旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

裏磐梯・五色沼の旅(6)--野口英世の求め続けたものは?

2008-06-28 16:11:27 | 

 

 磐梯山を訪ねて、野口英世に触れないわけにはいくまい。私たちが、この地で最初に車を降りたのは、猪苗代湖の湖畔であり、その広々とした湖の空気を吸って、次に訪ねたのは野口英世記念館であった。
 そこで、改めてこの偉大な人物の生涯に触れた。ちょうど『「人類のため命をかけてのアフリカ遠征」~黄熱病研究の軌跡』という特別展(08
年4.28~11.30間)が催されていて、膨大な資料が展示されていた。この偉大な先人については、それなりに知っているつもりでいたが、知らないことばかりであった。
 ただ、今更それらについて書き記しても仕方あるまい。多くの教訓の中から、心に残った一点だけを書き残しておく。
 それは、自らの研究対象であった黄熱病に自分自身が罹り、遠くアフリカの地で死に至る時の最後の言葉である。彼が最後に残した言葉は

  
  「・・・私にはわからない・・・」


というつぶやきであったという。そこには、研究者としての執念を感じさせるものがある。

 
 それにしても、彼は何がわからなかったのであろうか?
 自らの命を奪おうとする黄熱病の正体のことであろうか?
 それとも、人間として背負ってきた哲学的課題の何かであ
 ろうか?
 それこそ、私など凡人には到底わからないことである。
                                                      
                                              


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