昨夜、眠気が差してきたので寝ようと思い寝室に入ると、ワイフが聞いているテレビに素敵なア・カペラ・コーラスが流れている。これまであまり聞いたことない美しいハーモニーに聞きほれていると、ワイフの説明で「キングズ・シンガーズ」だと分かった。
NHK第2の「芸術劇場」で、4年ぶりの来日となった「キングズ・シンガーズ イン 東京」の演奏が流されていたのだ。
実は私は、このコーラスを聴くのは初めてである。それにしても美しい。そして何よりも気品がある。かなり派手なパフォーマンスもやるが、また色々とおどけた表情も見せるが嫌らしさがなく品がある。
男性ばかり6人のコーラスだが、誰一人として声を張り上げることをしない。ハーモニーの間に次々とソロが入ってくるが、カウンターテナーからバスまで、音程こそ違えど声の質が同じである(ように聞こえた)。肩に力の入っていない、柔らかい同質の声だ。
それがこの素敵なハーモニーを生み出しているのか…などと思いながら、すっかり眠気は覚めて1時間30分(翌0時40分まで)聞き惚れた。しかもその後も目が冴えてしばらく寝付くことが出来なかった。
このコーラスグループは、1968年、イギリスはケンブリッジ大学キングズ・カレッジ出身者たちにより結成され、爾来42年、ルネサンス時代のマドリガルからロマン派、近・現代からビートルズまでの幅広いレパートリーで世界を魅了してきたようだ。
アンコールに『大きな古時計』と『故郷』(兎追いし…)を、日本語を交えて歌った。『大きな古時計』など何度も聞いた歌だが、「こんなに豊かに歌うものなのか」と感心したし、『故郷』にいたっては、完全に“日本の心”を歌いきったかに見えた。「山は青きふるさと 水は清きふるさと」のところは全曲を通じて、はっきりした日本語で歌い、それぞれ3人のソロが、柔らかく且つ重厚なハーモニーに支えられて、まさに“日本人の心”を呼び覚ますように流れた。
単なる歌唱力だけでない、何か一人ひとりの体内に蓄積された気品のようなものが、聞く者に高い芸術性を感じさせるのであろう。
色々と共通点があるようですね。かつて「イル・ポスティーノ」についてコメントを頂いた時にも思いました。
久しぶりに一杯やりたいですね。新事務所にも一度来てください。
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近くに良い飲み屋が沢山ありますよ。
そのうちにお邪魔したいと思います。