人」ピカイチは「花札の中に一枚だけに光物という点の高い札のこと」等と教えられます。そのほか漢字の歴史も勉強になります。
外国人が日本で日本語を学ぶシチュエーションで話が進められますのでコントにもなりそうなネタも登場します。例えば日本の電車のダイヤの正確さから、日本は約束を守る国だと感心したり、また日本人は優しい人が多く、駐車場まで優しいと彼らはいうのです。その理由は駐車場がいつも励ましてくれるのです。「前向きに!」と。
ともあれ、楽しみながら母国語である日本語の知識が少し増えるので、年の瀬にいい本にであったと言えるでしょう。幸せ!

世論と沈黙

2009-12-27 18:07:09 | Weblog
先日、鳩山さんの弁明記者会見をテレビで見ました。責任を取って辞任ということにはなりませんでしたが、それでも世論の動向に身を委ねる姿勢をみせました。どういう結果になるかは世論次第です。
世論は、世間一般の意見のことです。これは感情に大きく左右されますね。またそれぞれが様子見の状態がしばらく続きます。というのも、マスメディアや周囲の意見を観察して、自分の意見が社会で支配的な意見かどうか探るのです。もしも世論を構成する意見と自分の意見が違っている場合には孤立することの恐怖感からか自分の意見を声高に叫ぶことはせず沈黙という立場を取ってしまいます。したがって一つの意見が風になって吹くのです。
司会を担当するアナウンサーとして、会議を進行させる場合には、参加者の沈黙が一番困るのです。そこで我々が取る手段としては、発言を待つのではなく指名をして意見を貰うのです。もちろんこれでも本当の意見を様子見で言わない時もありそうですが、沈黙よりはですね。
今回の世論は、様子見の時間を与えずに早い時期に世論調査をして見て欲しいですね。早ければ早いほど本音が聞けると思います。マスメディアにいながらこんなことをいうのはおかしいですが、マスメディアに影響を受けずに世論を知ってみたいものです。

順序

2009-12-26 18:02:05 | Weblog
今日12月26日は徳川家康の誕生日です。1542年ですから467年前です。
あまりにも有名ですが、家康は関ヶ原の戦いで勝つまでは、むしろ負け戦の人でした。75年の生涯を通じてしばしば戦に敗れましたが、奇妙にもその都度生きながらえたのはもちろん、時の権力者に自分を高く売り付けるのに成功しているからです。戦国時代の不思議といっていいでしょう。そして最後の最後の戦に勝利し、40年の敗北の人生を勝利の人生に変えたのです。その理由の一つに私はこう考えます。
そのまえに、この話しを聞いて下さい。ある人が、お寺の偉いお坊さんに、正月なので色紙に縁起のいい言葉を書いて下さいと頼んだところ、お坊さんはこのように書いたのです。「親死に、子死に、孫死ぬ」。書いて貰った人は正月早々縁起が悪いと怒ったのですが、お坊さんは、人間は順番どおり死ぬのが一番幸せなのだと言ったのです。
さて、家康の話に戻りますが、信長は家康より8つ上、秀吉は家康より5つ上でした。群雄割拠の時代、家康の周りの英雄は、ほとんど年上で、戦国時代でありながら、それぞれが歳の順番に亡くなっていったのです。そこで運よく若かった家康が天下を取ることが出来たのです。
家康が1603年に江戸幕府を開いたのは順番が来たからとも言えるのではないでしょうか。

2009-12-25 16:29:12 | Weblog
クリスマスの当日。少しロマンチックな話題を。昨日のイヴは恋人たちが「夜霧よ今夜もありがとう」とムーディーな過ごしかたをしたでしょうか?
近畿各地で霧が発生し、明石海峡大橋もすっぽり隠れてしまって、フェリーの欠航もありました。しかし霧はあくまで朝方のこと、むしろフェリーの欠航で逢えなかった人もあったかも知れませんね。
学校で習いました。霧の発生は気温が低くなった地表や水面近くで水蒸気が凝縮して細かい水滴となって漂う現象です。
どうしても霧がでると交通機関に影響がでたりしていいイメージがないのですが、歌謡曲の世界では、霧は大切な小道具として登場するのです。「夜霧の慕情」「霧の摩周湖」「霧にむせぶ夜」「霧の中の少女」「霧笛が俺を呼んでいる」などなど数え上げたらキリがありません。
霧笛は釧路など暖流と寒流がぶつかり合う夏に濃い霧が発生するので音で船の安全な航行をはかる為に使われます(なんでも来年の3月までに霧笛は無くなるそうです)。
歌謡曲の場合の霧は、哀しい恋のシチュエーションにはもってこいの使われ方をします。霧による輪郭がはっきりしない状況が聴いたり歌ったりする時、イメージの膨らましが容
易にできるのでしょう。
皆さんは現実にロマンチックな夜霧にであったことありますか?残念ながら私はありません(笑)。

プレゼント

2009-12-24 18:45:05 | Weblog
クリスマスイヴ。心弾んで迎える人が大勢だといいですね。各家庭によってプレゼントを渡す方法が違うのでしょう。どこかの川柳にもありましたが、今年はサンタさんが新型のインフルエンザにかかって日本に来れないと子供に伝えたお父さんもあるかも知れませんね。
明日の朝の子供達の表情が楽しみですね。欲しいものをサンタさんが届けてくれたら満足な顔、思惑が外れた子供は、残念な顔。それぞれの反応が繰り広げられるでしょう。恋人同士のクリスマスプレゼントの交換は、もちろん今日のクリスマスイヴ。こちらも相手の気をひくプレゼントを用意出来るでしょうか?
昔からプレゼントは難しいものと決まっています。男性と女性では、欲しいものが違います。プレゼントされて嬉しいものに差がありますから、選択が大変です。これからより深く付き合っていくためのスタートとしてのプレゼントは自己アピールのアイテムにもなりますからね。相手に満足な表情が浮かぶことをお祈りします。
ところで満足の満という字は幸福な漢字ですね。この字がつけばほとんど嬉しい表現です。満員、満額解答、満点、満悦、満願、満喫、などあります。
もうひとつ紹介しておきましょう。来年の元日は19年ぶりの満月です。あやかって縁起の良い歳にしたいものです。

家事力

2009-12-23 22:41:04 | Weblog
せっかくの祝日、大掃除だとぼやいていませんか?先にこんなデータを紹介しておきましょう。20代女性の72・7%が家事の出来る男性はカッコイイとしています。昔は、男子厨房に入らずといったものですが、もう死語でしょう。ですから今日の貴方はカッコイイのです。
しかし、生活関連企業では残念ながら、将来のユーザーである今の子供たちは家事力が衰えているとみて、掃除セミナーや料理セミナーを開催し将来の消費につなげようとしています。
健全に家庭が育まれる為には、家事は大きな役割を果たします。楽しく、効率的に家事を行うと、家庭に余裕が出来て温かい雰囲気になります。お母さんだけの家事になるとどうしても忙しくなり過ぎて笑顔が消えます。雰囲気が悪くなります。ましてや、女性の社会進出で家事時間を短縮しなければならない時には、子供や旦那さんの協力が必要になってきます。子供に家事を教えてないとそれもままなりません。
出来るだけ家事を楽しみながら、教える環境を整えなければ、子供が歳をとって夫婦二人家事という時期に夫婦がいがみ合うことになりかねません。
楽しみながらの家事のキーワードは「ありがとう」です。子供はお母さんのこの言葉がご褒美なのです。もちろん二人家事の場合は、旦那さんにもありがとうですね。基本はいつでも、どこでも褒めて使え!です。

十大ニュース

2009-12-22 21:05:53 | Weblog
十大ニュースが新聞に記載される時期です。もう何度、経験して来たのでしょうか。その度に明るいニュースが少ないことを実感するのですが、ある新聞では、明るいか、それとも暗いのかは、もう少し経たないとわからない「脱官僚、マニフェスト、政権交代」がトップでした。恐らくどの新聞でもこの項目が一位でしょう。
このマニフェストという言葉が、新政権になって3ヶ月過ぎても、大きく取り上げられています。民主党政権が作る来年度予算が固まりつつあるなかで、マニフェストに沿っているのか、マニフェスト違反かが論じられているからです。
そもそもマニフェストを選挙民が本当に読んでいたのでしょうか?自民党への失望感と民主党のキャッチコピーに踊っていただけのような気さえします。こうした実情を考えると選挙というのは、風が影響するのだとあらためて思いますね。旋風と考えるとこれが止んだ時が問題です。
アメリカのオバマ大統領もチェンジという旋風を巻き起こし、民主党も政権交代の風を起こして目的を遂げました。しかし、風が止んだ今、共に支持率が下がっています。凪の状態でこそ、しっかりとした政策を進めて支持率を上げなければ、また次の選挙で政権交代がキーワードになってしまうでしょうね。