フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

変わりびな

2007-11-30 19:53:57 | Weblog
「太平の眠りを覚ます正喜撰(蒸気船) たった4はいで夜も眠れず」という有名な落首があります。
落首は平安から江戸時代にかけて、民衆の旺盛な批判精神をたくしたもので、人の集まりやすい場所で狂歌として匿名で公開されたものです。
現代版落首といってもいいのが、毎年の「変わりびな」の発表です。東京の人形メーカーがその年の世相や流行を男女一対のひな人形で表現するもので、何と1946年から続けられています。不満や願望を人形の託すもので、その1回目は「リンゴの唄びな」だったそうです。
今年はサッカーユニホーム姿の朝青龍や、国会を背景にうなだれる安倍前首相を夫人が支える突然辞任びななどが発表されました。これらは来年1月7日から3月3日まで、東京の人形メーカー真多呂人形会館で一般公開されますが、今日の朝青龍の謝罪会見で、この「変わりびな」がどんな表情をみせてくれるのか興味津々です。
大相撲九州場所を見ていても、どうも主役不足の感が否めなかっただけに、朝青龍が「性格変わりびな」となって、また大相撲を盛り上げてくれるといいのですが・・・。
性格が変わるというのは難しいですね。

一声

2007-11-29 17:23:48 | Weblog
「一声」でも鶴の一声ではありません。鶴というのは気管がぐるぐる胸の中で巻いていて、それがラッパの様な働きをしているため、鳴声が大きくて鋭い声になるそうです。
さて、それではなくて今日の地下鉄の車内での事ですが、少しの隙間をゆずってもらって腰を掛ける際に、一声も発せずにお互い顔がこわばったまま行動をおこすのです。「いいですか?」「どうぞ」「ありがとう」というわずかな言葉さえ出てこないのです。黙々という言葉はここでは当てはまらないのですが、ほんとに他人には皆だまったままの生活に慣れてしまったのでしょうか。
世間のいう「一声運動」は、一人暮らしの高齢者や高齢者世帯の人達を見守る一声をいうのですが、普段から他人に優しく一声かける事がいかに必要なのかをもっと理解しなければいけません。
本来は勇気をもった一声をと言うところですが、当り前の一声を当り前の様にかけることが今こそ人との出会いに必要です。
「笑顔で一声」これが浸透すれば殺伐とした世の中が多少やわらいだ雰囲気になるのではないでしょうか。

後姿

2007-11-28 15:03:23 | Weblog
想像力をかきたてて、人柄を推測する方法に、足音審査があります。
後ろから聞こえてくる足音が軽快な音か引きずる様な足音かによって何となく人柄がわかる様な気がしませんか。足音が軽快ですと歩き方も美しいと言われています。
さて、我々はヒゲをそる時や顔を洗う時を含めて身だしなみを整える場合は必ず鏡のお世話になるわけですが、殆ど気にしないのが背中を中心とする後姿です。
野球の話ですが、投手の後姿を見て守る選手達が調子を占う事ができるという様に、後姿はもともと無防備で、生の姿が出やすいといわれています。
確かに後姿が張り切っている人を前にまわって見てみると表情も豊かです。逆に後姿が淋しいと、その人の表情もなんとなく冴えません。
背中は人生の喜び、哀しみがあらわれる場所なんですね。
街中で後姿の素敵な女性を見かけると想像力をかきたてられて「すごい美人」をイメージしてしまいます。(ガッカリもありますが・・・笑)
この想像力をかきたてるという点ではラジオの魅力と一緒ですね。だから私を生で見てガッカリする人もいるんですね。(笑)
ともかく、私も背中もシャキッと、意地をはって生きてみようと誓う今日この頃ですが、でも外は寒いんだろうな。

直指庵

2007-11-27 18:45:51 | Weblog
番組にいただいたお葉書の中に京都への行楽を楽しんだとありました。特に京都・嵯峨野の直指庵を訪ねた時はまだ青もみじだったと書かれていました。
私の学生時代の記憶によると、この直指庵には思いをつづるノートがありました。そうです「想い出草」ノートというんですね。旅行者の若者が一心にノートに向かう姿が浮かんできます。悩みや苦しみをつづっている姿は旅の途中と思えない程真剣です。
嵯峨野は特に女性が多く訪れる場所です。その中でかけこみ寺的存在なのが直指庵なのですね。
ただこの「想い出草」に書き終った方の表情をみてみると、すでに解決したかの様な晴れ晴れした表情に変わる光景をよくみたのですが、不思議な気がしました。となると悩み事は聞き上手な人がいれば意外と簡単に解決する事も多いのかもしれませんね。
又、この直指庵は京都でも紅葉の名所として名高いところです。緑の孟宗竹の竹林の美しさと真っ赤な紅葉が重なる所は京都でも最高のスポットではないでしょうか。その紅葉はまだこの1週間位はいいのではないでしょうかね。

歩行速度

2007-11-26 19:40:11 | Weblog
今日は「人生夢道場」という場所へ来年のお話の会の打ち合わせに出かけました。
この夢道場は「非営利団体」「夢育ての会」が運営していて午前中はお年寄りが、午後からは子供たちが自由に参加して学び合える「ふれ愛広場」を開催している、いわばこの地域の「たまり場」だということです。参加する人たちには、何かをやってもらうのではなく、自分達でお互い「学びあい」をする場所なんだそうです。まさにコミュニティーの拠点といってもいい場所でしょう。
この「人生夢劇場」へは、インターネットの地図情報を得て出かけました。本当に便利なもので、出発地から目的地へとちゃんといざなってくれます。
ところで、その地図情報によると名鉄味美駅から西へ1045mのところに「人生夢道場」があるとなっているのです。そして徒歩14分ということで、まあ気楽に歩こうと進んだわけです。しかしこの14分はちょっときついなぁと思ったので、私の歩く速度が遅くなったのかなと地方の方にうかがうと、やはり14分では無理でしょうと言われ安心しました。速く歩く速度の目安が1分間に100歩以上(時速約4キロ)ですからちょっと難しいですかね。
こうした地図情報の歩行速度は何を基準にしているのでしょうか。
そうそう、人生夢道場でトーク&歌謡ショーをさせていただくのは、来年の1月20日(日)に決定しました。どうぞお越しください。

千秋楽

2007-11-25 21:52:42 | Weblog
大相撲、九州場所の千秋楽です。ということは平成19年のさまざまあった相撲界の千秋楽です。
千秋楽の語源は諸説ありますが、一説には雅楽を演奏する際、1日の最後の曲は祝言の意味から必ず「千秋楽」を演奏したという古い習慣によるものとあります。
この「千秋楽」は相撲だけでなく演劇の世界でも最後の日を千秋楽といいますが、千秋楽という字を「千穐楽」と書きます。何故ならば劇場では「火」がご法度の為、秋という字に火が入っており忌み嫌って「穐」という字を使うそうです。
ところでお芝居に参加している俳優さんに聞くと、やはり千秋楽は特別な思いがある様です。つまりセリフ1つ1つが「あ、このセリフはもう最後だ」という思いで口にしているんだと話していました。
見ている我々にしてみると、千秋楽のステージは平常とは多少内容が違ってラッキーという気分になります。打ち上げの意味を込めてアンコールのカーテンコールが多くなります。これが楽しみのひとつです。
ですから相撲の千秋楽もアンコールの取り組みを試みたらどうでしょうか。場所を通しての人気投票でAとBの力士の取り組みを最後に見せるのです。
いいアイディアではないですか。

干し柿

2007-11-24 21:22:27 | Weblog
秋、柿の実が赤く色づく頃から初冬にかけての風物詩の1つに干し柿作りがあります。
農家の軒下に干し柿の鮮やかなすだれが垂れ下がっている風景を見た事ありませんか。最近では家々の軒下からビニールハウスや作業小屋の中で作られる事が多くなっています。
この干し柿は、戦後に本格的に作られ始めたわけですが、何でも戦後のお菓子のない時に甘い食べ物として珍重されました。ですから今でも和菓子の甘さの基準は干し柿の甘さとまで言われています。
我が家でも知人から蜂屋柿をいただきましたので、一個一個皮をむいて軒下に吊るしました。家の中から吊るされた柿を眺めながら、どうしたら美味しい干し柿になるかと考えていたら、ある専門家が吊るしたあと乾いた頃に「おいしくなぁれ」と声を掛ける事が一番の方法ですと言っていました。
そこで毎日そうした声を掛けながら太陽の恵みをたっぷりと受けた干し柿を待っている昨日、今日ですが、ただ心配なのは町中とはいえ野鳥がウロウロしているだけに、その鳥のエサにならない様に気を使っているのです。

  

朝食

2007-11-23 19:03:53 | Weblog
お母さんの生活のペースは、子供さん次第とよくいわれます。学校がある朝は、お母さんはどんなに疲れていても眠くても、ちゃんと台所に立って朝食の準備をするんですから母の力は偉大です。
ところで朝食といえば、昨日農水省のこんな試算が発表されました。「もし、日本で朝食を食べない人が毎日食べる様になると、年間約50億食、総額で約1兆5000億円の市場が生まれることになる」というものです。
数字を見てびっくりします。こんなにも朝食をとらない人が多いんですね。今、コメ離れに頭を悩ましているわけですが、これらの人が朝食をとる様になれば大分違ってくるでしょう。
よく言われることですが、小学生や中学生などの学生は、脳の働きを考えるなら朝食は必須です。空腹だと絵や単語の記憶力が朝食をとった人に比べてずいぶんと違いが出てきます。特に創造力という点で差が出る様ですからお母さんは注意しなければなりません。
朝食を作らないお母さんに敢えてメッセージを送るなら、朝食を作るという行為そのものが、視覚や嗅覚を刺激して胃の運動が促進されるそうです。
どうしても食べられない方は、胃に優しい飲み物だけでもとるといいですよ。
とにかく脳はとても食いしん坊なんです。エサを与えないと脳は働きませんよ。

いい夫婦の日

2007-11-22 21:41:27 | Weblog
ご存知、今日は「いい夫婦の日」です。1988年に通産省と余暇開発センターが提唱して決められました。車のナンバーで「1122」の数字を見つけると、夫婦仲の良い家庭だなと微笑んでしまいます。(実際はどうかわかりませんが)
しかし、夫婦の離婚率はものすごい勢いで増加しています。
1975年には12万件弱だったのが、2006年には25万7000件になっています。そのせいか結婚市場で初婚同士の割合が低下しているのです。厚生労働省の「婚姻に関する統計」の2006年度によると、結婚総数に占める初婚同士の比率は1975年の87.3%から2005年には74.7%にまで低下しています。もちろん離婚率が高いせいですね。
さて、新聞コラム欄に「新婚とはどれくらいの期間?」という記事がありました。二人で経験する初めてのことを一通り経験する期間だと定義していましたが、その他、東京学芸大学の山田昌弘教授の意見がなる程と思わせます。「いたくないときも二人でいるのが結婚。それに慣れるまでが新婚」だそうですが「いたくないときに決断するのが離婚」ですね。(笑)
それにしても似合いのカップルとして挙式した二人も、似合いの夫婦になるのは難しいものなのかもしれません。

住所録

2007-11-21 22:20:32 | Weblog
毎年毎年、この時期になると同じ様に後悔していることがあります。特別の労力と時間を要する事ではないはずなのにそのままになっている事。それは年賀状の為の住所録の編集です。
喪中はがきがぼつぼつ届く頃になると焦りだすのですが、いざ自宅に帰ると手をつける事もしない。ギリギリになってしまいます。特に平成の大合併がされて住所表示が変更されているだけにきちんと対応しなければ後で困ることはわかりきっているのですがね~。
ところで喪中はがきといえば編集の際にそのはがきを見ながら1つの名前を住所録から消さなければなりません。この作業は寂しいですね。その人とのこれまでのつながりも消されてしまう様な気分になってしまいます。出来るだけ、その御家族の名前に書き換えて、新しいつながりを持ちたいと思うのですが。
さて、個人情報保護法が平成17年から全面施行されたせいでしょうか、それぞれの学校の卒業アルバムの最後のページにあった住所録が掲載されない事が多くなった様です。これまで当り前と思っていたことが個人情報の流出に繋がるので止めたようです。確かに卒業生名簿を使っての売り込みも多くありましたからねぇ。但し同窓会の連絡は困るでしょうが。
まぁ、親しい学友には連絡、特に移転通知はきちんとすることが必要ですね。