旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

北極圏の原油・天然ガス争奪戦

2008-07-21 12:08:00 | 政治経済

 

 毎日新聞は、今日の一面トップに「北極に眠る3745億バレル 争奪戦、5カ国参入」を掲げ、『覇権潮流』シリーズの第二部「資源をめぐる攻防」を開始した。
 記事によれば、「地球温暖化で氷は薄くなり、資源獲得は容易になっている。原油・天然ガスの高騰で、投資に見合った調査開発となる」(カナダ天然資源省高官の発言)そうで、薄くなって亀裂の入った海氷を突き進むカナダの砕氷船の写真が掲げられている。
 北極の資源が誰のものか? などあまり考えても見なかったが、3745億バレルというのは、世界最大産油国サウジアラビアの埋蔵量の1.4倍に当たる(同記事)そうであるから、原油高が世界経済を揺るがしている現状からすれば、捨て置けない話だろう。
 国連海洋法条約によれば「自国沿岸から200カイリ(役370キロ)までの排他的経済水域内で資源開発ができると限定。これを超える海底では、自国領の大陸棚から地形・地質的につながることを証明し、国連の『大陸棚限界に関する委員会』の認定を受ければ、開発可能となる」(同記事)そうだ。
 そこで、北極に向かって国境を連ねるロシア、アメリカ、カナダ、デンマーク(グリーンランドを所有)、ノルウェイの5カ国が、自国の大陸棚につながることを証明しようと、調査を競い合っているようだ。
 もっとも進んでいるのがロシアとカナダで、もっとも遅れているのがアメリカのようだ。そもそもアメリカは、国連海洋法条約を批准してない。

 面白い(?)のはロシアで、探検家で下院議員のチリンガロフという男が、昨年8月潜水艦で北極点に至り、「水深約4300メートルの海底にチタン製のロシア国旗を打ち立てた」という。その行為をプーチン大統領は「ロシア科学の快挙」と称え、チリンガロフ自身も他国の挑戦に対し、「対抗しようとしても無駄だ。北極は約500年前から我々が目指した地だ。絶対に譲歩しない」と言っているそうだ。(以上引用は同記事)
 何かコロンブスやヴァ
スコダガマ(いや、スコットとアムンゼン?)がまた現れたような話だが、下院議員の中にも探検家が居るところがロシアらしく、第一、チリンガロフという名前がいい。

 ロマンに富んだ話ではあるが、北極の海底に旗を立てて、ここは俺のものだ、などと言えるのかどうかもわからないし、他国も含め膨大な費用をかけて調査を進めるのはいいが、温暖化が進んで調査しやすくなったなんて喜んでいると、調査の終わった時には地球は滅亡しているのではないか?
                             


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