旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

東京の雪

2008-02-03 16:33:05 | 時局雑感

 

 朝目覚めてカーテンを引くと、真っ白な雪景色であった。昨日から報じられていたが、本当に東京にも雪が積もったのだ。一日中降り続き、都心でも3センチぐらいは積もるようだ。この冬では2、3回目の雪であるが、このように積もったのは初めてで、珍しくもありうれしくもある。
 すぐそばのコンビニに新聞を買いに行くにも傘をさして行ったが、

   我が物と思えば軽し傘の雪    基 角

という風情はない。重く感じるほど積もりもしないし、そもそもそのような傘は”蛇の目”でなければ様にならない。白いビニール傘では色の感じも出やしない。
 初めて積もった雪の上を歩くのなら、

   
初雪や二の字二の字の下駄の跡   捨 女

といきたいものだが、今や下駄などない(探せばあるにはあるのだが・・・)。濡れてもいいような古い靴をつっかけ、滑らないようにひょこひょこ歩いているのでは、これまたなんの風情もない。
 それどころか、ワイフと二人で玄関周りの雪掻きをして、初めて積もった雪を片付けてしまった。物を配達してくれる人や、自転車で来る人たちに邪魔になる、というのがワイフの心配だ。都会人の生活には、少しの雪も邪魔なのだ。
 書斎に落ち着くとまだ降り続き、猫の額のような庭に小さい雪景色が作り出されている。
 このまま夕暮れを迎えれば、

   
おのづから雪見酒とはなりにけり  児玉南章

となるのであろうか・・・・・・。
                                

  


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1 コメント

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2月3日のブログに寄せて ()
2008-02-08 01:38:50
興味深く読んでいますが、多少の「理屈っぽさ」も感じていました。
 そんな中で、この項は心がなごみます。せっかく降った雪を、妻と二人して掃く姿がほほえましい。締めの、児玉南章の句を引用したのも貴兄らしい。    次のような句も思い浮かべました。
 雪の日の ゆたかに暮るる一画集 (みち子)
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