桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

歪んだ目

2021-01-20 | Weblog
経産省の原発での諮問委員会が開かれて大部分の委員から再稼働の意見が出されたと新聞に出た。
金儲けのために原発を作れ、稼働させろということだが、既に世界では原発が過去の遺物と評価されている事実は、いくら経産省の委員会が叫ぼうと変わらない。
人間社会に生まれる対立する問題は、総ては同じことだ。
歪んだ目は、自分に合う言葉や主張ばかりを見てしまい、客観的な事実を見逃す。
原発はトイレの無いマンションと言われる。人間は原発から排出される放射性汚染物質を処理する能力を持たない。一度事故を起こせば人間の生存を脅かしてしまう原発は、ヒューマンエラーを含めて、必ず事故が起きる必然性から考えても存在は許されないのだ。
福島原発の事故から回復する手段や復旧の見込みすらない現実に目を背けて再稼働とか新設とか語れる輩の気が知れない。
こんな連中は日本や人類の未来を考えない拝金主義者で亡国の輩なのだろうが、こうした偏った意見ばかりを集める経産省の存在も亡国の組織と言うべきだろう。
あのトラブルの嘘を信じる間抜けがあり、銀座を練り歩き、その嘘を吹聴する日本国民もあるから、まあ、その連中には相応しい経産省かも知れないけどね。
対韓国、対中国、対ロシア問題となると、日本では偏った意見を集めて声を上げる人が多いが、経産省の原発委員会のように歪んだ目を持てば、いくらでも事実は作れるのだ。
でも、嘘は嘘、真実にはならないよな。
ちなみに、俺は北方領土とか尖閣諸島とかの問題は存在しないと思ってる。あれは日本の領土。そこにある問題を正確に主張しない自民党・公明党政権が悪いと思ってるけどね。