旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

「第九」演奏80年…日比谷公会堂を讃える演奏会

2010-08-17 10:05:28 | 文化(音楽、絵画、映画)

      

 日比谷公会堂は昭和4(1929)年に建てられたという。爾来80年、日本最初の音楽堂として、日本の音楽活動発展に寄与してきた。その一つに、ベートーヴェンの「第九」を演奏し続けたことが挙げられるようだ。
 そしてその極め付きが、昭和201945)年6月に行なわれた戦前最後の「第九」演奏会であったという。昭和206月といえば終戦の2ヶ月前、3月の東京大空襲などを経て、最も激しい戦禍の中にあった。いつ空襲警報がなるか、いつ爆撃を受けるか分からない中でも、「第九」の演奏は続けられ、国民に音楽を通じて大きな希望を与えてきたと言う。
 それを想起し、記念して、又その精神を受け継ぐことを願って、去る72日、井上道義指揮するNHK交響楽団による「第九演奏会」が催された。そしてその模様が一昨日(815日)のN響アワーで放映された。
 会場の日比谷公会堂には、昭和12(1937)年の当公会堂で「第九」を歌ったという91歳の方などが観客席にいて、当時の思い出を語っていたが、心に響くものがあった。

  
      バス  ジョン・ハオ
    

 私がこの演奏会に関心を持ったのには、もう一つ理由があった。娘が企画するオペラコンサートの常連出演者(と言ってもまだ3回目だが)のバス歌手ジョン・ハオ君が、この演奏のバス・ソリストに選ばれたのである。未だ無名と言っていい若手歌手だが、指揮者井上道義氏の目にとまり抜擢された。「第九」におけるバス・ソリストは重要な役であるが、演奏会の趣旨から、井上氏は「未来へ希望をつなぐ」若手を中心にメンバーを組んだと思われ、その意味からもジョン君の出演を娘と共に喜んでいたのだ。
 ジョン君は名前の示すとおり中国人。その大らかな大陸的風格もあって、娘のコンサートでも一番の人気者である。さすがにこの大役では肩に力の入った感もあったが、大らかではあるが「ごまかさずに正確に歌う」彼の性格が良く出た演奏で、無事に歌い終えてホッとしている。
 だからこのブログのもう一つの題は「ジョン・ハオ君頑張る!」というものである。

        
 


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