旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

日蘭協会の思い出

2022-07-07 14:05:49 | 時局雑感



 先月で、日蘭協会を退会した。確か2001~2年の入会であったと思うので、20年余りの在籍であった。この間、楽しい思い出に満ちている。
 毎年10月3日に、オランダ大使招待で行われていた「Hering(にしん)party」はいい会だった。16世紀始め、オランダは、80年に及ぶスペインとの独立戦争を勝ち抜くが、その最後の砦ライデン市の解放を記念して行われる行事である。大使公邸の芝生の庭で、ライデン市から直送されたにしんの酢漬けを、オランダの国酒ジェネーヴァを飲みながら食べた。
 デ・リーフデ会主催のバス旅行も思い出深い。思いつくまま列挙すると、「佐倉藩11万石と老中土井利勝の善政をたどる“佐倉・桜”ツアー”」(2009年4月)、「山梨南アルプス市のパイプオルガンとさくらんぼ狩り」(2013年6月)、「伊能忠敬の偉業をしのぶ佐原ツアー」(2014年5月)、「日本輸出産業の草分け、世界遺産富岡製糸場めぐり」2016年11月)、「武田信玄の跡をたどる“山梨の春を訪ねる”ツアー」(2018年4月)などなど。
 また、皇族と言葉を交わす得難い体験もあった。名誉総裁を勤められる秋篠宮ご夫妻は、期初総会にはご出席になられ、立食パーティで親しく参加者と言葉を交わされる。
 いつであったか、秋篠宮殿下に、「殿下は日本酒を愛されておられるとお聞きしたが、『亀の翁』を飲まれましたか?」と聞くと、「…ああ、なにか思い出しましたねえ。いい酒ですね」と目を細められたのを思い出す。
 また、いつもにこやかな笑みをたたえられていた紀子妃殿下に、「私はお酒の勉強をしている者ですが、外国では会合の乾杯を必ず自国の酒でやっていますが、日本はどうして日本酒でやらないのですかねえ。もっと日本酒に誇りを持ちたいのですが」と問うと、「あッ、…それは、大西(富士フィルム会長の大西實氏で日蘭協会の当時の会長)に言っておかなければいけませんね」、と真顔になれたことを思い出す。
 もう、日蘭協会のことを書く機会もないだろう。全てがどんどん遠くなっていく。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿