商社マン-東京→ニューヨーク→東京→Liverpool→東京→Ann Arbor→Austin日記

07年8月から5年間NY、帰国して2年半東京、その後何故か英国Liverpoolに。。引き続き思った事書いて行きます。

読んだ本に付いて2

2005-02-17 15:33:51 | Weblog
「新・日本の経営」リチャード C アベグレン

日本人は自らの経営スタイルとか対外経済政策とかを卑下しすぎであるという事を、色々な事例を示しながら説明した本。
日本人の耳にはかなり心地よく響くでしょう。(アマゾンの批評を見ても非常に評価がよかった)
この本の内容に付いて論じるほど事実を知らないのでなんともいえませんが、ひとつ思ったのは、同じ事でも違う側面から見れば全く違ったように見えるということ。この人の主要な論点のひとつに「バブル後の10年は日本にとって『失われた10年』などではない。この期間に日本企業は真の効率化を図り、更なる発展への基盤をつくっていたのだ」というものがあります。今日本経済が回復基調にあると言われる中で、このような論理は説得力を持ち、色々な具体例を探せば実証できる部分もあるのでしょうが、全く違った結論を得る事もできると思います。本質はどっちなのかはリアルタイムにはなかなか把握できないのではないでしょうか。

で、じゃあこの本が今出版され、高く評価されるかというと、今日本経済の回復が話題となる中で、内容的にキャッチーだからという事に尽きるのではないでしょうか。マスコミにしても出版社にしても商売である以上、そのときに売れそうな本を作るわけですよね。それが必ずしも物事の本質を突いているとは限らないわけですが、僕を含め一般の人は、本とか雑誌とかに書いてある事は
「正しい」と無条件に思ってしまう傾向がありますよね。
そうやってある意味騙されて、人は株やら為替やら不動産やらに手を出して失敗していくんだろうな、と思います。こう書いていくと結局は「自分自身の判断軸を持たなければならない」という陳腐な結論になってしまうのでしょうが、世の中がひとつの方向に動いて行くときに「そうじゃない」と信じる事はなかなか難しいですよね。

などと答えのないことを考えてしまう本でした。
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