旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

コスタリカの教訓と北朝鮮の核放棄問題

2019-09-21 13:22:16 | 政治経済

 


 伊藤千尋氏(元朝日新聞ロサンゼルス等支局長)の、「コスタリカから9条へ~アジアと私たちの平和」と言う講演を聞いた。第二次大戦後の内戦を経て、戦争の馬鹿らしさを実感して武装を放棄したコスタリカは、当時国家予算の三分の一を使っていた軍事費を教育費に向け、教育水準の高い文化国家に成長した。
 1997年にコスタリカを訪れ、その素晴らしさを直接実感した私は、当時の様子を想起しながら伊藤氏の講演を興味深く聞いた。
 コスタリカは、中南米という極めて物騒な世界にありながら、自ら武装放棄を宣言して平和を維持してきた。隣国ニカラグアのちょっかいに対しても一層の武装放棄で対抗した。つまり丸腰になることにより世界の世論を味方にして他国の侵略を防いできたと言っていいだろう。
 時を経て今、北朝鮮の核放棄問題が焦点になっている。金正恩はトランプとの交渉で、「北朝鮮の体制を保証するなら核兵器を放棄する」と言った。加えて、「どこも攻めてこないことがわかれば軍備などいらない」とまで言った。
 平和が保証されるならば軍備は要らない。これは究極の平和主義ではないか? コスタリカの精神に共通するものがある!
 ただ、コスタリカと違うのは、北朝鮮は先に放棄することはないであろう。イラクや、リビアの例などもあるからだ。では、どのような保証を与えればそれが実現するのだろうか? 一方のアメリカ始め核保有国は、ますます核武装の質を高めているありさまだ。言葉だけの保障を北朝鮮が簡単に受け入れるとも思えない。
 それでもなお道を求めるとすれば、北朝鮮の蛮勇に期待するしかないが、そのためには、世界の平和勢力の「北朝鮮を守ろう」と言う大きな世論の形成が必要だろう。9条を持つ日本はその資格を持つが、安倍自公政権を思うと夢も希望もない。
 はて、どうする?


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