旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

ロシアのウクライナ侵略に対し日本はどうする

2022-04-20 14:23:00 | 政治経済



 ウクライナ戦争は、ロシアのウクライナ東部への攻撃の集中という形で、新たな段階に入ってようだ。プーチンの残虐行為が、これまで以上に激しさを増すのではないかと危惧されている。そして各テレビ番組は、「ロシアの侵略は成功するか?」、「ウクライナはそれを阻止できるか?」、「ロシアとウクライナは戦力においてどちらが強いのか?」など、戦争論議に明け暮れている。
 それにつれて、「日本も例外ではない、核共有を含め戦力アップしなければ国を守ることはできないのではないか」、など戦力増強論議が頭をもたげている。政府はすでに「軍事費のGDP比2%化」などの議論を進めている。
 果たして軍事力の増強で平和を保つことができるのか? ウクライナ戦争では戦略核の使用も現実問題として議論されており、核は抑止力ではなく使用可能な兵力であることが現実化して来ている。
 戦力の増強が平和をもたらした例があるのか? 一国の力の増強は、その周辺に不安と屈従を生み出し、その発露は戦争へとつながったのが歴史の示すところではないのか? 今こそ人類は、その叡智を傾けて「話し合いと共存の道」を探るべき時だろう。
 改めて日本国憲法を開いてみると、その前文に次のような記述があった。

「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理念を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われわれの安全と生存を保持しようと決意した。われわれは、平和を維持し、専従と隷属、圧迫と偏狂を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われわれは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から逃れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」

 

 
       
  昨年暮れ丸坊主にされた庭のハナミズキ、頑張ってほんの数枝が花開いた


プーチンの暴挙を止める手立てはないのか?

2022-03-18 15:17:15 | 政治経済



 前回の投稿に対するコメント返しで、ウクライナ問題に対するいら立ちを次のように書いた。
「過去の民族的経緯がどうであれ、現下の諸問題に何があろうと、力に任せ、核の脅しまで使って他国に侵入することだけは許してはいけない。しかしロシアを止めることができない。国連は無力だ!」
 国連は、第二次大戦の戦後処理のためにできた組織で、その形骸だけを残して今や機能しえない。NATOは軍事同盟だ。これは戦争のための組織で、これが動けば確かに大戦争になるだろう。
  とはいえ、力をもって他国に押し入り、無差別攻撃を繰り返しているプーチンの横暴を止めるには一定の力(軍備)が要る。ゼレンスキー大統領の各国議会での演説に示された「具体的で悲痛な叫び」に世界は応えないでいいのか。
 世界の大方の見解は、「プーチンの行動を戦争犯罪とする」というものだ。なにか既存組織を離れた有志同盟的圧力によってでも、この「戦争犯罪」を制裁する手はないのか? しかしその際、ロシアの核保有が大変な問題になるだろう。
 人知の限界にイライラする毎日である。


現状政治(自公政権)を支えた若者層の保守主義

2021-11-07 15:26:15 | 政治経済

 

 総選挙が終わって一週間が経ち、様々な論評や政治番組が行われている。それらを総合すると、当初予想できなかった自民党の絶対安定多数獲得の背景には、未成熟な野党共闘の力不足もさることながら、若者層の保守主義(場合によっては右傾化も含む)があったようだ。それによると…。
 バブル崩壊後30数年、デフレ経済の続いた日本は経済成長ナシ、実質賃金は下降を続けあらゆる面で国力は低下、その時代を生きた若者層に良いことは何もなかった。今後簡単に良くなるとはとても思えない。それなら、変に変えるより、せめて現状を維持してほしい。
 これが若者層の意識だというのだ。選挙の出口調査の結果では、20代、30代の40%強が自民党に投票している。「現状維持を前提にした是々非々政治」を主張する維新の会に投票した者も多く、層によっては立憲民主党をしのいでいる。

 それにしても若者たちは、安倍・菅政治が犯した「モリ・カケ問題」、「公文書偽造」、「桜を見る会」などの悪事をも許したのであろうか? 正しさを求める若者らしい正義感もなくしているのであろうか? それとも、長いこと味わってきた「希望のない悪い世の中」にあっては、安倍・菅政治のその程度の悪は織り込み済みとでもいうのだろうか?
 いずれにせよ、野党共闘がこれら若者層に、魅力ある国の将来像、何よりも「明日からこんな政治をやるという具体的なビジョン」を示しきれなかったことだけは事実であろう。これらの反省、具体的な立て直しこそ急務であろう。かなり難しい課題であるが…。


日本国民の選んだ道は? … 総選挙の結果について

2021-11-03 11:11:59 | 政治経済

 

 総選挙の結果、日本人はどんな道を選んだのか? 何を自公政権に託したのであろうか?
 私は、不覚にも、立憲民主党が議席を減らすことなど想像もしていなかった。初めて本格的に組まれた野党共闘は、一挙に政権交代までは無理としても、一定の抑制を自公政権に与えるものと信じていた。
 結果は、自公政権が実質的に勝利し、野党共闘の大敗北に終わった。当初30~50議席の減少が予想されていた自民党は15議席の減少にとどまり、絶対安定過半数(各委員会の委員長を独占したうえで過半数)の261議席を得た。反面、政権交代を叫んだ立憲民主党は14議席を減らし、枝野委員長は辞任に追い込まれた。共産党も少ない12議席をなお2議席減らし、第6党に陥落した。野党共闘の再建には、時間を要することになるであろう。
 加えて気になることは、維新の会の議席増大(30議席増で41議席獲得)である。維新の会は完全な自民党の補完勢力であり、同時に議席を増やした公明党(3議席増の32議席)を加え、与党とその補完勢力は改憲議席の3分の2を遥かに超える。
 
 国民は憲法改正の権限も与党勢力に与えたのであろうか? それよりも何よりも、モリ・カケ問題や公文書偽造、桜を見る会などの安倍・菅政権の罪をすべて許してしまったのだろうか?
 国民が総選挙で国政に付託したもの、その内実、それを生み出した背景…、これらをじっくり分析する必要があろう。


岸田内閣では政治は変わらない … 国会代表質問を聞いて

2021-10-13 14:51:59 | 政治経済

 

 第100代内閣総理大臣に就任した岸田文雄氏は、その前哨戦である自民党総裁選を通じ、新しい政治の方向として、新自由主義からの脱却、格差の是正と分厚い中間層の形成、果ては金融税制のゆがみ是正にまで発言していた。私は、小泉・竹中路線により持ち込まれ安倍政権で総仕上げされた新自由主義こそ、現在の日本の貧困の根源でありその脱却をこそ求めていたこと、岸田氏が自民党の中では最もリベラルと思われてきた宏池会に属し、久しぶりに宏池会から首相が生まれたこと、などを背景に、不用意にもこの岸田氏の発言を喜びその実現に期待を寄せた。
 ところがそれは全くの幻だった。岸田氏は昨日からの代表質問に答える中で、新自由主義を是正するどころか、「アベノミクスこそ民主党政権の失政かから日本を救い、不況を克服した」、「この成長と分配の好循環こそ必要」とアベモミクスを持ち上げ、新自由市議からの脱却、格差是正、金融税制のゆがみ是正などの言葉はすべて消えた。
 その裏には、安倍、麻生などの強力な圧力があったのであろうし、また経済界、財界の力が働いたのであろう。
 一方、この政局の中で、安倍・菅政権の失政で下降を続けた内閣支持率は回復し、特に自民党の支持率が回復した。反面、野党の支持率は立憲民主党の5%台、共産党の3%前後と低迷を続けている。今月末行われる総選挙でも、日本が変わる兆しが示されることはないのであろうか?


変革の兆しも見えない自民党総裁選挙

2021-09-17 13:48:56 | 政治経済

 

 自民党総裁選挙の告示を迎え、何だか騒がしくなってきた。岸田、河野、高市、野田の各氏が立候補し、男女取り合わせて賑やかにはなったが、結局のところ大きな変化はないのではないか?
 戦後の日本政治を担当してきたのは自民党で、その前半を主導してきたのはリベラル派の宏池会であっただろう。善悪さまざま犯しながらも自由と民主主義を日本に根付かせ、高度経済成長をを通じて分厚い中間層を育てて日本は安定するかに見えた。自民政治の後半は右傾化を強め、最悪は新自由主義を掲げた小泉・竹中路線で、競争主義と自己責任論を中心に経済格差を広げ、ごく一部の富裕層と多くの貧困層を生み出した。中間層は崩れこの二層に分けられた。結果、教育・技術水準も落ちて、日本の世界における地位は低下した。
 この総仕上げともいえる安倍内閣、それを引き継いだ菅内閣の政治を大きく転換することこそが今求められているのではないか?
 折しも出てきたのが宏池会の岸田であるが、今やかつての宏池会にあったキラメキも勢いも彼には見えない。首相の地位欲しさに、裏で操る親分衆にキバを抜かれているのではないか? そもそもキバなど持ってないのか。河野にしても各親分衆に手なずけられ、原発問題を始め改革の旗は降ろしたようだ。
 野田の出馬で票は割れて決選投票となり、岸田の勝利に落ち着くだろう。それに対する野党は、安倍、菅政権の失政の受け皿になり得ていない。内閣支持率が低下する間も、立憲民主党の支持率は10%で動かず、共産党に至ってはここ何十年も3%のままだ。選挙協力で議席は増やすであろうが、政権交代までは無理だろう。
 日本は変わらないだろう。いや、日本人は日本を変えようとはしていないのだろう。
 


緊急事態宣言の下でのオリンピック開催?!・・・

2021-07-09 14:38:27 | 政治経済




 東京はまたまた緊急事態宣言となった。ここ一年を振り変えると緊急事態の方がはるかに長いのではないか? もはや緊急事態が常態となりつつある。驚くのは、そのコロナ禍の中でオリンピックを開こうというのだ。しかも無観客というこれまた異常な状態でその矛盾を取り繕おうとしている!

 何故そうまでしてオリンピックを開催しなければならないのか? 開催準備のために来日したIOCのバッハ会長は、無観客開催の報を受けて、その方向を快諾したという。彼らにとって無観客だろうが何であろうが開催してくれればいいのだ。その裏にある放映権料など莫大な収入の道さえ閉ざされなければ、開催国民の生命が危険にさらされようと、何十年ぶりの自国開催の祭典を観戦する喜びが奪われようと、そんなことはどうでもいいのかもしれない。加えて彼らと思いを同じくする日本政府や東京都知事など開催関係者の思いがその裏にあるのだろう。
 その中で日本政府と開催都市(東京)関係者は、国民の命を守る緊急事態宣言と、感染拡大の道を残す世界的人流をまねくオリンピック開催という解決しがたい矛盾を犯した。この最初のボタンの掛け違いを犯した以上、今後さまざまな策を打ってくるのであろうが、最早事態を取り繕う術はなかろう。
 菅総理の記者会見には、オリンピックという世界の祭典をやろうという覇気のかけらも感じられなかった。薄暗い、逃げの姿勢さえ感じられた。そうまでしてなぜやるのか? 掛け違ったボタンのまま進むしかないのであろうか?


三つの国政選挙での「国民と野党共闘」の勝利を喜び、今後の共闘前進を望む

2021-04-27 15:16:49 | 政治経済



 コロナに対する緊急事態宣言で大騒ぎをしていたところ、政治の世界では大変なことが起こっていた。半年以内に総選挙を控え、その消長を占う前哨戦と言われる三つの国政選挙(衆院北海道2区、参院長野と広島の補欠選挙)で、国民と野党の統一候補が勝利し、自民党が全敗したのである。

 予てから、失政の続く安倍、菅政権への支持が下がらず、50%近い高支持率が続いていることを不思議に思っていたが、ここに来て、ようやく国民も正常な判断を下したのではないかとホッとしている。
 勝利の要因は、すべて野党の共闘にある。50%近い支持率の政権党に勝つには、野党がバラバラに戦っても勝てるはずなく、統一以外にない。私は「国民と野党の共闘」という点に意味を求めており、野党の共闘は「国民の願いに沿うもの」ということを各野党は肝に銘じてほしい。
 各野党よ。来るべき総選挙で国民の願いに応えるべく、野党共闘の実を上げるために全力を傾注してくれ!

 


アメリカは民主主議国か?…大統領選結果に思う

2020-11-18 13:39:51 | 政治経済



 米大統領選について、結果が出たら感想を書こうかと思っていた。ところがいつまでたっても結果が出ない。票数も選挙人数も確定したようだが、トランプ大統領が敗戦を認めないから、バイデン新大統領の就任準備も進まないらしい。
 聞けば、トランプ氏は敗戦を認めないどころか、自分は勝利したと主張しているらしい。最大の理由として「俺は7千2百万の票をとった。過去最大の支持票だ」ということを挙げているという。確かにトランプは7千万以上の票をとっているが、相手のバイデンは7千8百万以上を獲得してその差は6百万近くに及ぶ。獲得選挙人の数に至っては70人の差がついている。
 マスコミなどでさかんに「僅差」だと報じられているが、けっこう大差ではないのか? 少々の数え違いがあっても、6百万という数字は覆りようがないのではないのか?
 トランプはまた、「選挙に不正があった。裁判で争う」と主張している。しかも、不正の証拠は「裁判で明らかにする」として、裁判上の不利を防ぐため「今は言わない」と言ってるらしい。
 要するに選挙の結果は認め3ないというのだ。しかし、不正があるというのなら規則に基づいて数えなおしなどをやればいいのであって、そのうえで各選挙管理委員会が確定したものに従うのは民主主義の原理ではないのか?
 日本でも数えなおしなどはいくらでもあり、そのうえでの「選管確定」ですべては決着し、勝者も敗者もそれに従う。それが民主主義だ。
 選挙は民主政治の根幹である。アメリカはその根幹を欠いている国なのだろうか?


75年間は草木も生えぬ・・・まさに不毛の核廃絶への道

2020-08-06 13:54:16 | 政治経済



 今日は75回目の原爆記念日である。たった一発の原爆で廃墟と化した広島は、その惨状の激しさから、今後75年間は草木も生えぬだろう、と言われた。
 広島は、草木はおろか、日本を代表する文化、産業都市としてよみがえった。市内を流れる七つの川は、美しい周囲の山々を映し、爆心地となった平和公園は、濃き緑に覆われている。風光と産物にも恵まれ、広島はいまや世界へ誇る都市と言えよう。
 ただ、広島の悲願である核廃絶の道は、依然として閉ざされている。それどころか、核兵器の質は当時の何百、何千倍に高められ、保有国も増加の一途を辿っている。
 強国は「抑止力」の名のもとにこれを増強し、小国はこれを「窮鼠猫を噛む」道具として、いずれも手放す気配はない。一度核を持った国は、自ら手放すことは絶対にないのではないかと、背筋の凍る思いだ。この道は、まさに75年を超えて草木の一本も生えぬ不毛の道だ。
 ただ、国連で、これらの国々を除く過半数の国が「核兵器禁止条約」を結び、着々とその批准が進められていることに一筋の光を見るのであるが……。


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