末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

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救援本部ニュース 469号

2013-07-06 06:53:33 | #すべての原発いますぐなくそう


救援本部ニュース469号 2013.7.6

堤未果著『㈱貧困大国アメリカ』
「株価や雇用は回復したはずなのに貧困は拡大を続け、医療、教育、年金、食の安全、社会保障など、かつて国家が提供していた最低限の基本サービスが、手のとどかない『ぜいたく品』になってしまった」

安倍「成長戦略」の行き着く先示す

 『ルポ 貧困大国アメリカ』(岩波新書、2008年)、『ルポ 貧困大国アメリカⅡ』(同、2010年)で「規制緩和」と「民営化」がもたらした現代アメリカ社会の惨たんたる現実を示して衝撃を与えた堤未果さんが、シリーズの完結編として『㈱貧困大国アメリカ』(同、6月27日刊)を出しました。
 あとがきには、こう書かれています。
 「人々は今、首をかしげている。オバマ政権が大きな政府であれば、なぜ二極化はますます加速しているのだろう。株価や雇用は回復したはずなのに貧困は拡大を続け、医療、教育、年金、食の安全、社会保障など、かつて国家が提供していた最低限の基本サービスが、手のとどかない『ぜいたく品』になってしまった理由について。かつて『善きアメリカ』を支えていた中流層や、努力すれば報われるという、『アメリカン・ドリーム』は、いったいどこに消えたのか。民主党が批判した『ブッシュの新自由主義』と、共和党が批判する『オバマの社会主義』。商業マスコミが差し出す一見分かりやすいこの構図は、過去30年で変質したアメリカの実体経済についての疑問には、決して答えてくれないだろう。
 貧困は『結果』だ。
 現象だけでなくその根幹にある原因を探っていくと、いまのアメリカの実体経済が、世界各地で起きている事象の縮図であることが分かる。
 経済界に後押しされたアメリカ政府が自国民にしていることは、TPPなどの国際条約を通して、次は日本や世界各国にやってくるだろう。
 2013年2月28日、安倍晋三首相は、所信表明演説の中で明言した。『世界で一番企業が活躍しやすい国を目指します』」
 安倍政権は、このアメリカがやっていることを手本に、いっそうあくどい「成長戦略」を打ち出したのです。
 堤さんは「完結編」にふさわしくこの本の中で、資本家の利益がすべてを支配する資本主義社会の行き着いた恐るべき姿を、事実をもって突き出していきます。各章・節の表題を上げれば「株式会社奴隷農場」、「『GM(遺伝子組み換え)食品』と『原発』に共通する安全神話」、「他国の食を支配するNAFTA(北米自由貿易協定)、FTA(二国間自由貿易協定)、TPP(環太平洋経済連携協定)」、「切り売りされる公共サービス」、「全米の自治体の9割は5年以内に破綻する」、「増えるのは低賃金サービス業ばかり」、「『移民排斥法』で花開く刑務所産業」
 例えば「『GM食品』と『原発』に共通する安全神話」の項、米・食品安全センターのダグラス・シャーマン博士との対談として「福島第一原発の事故後、いったん停止した原発の再稼働に反対する世論が高まると、原発を止めれば電力が不足するという論調が、マスコミを通して国中に流れました。そして政府は、それを理由に二つの原発の再稼働許可を出したのです」(堤)、「GM作物もそれとまったく同じです。…GM作物ラベル表示義務化の是非を問う住民投票が行われるたびに、企業側は義務化すれば食品価格が上がるという根拠のない恐怖をばらまき、人々を否決の方に誘導するのです」「原発論議と同じで、GM作物推進派は反対派の意見をまるっきり無視するか、非科学的だ、情緒的だ、といってばっさり切り捨てます。…論点をずらしたり、専門用語を多用して視聴者に分からないようにしたり、反対派の言動を過激だと騒ぎ立て被害妄想のようなイメージを植え付ける、といったテクニックを使う」(シャーマン博士)
 すべて「命よりカネ」の世界。全編を読めば読むほど、怒りがこみ上げてきます。
 堤さんは最後に、こう結んでいます。
 「いったい本当に価値あるもの、守るべきものとは何だろう。…市場の中で使い捨てにされる『モノ』ではなく、たった一人のかけがえのない個人としてこれらの原点を問われたとき、私たちは自らの意思で、どんな未来を描くのか。
 食、教育、医療、暮らし。この世に生まれ、働き、人とつながり、誰かを愛し、家族をいつくしみ、自然と共生し、文化や伝統、いのちに感謝し、次の世代にバトンを渡す。そんなごく当たり前の、人間らしい生き方をすると決めた『99%』の意思は、欲でつながる『1%』と同じように、国境を越えてつながってゆく。
 意思をもつ『個のグローバリゼーション』は、私たちの主権を取り戻すための、強力な力になるだろう」
*  *  *
 その通りだと思います。
 参院選に東京選挙区から立候補した山本太郎さんの訴える「被ばくさせない、TPPに入らない、飢えさせない」はみんなの合言葉。この世界を変えるために、「国境を越えてつながって」団結していきましょう。

なにがなんでも!全原発廃炉 
7・11東京集会7月11日(木)午後6時 座・高円寺2(JR高円寺駅北口徒歩5分)
NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)



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