旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

様々な芸と音楽のあふれる町ーーニューオルリーンズ

2007-05-27 16:23:45 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 私がニューオルリーンズを訪ねたのは1988年、今から20年も前になる。ほんの3日の滞在であったがその印象は強烈に残っている。
 しかし、それは今からすれば既によき時代のニューオルリーンズであったのかもしれない。単なる時代の経過だけでなく、最近のハリケーンの来襲であの美しい街は壊滅的な打撃を受けて破壊されたと報じられているから・・・。

 新しいオルレアン、と呼ばれるように、この街はアメリカの中の「フランス(少なくともヨーロッパ)」である。そして、そのとおり、町の中心部をフレンチ・クォーターと呼ぶ。そのまた中心的な通りが、ロイヤル・ストリートとバーボン・ストリート。

 ロイヤル・ストリートは、鉄柵のあるバルコニーの家並みが続き、19世紀のアメリカ南部の雰囲気を残していると伝えられる。この街が作られたのはフランス領時代の1718年というが、その後の大火で消失、現在の面影はそれに続くスペイン領時代のものらしい。
 その通りのいたるところで町の芸人たちが、様々な芸を繰り広げていた。今でも心に残るのは、ハンサムなウェスタン歌手ゴスペルを熱唱する少女、トランペットとドラムの老人、などなど。
 中でもトランペットの老人は片手がなく、一本の手でトランペットを操りながら見事な演奏をしていたし、伴奏する老人のドラムは、空き缶や空き箱を連ねたものであった。道端で演じる二人の老人のジャズは、この町に来なければ絶対に触れることのできない雰囲気に包まれていた。私は、これらの演奏を、チップをはずみながらいつまでも聞いて歩いた。
 もう一つのバーボン・ストリートは、名前のとおり酒場とジャズ音楽の通り。その模様は次回に譲る。
                           


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